Last Updated on 2021年10月24日 by wpmaster
鈴木誠也がポスティングを使ってメジャーの球団と契約すると言われている広島東洋カープのドラフト1位候補と大資本メディアの使用人が騒いでいる(私の予想でも、私の希望でもありませんよ)のが有薗直輝(プロ志願届提出済)。大資本メディアの言っていることは、実体のない観念ですので、私は、信用はしていません。
高校通算70本塁打、広角に長打を打てるという価値を付けられているが、通説的見解というレッテルの貼られたものに流されず、私的見解を書いていきます。
プロフィール
公称サイズ
186センチ、95キロ
右投げ右打ち
ポジションは、三塁、外野、投手もやっていた。
50メートル走の公称は、6秒1
動作解析
セットアップのときの両足のスタンスが肩幅より広い。
予備動作は、反時計回りにコックする。
グリップは、右手人差し指の付け根で握る。
有薗は、ブライト健太と同じくトップポジションに入っていく過程の前に右肘のヒッチがない。
昭和の指導者は好むかもしれないが、この点につき、私は、価値を高く付けない。
右側副靭帯の外反が小さいので、投球の軌道と右手首の距離を長く取れないからである。
正木(慶大)と同じく左足首の背屈に依拠してヘッドステイバックしている。
ヘッドステイバックは、正木ほど大きくはないが、前田銀治(三島南)よりは大きい。
佐藤輝明と同じく後ろの肩関節を持上げて右肘をつまみ上げてトップポジションの過程に入っている。トップハンドの親指でグリップを叩くよりもトップハンドの加速距離が短いので、トップポジションに達するのが遅れてしまうのである。
トップポジションでの右肘の張り出し、右脇の空く程度は、中田翔と同程度。會澤、ブライト健太よりは右肘が張り出す。
トップポジションでグリップを右手中指基節骨で握り変える。
正木、前田銀治は、左肘が突っ張ってトップが深いが、有薗は左肘が突っ張らない。
引手である左肘が突っ張らない分、左腕の回転半径が短い分、左腕を俊敏にどかせるので、右手小指MP関節を内旋する間ができる。
ファストボール系は、左股関節を内旋してアウトステップし、ヘソ付近に前足を落とす。
変化球は、左足の着地移置を探る。下半身が変化球対応で、上半身がファストボール対応なので、ファストボールに差される。左足の着地位置を探ることは、一旦は、スウェイすることでもあるから、右手小指MP関節を内旋する間を十分に作れず、審判が際どい投球に「ボール」という価値を付けてくれれば四球を取れるが、ストライクゾーン内の投球を振れずに三振することも増える。
左手小指有鉤骨でグリップを叩く。
総評
打撃動作上、有名選手で近いのは、山田哲人
右肩関節が残っている分、逆方向には長打が打てる。
但し、ファストボールには強くない。ボールゾーンの投球を振っての三振もかなりするだろう。しかし、左肘が突っ張らない分、正木よりは、ファストボールには対応できる。
投球に対し、右手小指MP関節と右手小指の間でグリップを叩くのがベストであるが、右手小指有鉤骨で叩いている分、トップハンドの人差し指の付け根でグリップを押す正隨、林、左手小指の付け根でグリップを押すよりはずっと本格派のスラッガーである。
右肘の張出しが小さいブライト健太よりは、有園の方がスラッガーである。
高校三年における実力は、前肩関節が背骨の方に入らない分、堂林よりはずっと上、中村奨成よりやや上程度。井上朋也(現ソフトバンク)よりは落ちる。
セットアップを解く場合に、右肘をヒッチするプロセスを作ることは、可成り労力を要するので即戦力ではない。
将来は、堂林より上にはなると思われるが、鈴木誠也の域には達しない。
今ドラフトの右のスラッガーは、一長一短が各々あって、突出した選手がいない。