対中日4回戦,両投手立ち直り3-1で勝利

Last Updated on 2017年12月10日 by wpmaster

立ち上がり、野村は、先頭の大野にストレートの四球、続く荒木は左前、三番高橋周平の当たりは、ショート田中、セカンド菊池、センター丸の間に落ちます。別に不運でも何でもなく、野村の動かした真っ直ぐ(≠カットボール)がボール半分高いのと、高橋が振り切っているから間に落ちます。ノーアウト満塁でビシエドには、外一辺倒で、打者が最も見やすいバットの届く外角低めに変化球ではなく、ただのストレート。打球が芝生で死んでおり、且つ、鈴木もホームへセーブして投げていたにもかかわらず、二塁走者が本塁に還らず、中日の消極的な走塁により1点留まりで、尚、満塁。守りやすくしてくれました。

ナニータ三振、藤井には内角低めの動かしたストレート系の球で打つ形は悪くなかったのですが併殺。藤井のことを研究したのでしょう。ここまで藤井に仕事をさせていません。この日の解説の西山は、會澤のリードについて、決め球から逆算して、初球にインサイドを使うことにより、アウトサイドにストライクが投げられるが、アウトサイドから入ってから、二球目インサイドへ要求するとノーツーとカウントを悪くとすると言っていましたが、ここ数年の広島バッテリーは、2球目にスーっと外角にストレート乃至はスライダーのストライクを投げて打たれてきたので、必ずしもインローの変化球→アウトサイド低めではなく、打者の動きを見ながら、臨機応変にアウトサイド低めの変化球→インローの低めの変化球の順番でもいいと思います。

その裏広島は、田中が安打、丸の内野安打の後、ルナ、エルドレッドの連続安打で逆転。しかし、新井が低めのチェンジアップを遊飛。これでここから若松が立ち直ります。

若松は6回にエルドレッドに、エルドレッドのウィークポイントである内角高めに投げたところ、ボール半分低かった分、球威もなく、スピードもない投手なので打った瞬間の角度からホームランとわかる当たりで追うまでもなく本塁打を打たれますが、新井には、その後の打席(8回)もチェンジアップで計算通り三塁線に真芯で強い打球を打たせ、併殺を打たせ、ケース打撃をさせず、得点を許さず、8回3失点完投。

野村も、この日は前回の失敗から、動かす真っ直ぐを使ってセーブしながらヘース配分し、7回まで投げ1失点。久しぶりに7回を投げきりました。

8回Jacksonを挟んで、9回は、中﨑がシュート、スライダー、フォーク、ツーシームを使い1球もストレートを使わずに打たせて取り、力をセーブして3者凡退。

ルナの3塁守備も、腰を落としてトンネルの余地を無くし、横の当たりもミットに収まるまで打球をよく見ており安定してきましたし、菊池も一塁に加速して走っていましたので、この日上がった上本も安部も当分出番はないでしょう。

立ち上がり両投手は乱れましたが、その後立ち直り、引き締まったいい試合になりました。

次は、Johonsonと小熊の予告先発。中日ファン以外には無名ですが、前回の広島との試合でも中継ぎで好投し、1安打完封もしています。一ローテーション投手として、攻め方を観察、研究していかないとやられるでしょう。

当面は、7回は、今村、中田を回の頭から全球種を投げさせ、見逃し三振ではなく、先発型の打たせる投球をさせ(制球に困ったらストレートという配球はしない。)、ランナーを出したところでのストッパーが永川という起用法になるであろうが、出来れば、この3投手は出したくないところ。

Johnsonは、煩い高橋、穴の少ないビシエドにはシングルヒットで好しとする配球で球数を抑えて7回を投げ切って欲しいところ。それが成功すれば、ロースコアの引き締まった試合が期待できそうです。

[追記]

野村は、昨日は、力んで投げた144~145キロのフォーシームを投げずにストレートを手元で動かして制球重視でイニングを食いました。シュート、チェンジアップ(大学時代はスプリットも投げていましたがプロに入ってからは投げていません。)も膝元から落とし、過去3年間見られなかった内容のある投球だったと思います。

Jacksonについてですが、メジャーでは通用していなかった真っ直ぐが日本で通用しているのは、メジャーの野手と日本の野手のレベルに未だ未だ差があるからであると思います。昨日は、左打者の高橋周平を外角から中に曲がるスライダー、通称バックドアで三振を取りました。他に、阪神戦から左打者に140キロ台前半の外に逃げるシュートを投げるようになりましたが、こちらは未だに低目に決まっていません。
9月までにこの球を如何に精度を上げていくかだと思います(このプロセスはオープン戦でやらなければいけないのであるが)。

