Last Updated on 2023年3月8日 by wpmaster
現代野球は、リリーフ投手の配置を疎かにしてはいけない
先発投手は、肩の損耗により、ボールを持つ手の手の平がトップを作ったときに向きかかり、投げる方の肘の位置が下がります。
肘の出がグラブを持つ方の肩の外旋、踏み出した足の膝の外旋、更には、後ろの腰の腸腰筋、後ろの股関節の外旋よりも遅れてトップの位置が下がります。
そうなると、投げる方の肘が伸びて、球離れが早くなり、ボールが高目に外れます。
また、腕を内旋する直前のトップを作ったときに右肩が凹んで、低目にワンバウンドさせます。
リリーフ投手は、降板した段階での先発投手より、瞬発力の乗った回転数の高いボールが投げられる投手でなければなりません。
現代野球は、昭和の野球とはレベルが違います。
皆さんも、交流戦で、西武の金子、ロッテの清田、鈴木大地、田村のバッティングを見たことでしょう。
特に下位打線のレベルは、昭和の比ではありません。
現代野球の下位打線のレベルは、山本浩二や落合のレベルを遥に凌駕しています。
現代野球における打線は、先発~中継ぎ(ストッパーを含む)~セットアップ~クローザーの中で、最も弱い投手に襲いかかります。
リリーフの中に一人でも弱い投手がいれば、命取りといっても過言ではありません。
打者がアウトになる原因は、100%始動の遅れと言っていいでしょう。
パワー系オーバースローは、いくらいても多すぎるということはありません。
俺が編成担当だったら、全てパワー系オーバースローで固めます。
パワー系オーバースローより瞬発力が落ちる、回転数の少ない投手を獲得することは、補強ではなく補弱です。
私は、カープには、サイドアームやアンダースローのような変則投手は要らないと断言できます。
平成になってから、ほとんど全くと言っていいほど、変則投手を獲得せず、また、育成せずにきたカープのやり方は正しいと思います。
日本プロ野球の他球団は、他球団です。
実際、サイドアームやアンダースローの割合が多い中日、DeNA、西武のリリーフ投手の防御率は、カープのリリーフ投手の防御率よりも悪い。
くれぐれも、今後も、補弱は、やめていただきたい。
トップを作るまでは、無駄な動作を省くことが重要
ホームベース上を通過する、いわゆる甘いコースに瞬発力の乗った真っすぐで、打ち損じをさせて、少ない球数でアウトを重ねることが必要なのは、先発もリリーフも同じです。
早速、速いボールを投げるコツについて考えていきましょう。
きれいなタンブルをしている投手なので、ここでは、左投手を教材にします。
筆者は、右のオーバースロだったので、執筆過程はハードなものとなりますが、やります。
右投手の場合には、上半身、下半身共、左右を逆に読み替えて読み進んで下さい。
ワインドアップは、無駄な動作です。
無駄な動作が多ければ多いほど、トップを作るまでに脱力ができなくなります。
ランナーのいる、いないに関係なく、全球、セットポジションで投げた方がいいでしょう。
セットやスライドステップで投げると瞬発力がボールに乗らなくなるとか、あれ嘘ですから。
力むな、力むなと暗示をかけても、脱力した投げ方なんてできませんから。
脱力してリリースの瞬間にマックスで瞬発力を伝える投げ方は、両腕を解いてトップを作るまでの過程をいかに省くかが鍵ですから。
また、投げない方の肩を内に入れるトルネード投法も、投げる方の肘の出が遅れ、瞬発力の消耗する投げ方です。
マウントは、右投手は一塁側、左投手は、三塁側を踏んだ方がトップの位置を高くすることができます。
足裏全体で地面を踏んで、踵に重心を残してスパイクの外側をプレートに沿わせて投げると、腕を内旋する直前のトップの位置を高くすることができます。
膝を上げるときは、捕手の方に顔を向けず、右投手は、三塁側、左投手は一塁側を向きます。
グラブを持つ方の手の肩甲骨を本塁の方に向けます。
膝を上げる高さは、骨盤より下の方がベターでしょう。
膝を骨盤より高く上げ下げするのは、脱力を難しくさせ、瞬発力を消耗させます。
二段モーションも、瞬発力を消耗するので、私は、肯定的な見方をしていません。
大丈夫ですよ、股関節のタメを担保する方法もありますから。
左投手の場合、両内転筋を内側に入れて内股で立ち、右膝を内入れすると左股関節の内旋ができます。
左膝をタイトに曲げずに右股関節を内旋します。
この内旋によってトップを作ることに遅れることなく、右足踵を三塁側に蹴って、右足のスパイクの内側を地面に向けて右膝下を内入れして右足のつま先を本塁側に向けることができます。
インステップして右膝が内に入って瞬発力が消耗するのを避けることができます。
インステップになると、投げる方の肘、トップの位置が下がって左足がターンできなくなります。
