Last Updated on 2022年3月12日 by wpmaster
鈴木誠也は、事実上、チームを去ることが決まりました。私の中では鈴木誠也の後の4番は小園で決まりました。今後、松田元が、別途、新外国人の野手を獲得し、当該外国人野手がいかなる実績があろうとも、小園の4番は動かしません。それは、小園が小園自身がポスティングを申請してメジャーと契約するまでは、広島東洋カープの主軸であるからです。さらに、私の中では、妥協案として坂倉の三番も決まりました。菊池涼介の二塁も決まりました。しかし、3、4番以外の打者が決まりません。そこで、今回は、1番打者を誰に打たせるかについて論じてみます。前回は、1番打者候補として挙げられている宇草孔基の現在の到達点について書きましたので、今回は中村奨成の現段階での到達点について整理してみます。
走塁編
中村奨成は、スタートの直前、左肘をヒッチ、左股関節を外旋(バックステップ)、右股関節の内旋をします。仙骨の左側を押し出し、左股関節を屈曲して左足の内踝を前に運びます。左足の拇指球で地面を後ろに蹴りません。よって、右股関節が外旋せず、右膝の壁が崩れません。ハーフウェイの内側に入って次の塁に進塁できます。中村奨成は、走塁は申し分ありません。右投げの外野手が背骨の左側で捕球したら、一番打者は、外野手の頭上を越えなくても、外野手の間を破らなくても、右翼線、左翼線を破らなくても、外野手の前又は外野手の間に打球が落ちれば、二塁に進塁できるようでないと打者二人がかりで一点を取る野球はできません。中村奨成は、走塁だけを見ると一番打者として起用してみたくなります。しかし、一塁ベースを送球が到達するまでに一塁ベースを通過しなければなりません。野球は走るだけでなく打つことも仕事です。
一番打者は、自身が産み出した打球が内野の脇を抜けなくても、内野手の頭を越えなくても、一塁ベースに送球が到達するまでに一塁ベース上を蹴る上で有利になります。逆方向への当て逃げは打撃を下手にします。右打者は、小指で投球を叩くと三遊間に引っ張ることができます。私は、個人的には、一番打者は右打者推奨派です。四球は、もぎ取るものではなく、投手から貰うものです。踏み込んでストライドを広げる選手、カット打ちをする選手、走り打ちをする選手は四球を貰えません。
外野守備
中村奨成は、昨シーズンは左翼を守りました。中村奨成は、打球の軌道と骨盤を垂直に交わらせて後ろに下がる電車バックで左飛を捕球し、ゴロは、背骨の中心で両肘を伸ばしてグラブを出し、両手首を背骨の方に引きトップポジションに入っていきました。昨季の中村奨成の外野守備は、草野球で野球をやったことのない奴に外野を守らせたのと同じぐらい、酷いものでした。
今キャンプでは、中村奨成は、主に、右翼守備の練習をしています。中村奨成は、右方向の打球(中村奨成自身から見て左側)を追う場合は、回転軸は左足→右足の順で入れ替わります。左方向の打球(中村奨成自身から見て右側)の打球を追う場合、回転軸は、右足→左足の順で入れ替わります。
しかし、中村奨成の場合、右方向の打球に対しても、左方向の打球に対しても、グラブを出すときの回転軸が左足になっています。敷衍すると、グラブを出す直前、右股関節が外旋し、左股関節が内旋しています。グラブを出す直前に左肩関節が残らずに、右股関節が外旋してしまっています。グラブを出したとき、左股関節を内旋するのですが、仙骨の左側を前方に推し出すのではなく、左の股関節を伸展すると左足の拇指球で地面を後ろに蹴ってしまいます。小園は、打撃では、右股関節を内旋し、左股関節を内旋して両股関節をぶつけるときに、仙骨の左側を前面に押し出し、左股関節を屈曲できています。故に、左膝から地面に落ちます。しかし、守備では、中村奨成が廣瀬から修正させられたことと同じことを小園と羽月が菊池涼介から指摘されていました。小園、羽月が菊池涼介から指摘されたことは、韮澤にも当てはまることがあります。中村奨成もグラブを出すときの回転軸を右足~左肩関節のラインにするように廣瀬に修正されてからは、右股関節を内旋、左股関節を外旋(バックステップ)して左手の小指で打球を叩けるようになりました。
中村奨成の外野守備に関しては、試合前の守備及び実戦を通じて、セパ両リーグの各球場の塀と自身の左手小指、右手小指の距離を把握させることが必要となるでしょう。
打撃編
中村奨成は、セットアップのときに、右手の中指基節骨、薬指の基節骨、小指の基節骨でグリップを握っています。右手親指は基節骨をグリップに接触させ、親指の指先は伸展させています。右手人差し指の付け根とグリップの間は空けています。バットの握り方は問題ありません。
右打者は、セットアップに入る直前、トップポジションに入る直前、スイングをするとき、右手基節骨の上の関節でグリップを叩きます。右手の親指を屈曲させますが、厳密には、右手親指の付け根を屈曲させ、基節骨の上の関節は屈曲させません。
中村奨成は、セットアップを解くとき、右手親指の付け根だけでなく、右手親指の基節骨の上の関節まで屈曲させてしまっています。右手基節骨の上の関節が屈曲を経て突っ張り、右手親指の指先をグリップに押し付けてしまいます。すなわち、これは、トップハンドとボトムハンドの関係に例えると、トップポジションに入っていく直前にボトムハンドの肘が突っ張ってしまった状態に相当します。ボトムハンドの親指に相当するトップハンドの親指の指先が伸展しておらず、トップハンドの親指の先の加速距離が短くなります。トップハンドの小指の第二関節を180℃内旋する間を作れません。これが、中村奨成がセットアップを解いたときに右肘がヒッチしない原因です。
右肘がヒッチしなければ、右手親指全体が伸展できません。右手親指の指先の加速距離が短くなるのでトップポジションに入っていくのが遅れます。
但し、トップハンドの親指の指先が伸展している(後に反っている)ときは、右手小指で、セットアップの解除、アクセレーション期、フォロースルー期と計3回、グリップを叩けています。わずかですが、右肘をヒッチできています。アクセレーション期に右肩関節が残り、右手親指基節骨でグリップを叩く直前までに左手親指が立っていきます。右手親指基節骨でグリップを叩いたときにバナナカーブが急カーブになります。人間は、右手親指基節骨でグリップを叩いたときに、右股関節が内旋します。右股関節の内旋は、右手親指基節骨でグリップを押すのに先行しなければOKですが、中村奨成の場合、仙骨の右側を押しだすのではなく、右股関節を伸展しているので、左股関節が外旋してしまうところは修正しきれていません。しかし、それでも、左膝の壁は崩れていません。打撃の場合、右打者は、右の股関節の動きに誤差が生じても右手親指基節骨でグリップを叩く直前に右肩関節が残っていれば何とかなります。
総合
中村奨成は、凡打の内容次第では、宇草よりも中村奨成を優先して一番打者に起用しても面白いでしょう。韮澤は、走塁、守備でバックステップができている。韮澤は、左手の小指で投球を叩くことができている。韮澤は、右投げ左打ちでありながら、左投げ左打ちの岩本のような打撃ができている。監督、コーチ、トレーナー、現場スタッフは、韮澤と羽月に中堅の練習をさせ、大盛と競争させることはできないものだろうか。今季は、少しは”人間らしい”コンテンツを産み出してやろうと模索してきましたが、やっぱりダメした。どうしても、キチガイレベルの内容となってしまいます。