中﨑の場合、余程のことがない限り、ストッパーではなく、9回の頭から投げるので、ランナーを出すまでは、クリーンアップには、初球からボール球の変化球で打ち損じさせ、昨日のようにオール変化球で打ち取り(ビシエド、山田、筒香クラスには見せ球のストレートは通用しないと思います。現に高山にも合わされていましたので。)、ランナーを出してからカットボール、ツーシーム、スライダーのギアを上げて制球をも重視するという投球でないと1年持たないと思います。

巨人も1989年を除き、スロースターターで、4月、5月は強くない。既に一軍にいる選手が、ファームで待機した選手が調整しながら8月、9月にピークに持ってきて優勝しています。

AクラスになるかBクラスになるかは、2軍で待機している選手を含めた選手層の厚さで決まります。
そうしてみると広島は巨人、阪神、中日よりも選手層が薄い。先日、昨オフに肘の手術をした吉見が一軍で投げました(広島は過去吉見に3勝16敗)。

ファームでも、どの投手も軒並み先発調整ばかりで、リリーフの調整をさせている投手は殆どいないのが現状です。岡田は、真っ直ぐにキレと強さがあるが、細かな制球はない。しかし、その分、他球団のスコアラーの頭脳を破壊させることができるので2軍に置いておくのは勿体ないというよりはそんな余裕もないはず。コンスタントに立ち上りを抑えることを覚えさせてファームで連投のテストをさせてリリーフとして一軍に置いておいた方がいいと思います。

当方がリリーフとして推していた薮田の復帰も未定ですので、制球には問題があるものの、他球団のスコアラーの頭脳を壊すことができる中村恭平をリリーフに組み入れることを考えてもいいかもしれません。

先発は、6番手が必要なケースは今のところは少ないので、九里に先発調整をさせ、6連戦が続く時期に一軍に上げればいいと思います。本当は、岸本、青木、上野が7,8回に炎上しまくっていたが故に先発からリリーフに回って肩を壊した今村、先発投手であった中田を先発にしてくれると助かるのですが。

永川は、中継ぎで、中田や今村が貯めたランナーを、打者の動きを見てスライダー、フォーク、シュートと真っ直ぐのコンビネーション(投球術)で切り抜けさせるという起用法になると思われます。

一昨年までは、新井コーチの採用により、打線も一定の成果を上げましたが、昨年は、緒方監督と新井コーチは離れたところに座り作戦面の協議が全く行われず、一球毎のサインが送られなかったとも言われ、ケース打撃もできなかったことが敗退の一因だと思われます。

打線は、甘い球を打ち損じる率の少ないルナの加入と、菊池が膝の故障が回復し、悪球打ちができるようになったこと(これは石井、東出両コーチは教えられないので本人の努力だと思います。)で三振が減ったことが大きいと思います。エルドレットを含めチーム全体でキャッチャーが前にこぼした場合でも進塁したり、相手の隙を見つけた走塁で一、三塁のケースが作れるようになったこと、一二塁間のゴロでランナーを還し、ランナー二塁のケースが作れるようになったことが得点の増加につながっていると思います。

新井も昨シーズン一年持たなかったように、肉体的に一シーズン持たないですし、エルドレッドは、内角高目を振り始めていますし、右の速球派と対戦し始めると昨シーズンのように三振が増え始めると思います。

西川は、木村昇吾や木村拓也のユーティリティプレイヤーとして起用すると、守れるだけで、どのポジションの守備のレベルも落ち(木村拓也は巨人に移籍して二塁専門で起用されて二塁守備が向上しましたが)、今後も接戦を落としまくるので、二軍では、どこか一つのポジションに決めて調整させた方がいいと思います。現状では、ショートで田中と競わせるのがいいと思います。

[追記]

1回のビシエドの打球は、ライナーで一塁手の頭上を超えた後、一塁線寄りに落ちて打球が落ち、打球が芝によって死んでから、少し内側にバウンドしライトが少し前に出てキャッチしました。常時出場しているベテランであれば、ミートした打球が上がった角度から、内野手がジャンプしても捕れない、ライトが半身で見ながら最短距離で走り抜けても追いつけない打球であるとわかり、打球が落ちるのを待たずにスタートが切れる当たりです。荒木は、このところ、試合に出たり出なかったりしているので、打球の角度からの見極めが鈍ってスタートが遅れたと思います。

5番以降の安打待ちでストップをかけたとしても、広島としては、ノーアウト満塁で守りやすい状況が続き、野村は助かりました。