Last Updated on 2020年7月25日 by wpmaster
日本のオールドファンには、スモールベイスボールは、”最少得点で勝つ手段””フィジカルが劣る日本人が頭を使って勝つ野球”であると解され、大変人気です。
“フライボール革命は、上体に頼ってぶるんぶるん振り回して三振かホームランのアホバカクソ野球”、”フライボール革命は、点を取る近道ではない”
メジャーの野球は、日本のオールドファンからは散々な言われようです。
しかし、オールドファンの言っていることが全面的に正しいのでしょうか。
私は、小学校と高校は、硬式、中学のときは、学校の部活で軟式をやっていました。
軟式では1-0のスコアが大部分で、私ですらノーヒットノーランができたぐらいです。別にノーヒットノーランをやったって何の自慢にもなりません。一方、硬式では、1-0の投手戦を演じることは硬式に比べると圧倒的に難しい。
私見では、ボールのどこを打てば最も飛ぶか、肉体の稼働のメカニズムからすれば、メジャーのやり方は、実に研究されてるようにも見えます。
食生活、労働の仕方が変わったことにより、コーカソイド、ニグロイドとアジア人は、男の場合、女と比べて身長、体重は差が縮まってきました。インナーマッスルの強化、稼働域を広げるトレーニング次第では、コーカソイド、ニグロイドと同じ体の使い方をすることは不可能ではなくなってきました。
硬球は叩きつけてもハーフバウンドにはなりませんが、オールドファンは、叩きつけてハーフバウンドのゴロやボテボテのゴロを打つ方法、逆方向にポテンヒットを打つ方法を推奨します。
ボールの軌道に入られて差されて打球にスライス回転がかかっている場合には、パーフェクトではないけれども、インサイドアウトスイングで打てています。
後ろの股関節の外旋の間が足りず骨盤の回転が横回転になって押し手の肘の推進とシンクロしているか押し手の肘の推進にわずかに先行していても、押し手の肘ファーストでスイングした場合との誤差が小さく、ストライドが広がり後ろ足がインエッジで引きずられる距離が伸びても前膝で地面を蹴ってヘッドステイバックして後ろ足に体重を残す割合が小さく前足を軸で骨盤を回しているから安打になる。
打った本人は不満でしょうが、采配を行う側からすれば、差されるのは、OK許容範囲です。
打った本人も采配を行う側もNGなのは、ボテボテのゴロや合わせただけのバッティングで逆方向の飛球を打つことです。
ボテボテのゴロ、合わせただけの打撃、逆方向のファウル、ヘッドアップのファウルは、前肩関節の前の肩甲骨への格納が右肘の推進に先行、引手主導で手首、ヘッドが寝てドアスイングかドアスイングと紙一重だからです。
ゴロを打つ練習をすると、ボールにヘッドをコンタクトさせるときにヘッドがボールの内側に入って手首が伸びてしまいます。ヘッドを上に擦り上げたり(ヘッドアップ)、トップハンドの手首にボトムハンドの手首を越えさせてやらないと(手首を返す)と、ヘッドが手首のラインを越えないのでボテボテのゴロになります。
合わせただけのバッティングもコンタクトの瞬間、ヘッドがボールの内側に入ってしまっています。
下からアッパースイングで打つ場合には、レベルスイングで打つよりも後ろの股関節を使って体の引き付けないと打てません。
右打者は、練習のときは、ペッパーでは、飛球を打つ練習をすること、試合では、進塁打を打つ場合、内野手の頭上を超えるフライ又はライナーを打つことが重要です。
右打者も左打者もゴロを打つ練習は要りません。
そうすることで、相手にアウトをくれてやることなく進塁打が打てます。
フライボールを打つバッティングは、本塁打や犠飛のみを打つ手段ではなく、本塁打や犠飛を打つ以外にも使えるのです。
1番打者は、毎試合必ず一回無走者の場面で打席に立ちます。2番打者は、一番打者が出塁すれば進塁打を打つか走者を返すことが求められます。
1番打者には、右打者、2番打者、3番打者には、左打者をスタメンで起用してスタメン全員が打撃を崩さないように配慮しても、試合が進むにつれ、右打者であっても、無死又は一死一二塁で、進塁打を打つことが要求される場面も出てきます。
