Last Updated on 2023年3月1日 by wpmaster
前肩が入ってしまう!前肩がホームベースに覆い被さってしまう!前肘が張ってしまう!。
これは、野球をやっている人から最も多く寄せられる悩みであると言っても過言ではありません。
前肩が入ること、前肘が張ることを肯定する指導者がいますが、彼等は回転半径=加速距離であると誤解をしています。回転半径と加速距離を混同しているのです。
前肩が入る、前肘が入る原因及び過程は、下記のとおりです。
Contents
前肩が入る、前肘が張る原因
トップハンドの人差し指の付け根でグリップを握れば、トップハンドの深層屈筋、側副靭帯の前束が突っ張ります。トップハンドの手首はヒッチできますが、トップハンドの肘はヒッチできません。よって、トップハンドの親指のしなりが解けます。
前膝を上げたとき、後ろの膝が外側に開けば、前肘の側副靭帯の前束が緩まず、前肘の屈曲が止まり、前肘の落下が止まります。前肩が背骨の方に入ります。
トップハンドの手首をコックすれば、前肩が捕手方向に入ります。
ストライドが広がれば、トップハンドの親指がしならず、トップハンドの親指の加速距離が短くなります。
トップハンドの肘が上がりません。前肘が捕手方向に突っ張ります。
打撃において、トップハンドの親指の基節骨でグリップを叩く前のトップポジションにおいて、ボトムハンドをどかさないと、トップハンドの親指基節骨でグリップを叩くことができません。トップハンドの手首を上げていく過程で、前肘、前肩が捕手方向(ホームベースに被さる、前の肩甲骨の内側が内転又は外転+前の肩甲骨の外側が内転)に入っていくと(トップハンドの肘が後の肩関節よりも背中の方に入ると)、ボトムハンドの回転半径が長くなり、ボトムハンドの親指がしならず、ボトムハンドの加速距離が短くなります。トップハンドの小指の根元の関節及び第二関節を内旋する間が作れません。よって、後ろの肩が残りません。更にストライドが広がると、トップハンドの上腕部が内旋します(=後ろ肩が残らない)。トップハンドの人差し指の付け根でグリップを押していくドアスイングになります。ここでは、前肩が入っていかない手段に関し、引出しを全て提示していきます。
スパイクの内側でエッジをかける
後ろの膝が捕手方向に開くと前の股関節が後ろの股関節を跨いでしまいます。トップハンドの手首を持上げた後、前足を入射したときに後ろ足の小指の先を捕手方向に向けるのは、シャッフルする前に後ろ足の内転筋の内転を抑止しますので、すなわち、後ろ足の拇指球で地面を後ろに蹴ってしまうのを抑止することができるので差し支えありません。
後ろの脇を締める
セットアップのとき、後ろの脇を締めていると後肩が残りません。ヘッドは既に立てていますので、トップハンドの親指のしなりは既に解除しています。親指の指先の加速距離は短くなるので、親指基節骨でグリップを叩いてもトップハンドの小指が立ちません。トップハンドの小指の関節の内旋を完結できません。後ろの肩が残りません。トップハンドの親指がしなりません。親指先の加速距離が短くなります。
スクラッチする
後の肩甲骨の内側の面が内転し、後ろの肩甲骨の外側の面が外転します。肩甲骨の内側が内転するとフライングエルボーします。ボトムハンドの前腕部が回外します。後ろの肩甲骨を外転(スクラッチ)すると前肩甲骨の内側が内転します。両肩甲骨の内側の肩甲骨の突起部分寄りがぶつかります。トップハンドの親指がしなっていきます。
トップハンドの手首の位置を浅くする
手首を持上げる過程で、フライングエルボーをし、後ろ足のスパイクの内側でエッジをかけるが、頭を背骨の上若しくは背骨よりも投手寄りに乗せ、両手首を捕手寄りの耳に沿わせたままにする。
前足のスパイクの外側から入射する
☆基本