右膝をタイトに曲げると右股関節がロックされて俊敏に内旋できません。
右膝をタイトに曲げると頭の位置がブレてしまいます。
右膝をタイトに曲げると骨盤が滑り、左膝が割れて瞬発力を消耗してしまいます。
左膝の伸縮ではなく、大腿骨を骨盤に刺すことによって、一瞬、左足の踵が浮くので、フットファーストになることと左足踏み出したときに、左足の股関節が伸びてしまうこと、右股関節が前に出されること、トップを右作ったときの左肩の開くことを防ぎます。
右足のくるぶしを本塁側に向けて右足を踏み出す直前に、左足の重心は、拇指球に重心を移しますが、拇指球に体重をかけて強く踏みすぎると、左肘が下がりトップの位置が下がります。
地面を軽くタッチする程度で十分です。
ステップ幅は、狭ければ狭いほど、右膝を始め、下半身がロックすることなく、ハムストリングス、内転筋を、右膝を俊敏に蹴り伸ばせます。
投げる方の手の平を二塁方向に向けて体の縦のラインに沿わせて引き、大腿骨を骨盤に刺して投げる方の肘をつまみ上げます。
テイクバックなんて別にあってもなくてもかまいません。
テイクバックのときに投げる方の肩、腕を背中に付くぐらい引いてしまうと、投げる方の肘が伸びて横振りになってしまいます。
テイクバックときに、投げる方の肩の下がりが、グラブの持つ手の肩より大きく下がるとヒップファーストで投げられます。
しかし、踏み込む足を踏み出したときに、マウンドの傾斜により、トルク(負荷)が大きくかかり、投げる方の肩が損耗します。
反対に、両肩を水平にしたり、投げる方の肩を上げると、腕が横振りになります。
テイクバックのときの投げる方の肩は、投げない方の肩より若干下げるぐらいでいいと思います。
サイドスロー、アンダースローが通用しなくなった訳
テイクバックが大きく、テイクバックのときに投げる方の肩が、投げない方の肩より高く上がってしまうと、後掲の画で言うと、②→③→①の順に外旋し、左投手は一塁側に回転軸が傾き、右投手は三塁側に回転軸が傾くので、投げる方の肘が下がります。
①を更に細分化して言うと、投げる方の肘→前腕部→手首の順ではなく、投げる方の肘が伸びて、ドアを押すように手首から先に前に出ていきます。
ボールを持つ手がオーバースローの場合よりも早くなります。
ドアスイングだと、瞬発力が加速しないのは、打撃と同じです。
トップの位置が下がったところから腕を内旋→小指の腹でチョップし指先でボールを擦りますから、バックスピンのかかりが悪くなります。
打者の正面に胸が向き、オーバースローよりも球離れが早くなり、打者の顔からリリースポイントが遠くなります。
先程、お話ししたことと重複しますが、打ち損じ、空振りの原因は、100%振り遅れ、更にさかのぼれば、前足の膝を上げてヒッチ→トップを作る→ステイバックのプロセスの内、ヒッチが遅れることです。
サイドアームやアンダーハンドの投手との対戦だと、打者は、ボールが投手の頭からバールが出来きたときに、ステイバックしますから、振り遅れないんですね。
スイングの結果、ボールを長く見れる。
プロ野球選手は、仮に、初顔で女子ソフトの投手の球に空振りしても、一週間後に対戦すれば確実に攻略するでしょうが、女子ソフトの選手が、プロ野球のオーバースローの投手からヒットを打つことは、まずあり得ないでしょう。
また、クイック(オーバースローのスライドステップは重心を沈ませない)のときに重心が深く沈むので、クイックも遅くなる。
だから、ほとんど全くといっていいほど、メジャーでは、サイドアーム、アンダーハンドの投手がいません。
サイドアームへの転向の打診は、見込みのない投手の首に鈴をつける行為です。
サイドアームへの転向打診は死刑宣告に等しいとはこのことです。
トップを作ってからの体の使い方
ここで。再び、話を速いボールを投げる投げ方に戻します。
グラブを持つ手は、グラブを肋骨に沿わせて、真下に真下に落としして、左肘をコックしてトップを作ります。
グラブを持つ手の肩を内旋していると、脱力できずに、瞬発力が消耗し、逆にグラブを後ろに引くとグラブを持つ方の肩が開いてしまいます。
コッキングの角度は、鋭角にして頭との距離を縮めます。
手の平は右投手の場合には、三塁ベース方向、左投手の場合は、一塁ベース方向に向いていないと、コックした肘が沈み、下がってしまいます。
そうすると、投げる方の肘が、グラブを持つ方の手の肩、踏み出した足の膝よりも先、更には、後ろの骨盤、後ろの股関節の内旋よりも遅れ、腕の内旋直前のトップの位置が下がってしまいます。
次に、左肘を本塁の方に向けて、三角筋を外旋したとき、前腕部を回外して手の平を右投手の場合には、一塁ベンチ、左投手の場合には、三塁ベンチの方に向けます。
これをやらないと、下の①のラインが伸び切ってしまい、ドアスイングになってしまいます。
