Last Updated on 2023年11月7日 by wpmaster
日本ハムファイターズ資本は、孫易磊(中国文化大)と育成契約を締結し、孫易磊は、既に、沖縄国頭の秋季キャンプで始動している。
台湾出身のNPBの投手と言えば、私は、郭泰源(元西武)を思い出す。但し、後述するように投球動作は全く似ていません(郭泰源はテイクバックが大きく、スリークォーター)。
私は、高校出であろうが、プロでのキャリアが浅かろうが、肉体を再生産して加速距離を産み出すrベルが高ければ、一軍の試合で重要な場面で起用しろという方針である。
加えて、広島の田村俊介といい、この孫易磊といい、最近の高校出の選手は、一昔前と比べ、フィジカルトレーニングを積み、格段にプロで戦い得るフィジカルを仕上げてきている。
孫易磊の投球動作を初めて見た感想は、懸案事項が全くないわけではないが、
“可成りいい”
”戦力になり得るまでに要するスパンは短いのではないか”
“末恐ろしい投手になる”
である。
それでは、この孫易磊に関して詳細に述べていきたいと思う。
プロフィール
生年月日 2005年2月10日
右投げ左打ち
新北市穀保高級家事商業職業学校―中國文化大学(台湾)
リトルリーグで投手を始めるが、その後は、外野と一塁を守る。投手を再び始めたのが高校3年生である。
183cm 81kg
リリース直後に付された球速は、Max156km/h
スライダー、チェンジアップを投げる。
投球動作
孫易磊は、背骨の前、鎖骨の高さにグラブをセットします。
右足のスパイクの外側をプレートの一塁側に沿わせます。
左足つま先を右足よりも一塁方向に引いてオープンスタンスでセットします。
右股関節を内旋、屈曲して右足踵をヒールアップします。
左股関節が外旋します。
左股関節を内旋して左膝を肋骨下部にまで上げます。・・・ポイント①
右股関節が外旋し、右足踵で地面を荷重します。
上半身が二塁ベースの右に捻転してしまいます。
右腕前腕部を回外してセットを解きます。
右腕前腕部を回内します。
右腕前腕部は背中から出ず、背骨の方にも入りません。
右腕前腕部のテイクバックは、佐々木朗希よりも小さいです。
左股関節を外旋後、ニーダウンした後も、左膝が完全には伸展せず、左膝が「く」の字に屈曲します。
左足前脛骨筋が回内(外反)し、左足のスパイクの裏が立ちます。左足の前脛骨筋の回内(外反)の程度は、ピアースジョンスン(元阪神)、森下(広島)よりも大きいです。
このことに関し、五十嵐亮太氏は、左股関節が内旋するまで左足の裏を立てていることを賞賛していますが、左股関節は、内旋していたらダメです。左足前脛骨筋を回内しつつも左股関節は外旋していなければいけません。
右腕前腕部を回内した後は、左股関節の外旋が左足が入射するまで進行する前の段階では、右肘は、左肘よりも下にありますが、右腕前腕部を回外したとき(セットの解除)に比べ上がっています。右肘が上がれば、右股関節は内旋します。
左股関節が内旋していると、右股関節が横に伸展し、左腕前腕部の回外、回内運動、右腕前腕部の回外運動(右肘のアクセレーション)の回転半径が長く加速距離が短くなってしまうからです。
これに対し、右股関節が内旋した後に左股関節が外旋していれば、左足のスパイクの外側から入射できるので、ストライドが広がりません。右腕前腕部の回外運動の加速距離が長くできます。
孫易磊は、アウトロー以外に投球する場合には、左足前脛骨筋を回内(外反)後、左股関節を外旋できていますが、アウトローに投球する場合には、左足の踵が左打席の内側のラインに向き、左股関節が内旋してしまっています。ヒップファーストが顕著になってしまっています。・・・ポイント②
孫易磊は、右肘、右腕前腕部を右肩の高さに上げる前に、右腕前腕部を回外して右肘を屈曲します(インバーオL)、右肘、右腕前腕部は右肩より上に上がりません(スタンダードW)。
しかし、前述のように左股関節が内旋してしまうと、右腕前腕部を回内して右肘、右腕前腕部を右肩より上に上げた後、右肘が上がりきらず、左腕前腕部が回外が完結しません。
すなわち、左肘が落ちず、北別府のように右手首が底屈してしまっているだけに留まらず、左肘と右肘を結ぶラインがソフトバンクを契約していたときの田中正義のようにM字になってしまいます(インバーW)。
インピジメント、ルーズショルダーを引き起こします。
右肘の側副靭帯の前束、右腕前腕部の深層屈筋も弛緩しません。
よって、右肘をアクセレーションした後、左腕前腕部の回内の加速距離が短くなり左肘が上がりません。左肩の外旋が横に進み、左肩甲下筋が伸展します。すなわち、左肩の開きが大きくなります。
右腕前腕部の回外運動の回転半径が長く加速距離が短くなってしまいます。
孫易磊は、両肘を結ぶラインがM字にならずに、左腕前腕部が回外できている場合には、左股関節が引っ込み、左股関節から下が後ろに反ります(左膝下に弧を描きます)。右腕前腕部の回外(右肘のアクセレーション)後、右手首が背屈し、右手小指基節骨の入射角が垂直に近くなります。
右腕前腕部の回内後の右肘の高さがプロ一年目の森下よりも上がります。
右肘を上げた後、左股関節が内旋してしまった場合、右肘の高さが、池田隆英、山本拓実(共に右肘の高さに関しては、オーバーハンドに近いスリークォーター)に下がってしまいます。
孫易磊は、右肘が0ポジションに上げることに成功した場合は、右腕前腕部の回内後のリリースポイントが打者の近くになります。
現段階でも右腕前腕部の回外(フォロースルー)後の右腕前腕部のしなりが西舘勇陽よりも大きくなります。
総合
孫易磊は、ポイント①、②を修正すれば、まだまだ、バックスピン、縦回転を増すことができます。バウアー、渡米前の大谷、山本由伸、佐々木朗季よりも失速の少ない投球ができます。メジャーリーグで通用する投手になります。
育成プランは下記のとおり。
先ずは、試合で投げずに三軍で、ポイント①、②を修正し、インバートWを克服する。
ドアスイングの二軍の打者と対戦しても得るものは少ない。二軍での経験を積ませることは不要。
ギアを上げて(=右肘をアクセレーションして)二軍戦で投げることは、肉体の損傷を進行を生じさせるだけでしかない。
インバートWを克服でき、キャップを完走できたら、二軍で右肘をアクセレーションせず、手抜きをして試運転する。
二軍での成績に関係なく、支配下登録即一軍で先発、リリーフでテストする。
早ければプロ一年目の開幕前から支配下登録され得るでしょう。
万波がポスティングを申請するまでに孫が一軍で通用する投手になれれば、ー野手がつながない野球をできていること、一塁走者及び二塁走者を三塁及び本塁で刺せる守備ができることになっているlことが要件であるが、-日本ハムは、今季のオリックス、阪神よりも数段強いチームになるでしょう。
footnote
用語の意味に関しては下記記事参照