肩関節が先か肘が先か?逆方向への長打の秘訣は後ろ肩の使い方

Last Updated on 2020年11月9日 by wpmaster

今シーズンの堂林は、残り2試合をの残したところで、自己タイ記録の14本塁打。
堂林の魅力は、逆方向への長打であると、オールドファンから俄かファンまで馬鹿の一つ覚えのように言います。
それでは、堂林は、何故、逆方向に長打が打てるのでしょうか。

逆方向に長打を打つ手段

打者は、打撃において、後ろの股関節を外旋して後ろの股関節をしならせ、トップハンド(ガイドハンド)の肘でスクラッチする間を作る。後ろの肩関節が前に出て行くのを防止する。ガイドハンドの上腕部を外旋して後ろの肩関節より前にガイドハンドの肘を出す。ガイドハンドの肘が下がる。ガイドハンドの前腕部を回内してガイドハンドの肘を担ぐ。トップハンドの指先をしならせる。トップハンドの手首が背屈する。前膝で地面を蹴って前足首を背屈し、後ろの股関節を外旋し直すだけでなく、後ろの肩関節にブレーキをかける。ガイドハンドの上腕部を外旋してガイドハンドの肘を前に出して(インローの場合にはガイドハンドオの肘を真下に落として)から肩関節を出す。肩関節をガイドハンドの肘、胸より先に出してしまうと1回目のガイドハンドの前腕部を回内して指先をしならせる動作が中途半端になります。2回目にガイドハンドの上腕部を外旋してガイドハンドの肘→小指の順に出す間が作れません。ガイトハンドの小指より先に手首が前に出てしまい指先をしならせる間ができないので、ヘッドが寝ます。メヒアのヘッドが寝る原因もこれです。指先の加速距離が短くなってしまいます。2回目の上腕部の外旋によって親指がしなります。二回目の前腕部の回内で親指でグリップを押し込む距離が長くなるほど、手首が背屈して人差し指、中指がしなります。
後ろの肘を畳んで振れと言われますが、前肘(引手の肘)も畳んで押手の人差し指の付け根を押し込まないと手首が底屈してしまい、親指も人差し指も小指もしなりません。
人差し指、中指の加速距離が長くなるのでヘッドがボールの外側に入ります。ヘッドが手首のラインを越えます。親指がしならないと手首が底屈してヘッドがボールの内側(捕手寄り(に入ります。ヘッドが投手寄りに入れば入るほど、人差し指、中指を縦に擦り、ヘッドをボールの下に潜らせることができます。これは投球も同じです。ヘッドがボールの捕手寄りにわずかにスレると打球にフェード回転がかかって順方向のポールの外側に打球が飛びます。更に、捕手寄りにズレると逆方向に飛びます。ヘッドがボールの内側に入ってヘッドが手首のラインより下がると、下がったところで押手の前腕部を回内するので押手の手首が引手(ボトムハンド)を越えてしまいます。打球がワンバウンドします。これはピッチングでも同じです。ショルダーファースト、手首ファーストで指先がしならず、手首が底屈し、加速距離が短いからボールを地面に叩きつけるのです。
打球によりドロップ回転が加わり失速が早まります。投球で言うと肩関節を先に出すショルダーファーストは、手首ファーストになり、指先がしなりません。よってドアスイングになります。インハイに投球する場合でも、肘から先に出すパーフェクトインサイドアウトスイングに比べシュート回転が増し、失速が早まります。
ガイドハンドの肘を出してしまった後は、前肩関節は前の肩甲骨に格納しても構いません。ガイドハンドの肘を出してしまった後は、両股関節をぶつけても差支えありません。但し、実際、インローの投球は、そのように打ちます。
田尾安志氏もyootubeで、前肩、後ろの肩の動きの関係に限って言えば、同旨のことを言っていますが、彼は、後ろの肩を残し、後ろ足、後ろの腹横筋を軸に振ると言っています。
確かに、後ろの肩関節にブレーキをかければ、頭背骨と後ろの腹横筋は前に並進することはありません。
しかし、この場足でも、軸足は前で、前足を軸に振る。後ろの肘を前に出した後は、前足を軸に後ろの股関節の外旋を解き、後ろの腹横筋もスイングします。腹横筋も股関節もしならせてはいますが、ウェイトはかけていません。
逆方向に打つのと順方向に打つときの違いはどこかと言うと、後ろの股関節の外旋を解いた後、両股関節をぶつけずに後足の踵で逆方向に地面を蹴る。順方向に打つときは、両股関節をぶつけて骨盤を前傾させて骨盤で地面を潰し、後ろ足のスパイクの外側で地面を蹴って準方向に後足をターンさせます。

