[OP戦豚對鯉]サヨナラで勝つのは弱いチーム

Last Updated on 2024年3月3日 by wpmaster

タピックスタジアム名護で行われた日本ハムと広島のプレシーズンマッチ
先発は、上原健太と玉村昇悟

故障が生じなければ先発ローテーション入りが予定される上原健太が4回52球、被安打1、与四球1で無失点、先発ローテーションを争う根本が3イニングス44球、被安打2、4奪三振で無失点と結果を出した。ファストボールのスピードが回復しない石川直也も無失点に抑えた。

しかし、この試合で投げた投手陣の結果に関しては、広島カープ側がレギュラーの小園、田村をスタメンから外し、久保、中村健人、中村奨成、二俣、林、矢野ら一軍当落線上のメンバーをスタメンで起用してきたことを割り引いて評価を付けなければならないだろう。

実際に、矢野、髙木翔斗の単打は、全盛期の松山を彷彿させるアッチ向いてホイのドアスイングによるものであり、中村奨成は、フライングエルボーのプロセスで左脇が締まり左肘が突っ張りまくり、ファストボールに振り遅れることが丸わかりのスイングをしている。

9回裏スコアが1-2と1点ビハインド、一死から細川が四球で出塁、野村が中前安打で一三塁、上川畑左前安打で同点、石井一成の左越え二塁打で日本ハムがサヨナラ勝ちをした。

しかし、8回裏の攻撃を終えて9安打を打ちながら郡司の中犠飛による1点しか上げられていないのは、拙攻という以外に評価を付けようがない。

サヨナラ勝ちが多いチームには、弱いチームであるという評価が付けられるが、現段階の日本ハムもこれに当てはまると言えよう。日本ハムは、まだまだ発展途上のチームなのだ。

9回裏に登板してきた大道というのは、入団当初から私が、島内を共に、クローザーの栗林、矢崎よりも評価を高く付けてきた投手で、昨シーズン右肘の上げ方をインバートWからスタンダードWに変え、右腕前腕部の回内、回外運動の加速距離が更に増し、現在でも広島のリリーフスタッフにおける私の中でのランク付けは変わっていないところである。

大道は、右肘のアクセレーションを完全には行なっておらず、調整途上であることが看て取れたことも割り引いて石井と上川畑の打撃に評価を付けなければならない。

そこで、この試合のプレーでいくつか個人的に気になったプレーを挙げておきたい。

2回裏、野村佑希の走塁

2回裏一死二塁、スコアは0-0、投手は、左投手の玉村、二塁走者が野村、打者が上川畑

二塁手の矢野は、二塁ベース寄り、一二塁間を結ぶラインと外野芝の切れ目の中間の深さで守る。

上川畑は、矢野の腹側と垂直に交わるゴロを打つ。
ファーストバウンドがハーフバウンド、セカンドバウンドがショートバウンドする。

野村は、シャッフルして2次リードを取り、上川畑が打った打球がファーストバウンドした後にスタートを切る。

矢野は、ショートバウンドに対し、両腕前腕部を回外し、グラブの芯で打球を握る。
両手首を背骨の方に引く。

左腕前腕部を回外、左肘を右肩の方に入れ、右手親指基節骨でボールを押してグラブからボールを抜き取る。
左肘が突っ張る。

左腕前腕部の回外運動、回内運動、右腕前腕部の回外運動の回転半径が長く、加速距離が短い。

野村は、右膝を伸展、左膝を屈曲して滑り込み、右足で三塁ベースのフェアゾーン側、本塁寄りのコーナーを蹴る。
スライディングの開始も三塁ベースに近すぎる。

三塁手の林が左腕前腕部を回外して送球に触れ、左腕前腕部を回内して野村の右足太腿にタッグする。

審判は、タッグアウトを宣告する。

矢野のハンドリング、スローイングの動作にはロスが多く、スローイングは速くない。
野村のスタートが遅すぎる。

打球のスピードと矢野の守備のレベルを勘案するに三塁ベース手前でアウトになるのは、プロとして恥ずかしいレベルである。

走るのが遅いのであれば、ゴロゴーではなく、ディレードスチールのスタート(ランエンドヒットのスタアート)を切ればよいのだ。

こんなことをやっていたら、レギュラーを奪還することはできないだろう。

飛球は進塁打にできるー8回裏加藤豪将の走塁

8回裏一死一塁、投手は内間(右投手)、一塁走者加藤豪将、打者江越(右投げ右打ち)

加藤豪将は、江越のバットから打球がリリースされる前から、右翼方向に腹側、本塁側に背側を向けてシャッフルしながら、ハーフウェイ手前まで出る。

中堅中村健人は、右翼線方向に腹側、左翼線方向に背側を向け、定位置から右足内踝を左足内踝をぶつけながら後ろに下がる。
右股関節を外旋し、背骨を本塁側に向けて3歩電車バックした後、更に右股関節を外旋して背側を右翼線側、腹側を左翼線側に向け左足内踝を右足内踝にぶつけながら打球の落下点の後ろに入る。

加藤豪将は、中村健人が電車バックを開始した後、一塁に帰塁を開始し、中村健人が左手小指の付け根で打球を叩いた後、右足外踝で一塁ベースを蹴って離塁する。

加藤豪将は、右膝を伸展、左膝を屈曲して二塁に滑り込む。
加藤豪将は、二塁を陥れた。

打者が中飛又は左飛を産み出した場合に一塁走者がタッグアップで進塁することは、メジャーではNPB以上に頻繁に行われていることが推察できる。

一塁走者は、二塁ベース及び三塁ベースを蹴った後でも一塁に帰塁できる。

一塁走者が野手が打球に触れる前に離塁し、且つ、打者走者の江越が、一塁ベースを蹴って二塁ベースとの距離を詰めていれば、一塁に帰塁していないというアピール(一塁送球)がされている間に一塁走者は中飛で2つ進塁することができたので(更に外野手が落球すれば一塁走者は本塁に還れる)、打者走者と先頭を走る走者との連携プレー単位で評価を付けるとすれば100点満点とはいかないが、加藤豪将は、「一塁に帰塁したきり何もしないよりは益し」という評価は付けられる。

footnote

用語の意味に関しては、下記記事参照

[知って得する]頻出野球用語集[完全保存版]

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