前足のスパイクの内側から入射すると、前足のスパイクの内側の歯が地面に噛ませることができないと、ストライドは広がります。前肘が落ちず、前肘が捕手方向に突っ張る原因となります。前足は、真上から落とし、スパイクの外側で地面を噛ませることで、前肘が落ちます。ボトムハンドの親指がしなります。
コック
ヘッドをホームベース方向に倒すか、直立させてセットアップする。トップハンドの手首を背屈する。トップハンドの人差し指の付け根でヘッドアップすることで前肩の入りを止める。しかし、ヘッドアップすることで、トップハンドの前腕部を回外する間ができず、トップハンドの小指の関節を180度内旋することができないので、ボトムハンドの肘が跳ね上がらない。ボトムハンドの小指が立たない。ボトムハンドの人差し指の付け根の裏がヘソに覆いかぶさる。ボトムハンドの前腕部を回外してもボトムハンドの回外を完結する間ができず、ボトムハンドの小指の付け根がトップハンドの肩の方に入射する。トップハンドの親指をしならせる前に前肘、前肩が捕手方向に入っていく。ボトムハンドの親指がしならない。ボトムハンドの回転半径が長くなり、ボトムハンドの親指の加速距離が短くなる。
頭を三遊間方向(左打者は一二塁間方向)に向ける(頸反射)。
☆推奨
広島に在籍していた選手及び現在も在籍している選手の内、田中広輔、西川、松山、丸、菊池涼介、會澤、長野、堂林、末包、マクブルーム、他球団では、岡本和真、牧、ソト、村上、青木、佐藤輝明、中島卓也は、トップハンドの手首を持ち上げていく前に、頭すなわち首がホームベース方向を向きます。一方、浅村、鈴木誠也、山田哲人は、頸反射しています。
トップハンドの手首を持ち上げていく過程で、頭、すなわち首をホームベースの方向に向けると、前肩が捕手方向に入ってしまいます。石井琢朗が広島の選手にやらせた投球の軌道を追う練習をさせると、首がホームベースの方に入ります。ワンバウンドの投球に対し、トップハンドの親指のしなりが解け、アウトローのワンバウンドよりも投球の軌道とトップハンドの親指の距離が近いアウトコースのコーナーギリギリの投球に対しては、トップハンドの親指のしなりが解く間が作れないか、解けてから、トップハンドの親指の加速にブレーキがかかります。アウトローのワンバウンド、アウトコースコーナーギリギリよりも投球の軌道とトップハンドの親指の距離が近いインコースのコーナーギリギりは、トップハンドの親指のしなりが解く間が作れないか、解けてから、トップハンドの親指の加速にブレーキがかかります。
トップハンドの肘をヒッチする選手は、トップポジションに手首を持ち上げる前だけでなく、ヘッドステイバックしたときも頸反射して前肩が捕手方向に入るのを防止します。頸反射によって、前肘が捕手方向に突っ張るのをブロックします。
トップハンドの手首を持ち上げていく過程で、頭が、右打者は三遊間、左打者は、一二塁間を向くと前肩が捕手方向に入りません。前田智徳、小園、鈴木誠也、ピレラ、上本は、トップハンドの手首を持ち上げていく前から、一二塁間又は三遊間に頭を向けています。すなわち、打者は、投球の軌道を見てスイングをしているわけではないので、ホークアイ、トラックマンで投球の軌道を分析しても打撃の役に立ちません。また、三塁ベンチの方に頭が向くと前肩が開いて後ろの肩が残りません。他方、トップハンドの親指のしなりを解いた後に頭を捕手方向に向けるのは、トップハンドの親指のしなりを作り直すので差し支えありません。
ヘッドを寝かせて担ぐ
☆準推奨
トップハンドの中指基節骨、小指基節骨をグリップに当ててグリップを握ると、トップハンドの肘が下がります。ヘッドを寝かせることによって、ボトムハンドの前腕部が回内しボトムハンドの肘が跳ね上がり、小指が立ちます。トップハンドの親指がしなります。トップハンドの親指のしなりを解くとヘッドが立ち始めます。骨盤が前傾します。バナナカーブが大きくなります。前の股関節を内旋すれば更にバナナカーブが大きくなります。トップハンドの親指基節骨でグリップを叩くとトップハンドの手首の位置が上がります。ボトムハンドの前腕部が回外します。ボトムハンドの肘がヒッチします。トップハンドの小指が立ちます。トップハンドの小指の関節の内旋を完結できます。
