Last Updated on 2024年9月11日 by wpmaster
ランエンドバント、バントエンドランは、走者を走らせて打者は、バントをします。
無死で先行する走者を二塁に進塁させることができれば、バントをさせたとしても無死又は一死三塁に先行する走者を進めることができます。後続の打者に安打が産まれなくても得点できるというメリットが生じます。
しかし、ランエンドバント、バントエンドランに関しては、ヒッティングによるランエンドラン、ヒットエンドランに比べ、打者及び走者が具体的にどのような動きをしなければならないのかを明確に解説したコンテンツは産み出されていません。
ランエンドバント、バントエンドランでしなければならないこと
ランエンドバント、バントエンドランのサインが出されたらどのように動かなければいけないのかがわかりません。
バントは、プッシュバンド一択
捕手にホームベースを囲む円形アンツーカー内三塁線寄りで打球を触れさせません(ホームベースを囲む円形アンツーカーの外側の内野芝のところにする)。
左投手は、特に三塁側に上体を流し、ベアハンドで打球に触れる外国人の左投手は、右投手よりも三塁に送球しやすい。
本塁に還ることができます。
バントのサインが出された場合、一塁走者、二塁走者は、打者がトップハンドの親指基節骨をグリップに当てた後、すなわち、投手がセットを解く前に、共に、ラインの内側に入り、一次リードを取ります。
二塁走者は、ラインの後ろで一次リードを取っても構わない。遊撃手がラインより前に出て守ってくれれば、遊撃手の背後で一次リードを取る。
投手がセットを解く前にスタートが切れ、且つ、二三塁間で走路を膨らませることにより、三塁ファウルソーンをオーバーランできるから、三本間でラインの内側に入って走ることができる。
成功すれば無死三塁、後続の打者に安打が産まれなくても得点できます。
一塁走者は、投手がセットを解いた後、左腕前腕部を回外、回内して二次リードを取ります。
打者は、投手がセットを解く前に中指第二関節にグリップを嵌める。
二塁走者は、打者がバットを中指第二関節にグリップを嵌めた後、左腕前腕部を回外し、右股関節を引っ込めます。投手がセットを解く前又は解いた直後にスタートを切るか、両股関節を伸展、両足親指IP関節を底屈し二次リードを取ります(①、②)。
二次リードを取った場合、投手が投球腕前腕部を回内(スロー)した後、、左膝又は右膝をニーアップしてスタートを切ります。
投手が本塁に投球しても帰塁不要です。
ランエンドヒット、エンドランは、ワンバウンド以外のボールに対し、トップハンドの前腕部を回外(トップポジション)、回内(プッシュバントを含むスイング)します。
ランエンドヒットもエンドランも走者に課せられたノルマは同じです。
但し、エンドランは、ノーバウンドの投球はスイングが義務です。
三塁手が三塁ベースの本塁寄りのラインより前に前進したら、二塁走者は二三塁間で走路を膨らませます。
三塁ベースを蹴った後、ファウルゾーンをオーバーランできるので三本間ハーフウェイ手前からラインの内側に入ることができます。。
打者はノーバウンドの投球をバントを空振りするか、バントを止めてバットを引いた場合、単独のスチール及びダブルスチールとなります。
走者は、前位の塁を蹴った後でも帰塁できます。
小飛球の場合、帰塁は、打球にノーバウンドで触れた野手が打球を地面に接触させることなく二塁又は一塁にグラブを持つ方の肩を向けた後でOKです。
打球に触れた野手がグラブを持つ手の人差し指の付け根と左手親指基節骨で打球を挟んだ後は、盗塁できるので、ハーフウェイで停止又はハーフウェイを通過中の走者は、後位の塁に逆走することなく前位の塁に走ります。
日本ハム対オリックス7回戦(京セラドーム、2023年5月20日)
2回表無死一二塁、投手は、左投げの山田修義、打者は、左打ちの細川
細川は、ヒッティングの構えからバントに切り替えます。
上川畑は、バントの構えに切り替える前にラインの内側に入って一次リードを取ります。
バントの構えに切り替えた後にシャッフルして二次リードを取ります。
細川が左腕前腕部を回内して左手親指基節骨でグリップを叩いた後、スタートを切ります。
スタートを切るのが遅すぎです。
細川が左腕前腕部を回外してバットを引いた後、二塁に向かってヘッドスライディングします。
捕手が二塁に送球します。二塁ベースに入った遊撃の紅林が落球します。
カウント1-0からの2球目、細川がヒッティングの構えからバントの構えに切り替えます。
上川畑は、ラインの内側で一次リードを取っています。
山田修義がセットを解きます。
山田修義がセットを解いた後、上川畑は、シャッフルします。二次リードを取ります。
細川が左腕前腕部を回内して左手親指基節骨でグリップを叩いた後、左腕前腕部を回外し、右股関節を引っ込め、停止します。
三塁線方向にドラッグバントをします。
打球が地面に接触した後、上川畑は、左股関節を内旋、再度、左腕前腕部を回外し、右股関節を引っ込めた上でスタートを切ります。
三塁手の西野は、チャージしません。
捕手の若月と投手の山田修義が打球を追います。
山田修義が三塁に送球し、上川畑は、三塁フォースドアウトとなります。
日本ハム対オリックス7回戦その他
6回表一死三塁、野村は、2球目に一塁線にプッシュバントするが、ファウルし、スクイズに失敗する。
2回表二死一三塁、6回表二死一三塁、共に打者マルティネス
一人ランエンドヒットのケースである。一人ランエンドヒットは、走者のノルマは変わらない。打者は盗塁の球を打っても構わない。
山田修義(左オーバーハンド)、比嘉(右アンダーハンド)は、テイクバックせずに、スタンダードWで投げるが、後続の走者が犠牲になれば、本盗は成功できる。しかし、初球、一塁走者、三塁走者は重盗を仕掛けなかった。
総合
野球は、安打の数ではなく、バントの成功率ではなく、盗塁成功率ではなく、得点の数が多いチームが勝つと規定されています。
例えば、一死又は二死一三塁で偽装スクイズのサインが出されて、二盗に成功したのみで走者二三塁とした場合、盗塁成功率は10割です。
同じケースで一塁走者が二盗に失敗して三塁走者がその前に本塁に還れば、盗塁成功率は5割です。
しかし、勝つのは、後者の方です。
バントランエンドヒット、バントエンドランは走者の進塁を助ける手段です。
ファウルしたら走者は審判に帰塁させられます。
一方、ノーバウンドの投球をバントして空振りしても、走者を進塁させることができるのです。
バントを空振りしたり、ノーバウンドで打球に触れられても、2wayリードから帰塁すれば併殺は防げます。つなぐ野球です。
しかし、進塁できません。次の打者がバントすれば二死三塁、本盗を仕掛けなければ、安打待ちの野球になります。
ノルマの優先度に関して主従関係を付けるのであれば、走者を進めることが主で、投球をバントに当てることは従なのです。
脚注
用語の意味に関しては下記記事参照