トップを作ってからの体の使い方のプロセスを示すと次のようになるでしょう。
①右の腸腰筋と左肘を結ぶ線(上の画の赤い線)を右回りに回転(肘は内旋も外旋もできません。右股関節は外旋)させます。
②次に左肩を、左腕前腕部の回外直前に外旋させます。
左腕の回外直前に、右のハムストリングス、右内転筋、右膝を蹴り伸ばします。
③左腕前腕部の回外とシンクロさせて、左膝を外旋させながら左の腸腰筋、股関節を外旋させます。
青い円内を見ると、両肩甲骨の距離が縮まっています。
赤いラインを回転し始める直前に左肩の開きを止めていると、両肩甲骨の距離が縮まり、両肩甲骨を剥がしたときに胸の張りができます。
デフォルメして言うと、赤い太線を境に、赤い斜線の部分を先に内旋させ、青い斜線の部分は、後ろに残すということ。
リリースの瞬間には、青い斜線の部分は後ろに残していたらダメ。
左肩上腕部の外旋がMaxの段階です。
前腕部の外旋もMaxの段階です。
左肘が右肩と左肩を結ぶライン(0ポジション)より、先行しています。
左肩上腕骨周辺の筋肉を内旋します。
このとき、手塚一志氏や江川卓氏のいう、また、渡米前の松坂のように、投げる方の肘をも回内(肘頭を外側に向ける。右投手は、左回り、左投手は右回り。)させるやり方だと、上の①のラインが伸び切って投げる方の肘が横振りになって(=ドアスイングになって)シュート回転してしまうおとがあるが、これをしないと肘を故障する(スライダーやカットボールも裏返ってしまう)、(カーブは、前腕部を回内してから回外することで縦回転をかけます)。
左肘、左肘に遅れてトップが右肩と左肩を結ぶライン(0ポジション)より、先行しています。
トップの位置は、頭よりも上にあります。
左肘が外側を向いたらシュート回転してしまいます。
左足を蹴り始めてから、リリースの瞬間までに踏み出した足(左投手の場合は、右足)の膝を伸ばして、踏み出した足のつま先から股関節までが、突っ張っていなければいけません。
右の股関節が前に出ることを止めることで、腸腰筋の外旋が加速し、上腕部の内旋、左前腕部の回内も負荷をかけることなく、加速されます。
リリースの後に踏み出した足の膝を伸ばすと、すなわち、リリースの瞬間に踏み出した足の膝が折れ曲がっていると、瞬発力が、踏み出した足の膝に吸収されてしまい、ボールに瞬発力が乗りません。
日本人投手は、ハムストリングスのトレーニングが足りないので、ここで右膝を伸ばして作った壁が崩れてしまいます。
日本人投手は、腸腰筋の稼働域を広げるトレーニングが足りていないので、三塁側に上体を倒すことが、中々できません。
メジャーの投手は、左腕前腕部の回外とシンクロさせて左足を蹴り始め、リリースとシンクロさせて左足をターンを始めます。
リリースは、小指の腹でチョップして人差し指を立ててボールを擦り、人差し指と中指をボールの下にくぐらせ、親指でボールの上を押します。
上体が三塁側にタンブル(倒れる)します。
右の足裏から右の股関節までのラインから右の股関節がはみ出していません。
左足の三塁側へのターンが完了です。
明らかに、メジャー式の投げ方の方が、投げ終わりに、投げる方の肩の横で四股を踏む日本式の投げ方より、下半身を使って投げていることがわかったいただけたかと思います。
メディアは、大瀬良は、二段モーションによって、左足に重心が乗って球威が増したと盛んに言いますが、投げ終わりに左膝の壁が崩れて(左膝が折れ曲がる)三塁側に四股を踏んで投げる大瀬良の150キロよりも、右足を一塁側にターンしてフォロースルーをする今村の143キロの方が、相手打者は、スイングして見た結果として、速く感じていると思います。
一度下がった肘の位置、トップの位置を戻すのは容易ではない。
体の稼働させる源泉となるのは、フィジカル。
大瀬良、藪田が再生するカギは、ハムストリングスの強化、腸腰筋の稼働域を広げるトレーニングでしょう。
日本式の投げ方は、腕のスイングの途中で急ブレーキをかけますので、故障しやすい。
昭和の大御所投手達は今でも自分たちの間違いを認めません。
日本のプロ野球の投手は、現在でも、大御所投手が、観光で訪れたメジャーの選手と試合をして、3回10失点とか打ち込まれた頃の投げ方を強いられています。
筆者は、試合の中で、勢い余って一塁側に体が流れると怒られた、昭和式の投げ方を強いられたアラフィフのおっさんです。
現役時代よりも、ブログを書くようになってからの方が遥かに多くのことを学びました。
メジャー式の投げ方をしていたら、もっと野球が上手くなれたのにな、と30年以上経った今でも思うことがあります。
今、野球をやっている子供たちのうちに、昭和の日本式の投げ方を強いる指導者に教えられている子がいたとしたら、かわいそうです。
そういう子は、別のチームに移った方がいいでしょう。