ヒッチ
☆推奨
ヘッドを投手方向に向けてセットするとトップハンドの小指が立ちます。トップハンドの小指の関節を180度内旋することができます。トップハンドの肘をヒッチすると、ボトムハンドの肘が跳ね上がります(ボトムハンドの前腕部が回内します)。ボトムハンドの小指が立ってしなります。トップハンドの肘が落ちると、後ろの股関節に荷重されます。後ろの股関節が伸展しないので、前肩、前肘が捕手方向に入っていきません。両肩甲骨がぶつかります。ボトムハンドの小指の関節を内旋すると、ボトムハンドの小指の加速距離が長くなります。ボトムハンドの前腕部が回外します。ボトムハンドの肘が畳まれます。トップハンドの親指のしなりを解いても、加速したトップハンドの肘、トップハンドの親指を遮るものはありません。トップハンドの小指が立ちます。トップハンドの小指を内旋すれば、ヘッドがボールの外側を縦に擦れます。トップハンドの親指の基節骨でグリップを叩いてフィニッシュするととトップハンドの前腕部が回内し、トップハンドの手首が背中に付いたり(トップハンドの手首にボトムハンドの手首を乗り越えさせた場合)、頭の上に上がります(フィニッシュの前に、ボトムハンドの拳でトップハンドの人差し指の付け根を押し戻してトップハンドの親指の基節骨のしなりを再度作らせ、トップハンドの親指基節骨でグリップを叩いた後、トップハンドの手首にボトムハンドの手首を乗り越えさせなかった場合)。バナナカーブが大きくなります。こららは、全て、投球においても当てはまります。
フライングエルボー
フライングエルボーをすると、右腕前腕部が回内し、右肘が上がります。ウェイトが右肘にかかるので、左
足にウェイトが移ります。左腕前腕部が回外します。しかし、フライングエルボーの前段階で、右肘をヒッチしていないかヒッチが足りないと右手親指がしなりません。右手親指の指先の加速距離が短くなります。右手の親指のIP関節が突っ張ると右手親指の指先が下がります。前肘が右脇に入り込んで、前肘が突っ張
ります。また、右手首が底屈してしまい、右手小指が立ちません。右手首をコックすると右手首は背屈しますが、右手中指、小指の第二関節の内旋にブレーキがかかります。よって、右肘が落ちません。左腕前腕部が回内しても左手小指、左肘が跳ね上がらず、左手小指第二関節を内旋したときの加速距離が短くなります。左肘が右脇に入り込んできます。左手親指が立たずに左手親指の加速距離が短くなります。右手親指がしなるという過程、右肩が残るという過程、右手親指のしなりを解いて右手親指が立っていくという過程に至らずに、右手人差し指がグリップにぶつかります。
フライングエルボーは、インサイドアウトスイングの構成要件の一つですが、枝葉の部分です。土台は、グリップを、関節の溝が最も深いトップハンドの中指の基節骨、小指の基節骨の上下の関節にはめ込んで握ることです。関節の溝が深ければ深いほど内旋、外旋の稼動域(≠可動域)が大きいのです。トップハンドの中指、小指の基節骨ではめ込む過程で、トップハンドの中指、小指の基節骨の上下の関節を内旋しますので、トップハンドの肘がヒッチします。トップハンドの親指がしなります。
総合
☆基本、☆推奨マークが付けられていない手段は、前肩が入るのを止めることができますが、後ろ脇が締まる、すなわち後肩が残らないので、メジャーリーグでホームランを量産することは諦めて下さい。NPBで一シーズン.270 12本塁打をコンスタントに産み出す中距離打者として生きて行って下さいということです。