堂林の打撃の現在位置

堂林は、前膝で地面を蹴って後ろの肩関節にブレーキをかけています。上半身と下半身に割れができます。故に逆方向の打球に失速を抑えることができ、スタンドに打球が入ります。
しかし、堂林は、前足で地面を蹴ってから後ろの股関節を外旋します。更には2段ステップをしてから後ろの股関節を外旋します。前肩が背骨の方に入ります。堂林は、鈴木誠也やピレラと異なり、前足を前に踏み込んでから着地位置を探ります。堂林は、落合博満、石毛、デーブ大久保、古田のように前肘を後方に突っ張らせることで後ろの肩関節にブレーキをかけ割れを作っています。後ろの肩が前肩とフラットになるまで下がります。手首の位置が肩の位置まで下がり、後ろの脇が閉まってしまいます。前肘のロックを解かないと押手の肘が出て行きません。押手の肘を出しても骨盤が前傾しません。ダウンスイングができません。アッパースイングも押手の肘を出した段階ではダウンスイングです。ここでアンダーハンドの投手のスイングと異なるところです。
ダウンスイングはドアスイングでないから加速距離が長くなります。オーバーハンドの投手がサイドハンド、アンダーハンドの投手よりも指先の加速距離が長くなるのと同じです。
前足を踏み込んだところで前足を着地すると後足と前足の間隔が広がります。前膝で地面を蹴るのに労力が増します。
両股関節が後ろに倒れないので、ヘッドステイバックが小さくなります。押手の指先がしならなくなります。指先すなわちヘッドの加速距離が短いので、打球の失速が早まります。
また、前足を背骨の方に引き戻せたとしても前肩が再度、計2回背骨の方に入ります。前肩を開いてからでないと押手の肘を出せません。よってドアスイングになりヘッドの加速距離が短くなります。
堂林は、前足で地面を蹴ってから後ろの股関節を外旋し、前肩が背骨の方に入る打者に対しては、手首を耳の高さまで持っていくことができます。且つ、前足の着地位置を探る投手に対しては、前足で着地位置を探って前肩が背骨の方に入っても親指でグリップを押し込む前に前膝で地面を蹴れます。よって、2回目に上腕部を外旋していく過程で右肘より先に刀関節、手首が前に出なくなった。ヘッドが寝なくなった。そのような投手からは本塁打が打てますが、後ろの股関節を外旋して始動する投手からは、打てません。
前田智徳は、「堂林は、前肩を背骨の方に入れているから逆方向への打球が飛ぶ、懐かしいものを見た」と言っていましたが、これは、テレビを見ている人間に、「横、前後の動きを食加えることによって労働量を増やし、労働に付される報酬の価値を下げる」ことを隠して白痴化することを資本に命じられたと共に、堂林には、”皮肉で言っているんです。すなわち、ダブルミーニングを発言に込めているのです。前田智徳は本音は言いません。

結論

準方向に打つにしても逆方向に打つにしても、ガイドハンドの肘を出すところまでは、前肩、後ろ肩の使い方は同じです。その土台となるのは、共に、後ろの股関節の外旋運動です。前足で地面を蹴って始動するのではなく、後ろの股関節の外旋で始動することが最も重要です。打球方向は、引手の拳と後ろの股関節の外旋を解いた後の後足の蹴る方向でコントロールします。