それでは、右打者が逆方向に打っても打撃を崩さない方法はないのかを探ってみたいと思います。
ポイント1:ヘッドを立てること
前足のつま先を接地させたとき、すなわち、振り下ろす直前には、①押し手の肘は、ヘッドの外側に張り出しておくこと。そうすることで、押し手の肘を通す通路ができます。
すなわち、胸を投手方向に向けないこと。
②ヘッドを立てることです。
前肩を動かさず、前膝で地面を蹴って前足の踵を接地したとき、後ろの股関節を外旋していること。
前肩が内に入って背中を投手に向けたり、引手の肘を伸ばすと引手の肘を抜いてやらないと押し手の肘が出て行かず、ドアスイングになる。ダウンスイングやアッパースイングができなくなる。
ここで重要なことは、後ろの股関節を外旋すること=後ろ足に体重を残しておくことではありません。
後ろ足に体重を残すのは、バッティングでは、手首を下げたとき、ピッチングでは投球腕をグラブを持つ手より下げたときまでです。
前足を下し始めたら、体重は前に移ります。リリースの瞬間も前足に体重をかけ前足を軸に骨盤を回転します。
押し手主導のパーフェクトインサイドアウトスイングで上から又は下から叩くこと
振り下ろし始めに押し手の肘を畳んで体軸の近くから、ボールの内側からヘッドを出します。
しかし、ボールを打つときは、ボールの内側ではなく、ボールの外側です。
押し手の親指でグリップを押し込んでダウンスイング又はアッパースイングで打ちます。
何度も言いますが、ここで言うダウンスイングはボールの上っ面を叩くことではありません。ボールの外側を縦に擦ってバットをボールの下に潜らせる。
前膝を突っ張らせ、前の股関節を引っ込めて押し手の肘を後ろの股関節の外旋よりも先に出す。
メジャーでは、日本の野球以上に後ろの股関節の外旋について重要視されます。
ここまでは、順方向(右打者であればレフト方向)に打つときと同じです。
インパクトの瞬間に後ろの股関節を内旋しない
順方向に打つときは、インパクトの瞬間に両股関節をぶつけますが、逆方向に打つときは、両股関節をぶつけない。すなわち、後ろの股関節を内旋せず、後ろの前脛骨筋を回外(内反)していることです。
いわゆる、広島の西川がやっているアレです。それを各部位左右逆にして右打席で実践する。
西川に対してもっと筋肉をつけろ、もっと太れとか素人は言いますが、あのバッティングの源は、鍛えられた前脛骨筋を始めとするインナーマッスルです。
インパクト後は、前足の踵を支点に前足を軸に前足は回転させます。
後ろ足で、逆方向スタンドまたは捕手側に向かって地面を蹴ることで、後ろ足に重心を残しません。
このような言い方をすると、逆方向に打つから体の近くまで引き付けられているのではなく、アッパースイング、ダウンスイング、レベルスイングの順に引き付けている。ダウンスイングだから、ポイントを後ろにして打っている。
手首を体の近くに引き付けている間は、ボールの軌道、回転数が同じであれば、逆方向に打つ場合も順方向に打つ場合も同じです。
実際、西川の場合、レベルでは振っていません。上から叩いています。
メジャーの選手も振り下ろす直前にヘッドを立てダウンロールしてからヘッドの軌道と頭の距離が離れていません。
そうすることで、野手の間にスライス回転のかかった打球が落ちます。
打球が飛ぶ方向は、インパクトの瞬間の後ろの膝の向きで決まります。
西川は、小手先でバットの軌道をコントロールしているのではなく、後ろの股関節でバットの軌道をコントロールしているのです。
日本の大部分の選手は、前肩は残していますが、押し手の肘の推進の前に既に後ろの股関節を内旋し後ろの足を軸に骨盤を回してしまっています。
また、日本の打者は、後ろの股関節を内旋せずに上体と下半身の捻転差をキープしていて後ろの膝も内に入っていなくても、ステイバックのときに背中の前側を投手に向けているからヘッドが寝てボールの内側を打ってしまっているのです。