Last Updated on 2023年6月13日 by wpmaster
無死若しくは一死走者一塁及び一二塁では、盗塁、エンドラン、ゴロゴーは、走者のベースランニング次第では、一つもアウトを与えずに、走者を進塁させることができます。
特に、試合前半のスコアレスドローのケース、ビハインドの場合では、相手は、一点を防ぐよりもアウトカウントを稼ぐことを優先します。
バントは、打者走者が出塁を犠牲にして既に出塁している走者を進塁させます。投手が立ち上がり、アップアップの状態のときには、アウトを一つ与えることになります。
個人的な好みで言えば、アウトを一つも与えることなく進塁させる盗塁、エンドランの方が好みです。バントは好きではありません。
ここでは、バントをした場合とバント以外の手段を用いて走者を進塁させた場合を比較してどちらが走者を還す確率が高いかという議論をセイバー野郎とするつもりはありません。
バントは、転がすことが要件ですので、フライボールレボリューションのインサイドアウトスイングとは、逆の動きをします。よって、ヒッティングが下手になります。私がバントを嫌う主たる根拠はここにあります。
但し、右打ちの投手が遊ゴロを打って併殺崩れで一塁に出塁した場合、膝を曲げて捕球をすることによりインナーマッスルが損耗し速く走れない捕手が走者の場合には、盗塁をさせたり、エンドランをかけることが難しくなります。
例外としてバントをするのは、投手と一番打者です。一番打者に、右投げ右打ちの打者を据え、二番打者は、私の中では、走者を還す人です。一二塁間に引っ張れる左打者を据えたい。
体の使い方を変えてバントを行えば、完全にインサイドアウトと同じ体の動かし方と同じにはなりませんが、インサイドアウトスイングの体の使い方との乖離を小さくすることができます。
私は、子供の頃、バントは、両膝の曲げ伸ばしによって、ヘッドの高さを調節し、投球の軌道に、頭とバットのヘッドの軌道(トップハンドの人差し指の軌道)を入れなさいと言われました。
しかし、このやり方だと、実際には、合せただけの小飛球になったりしてバントを成功させるのは難しくなります。
それでは、インサイドアウトスイングの体の使い方に近い動きでバントを行い、且つ、打球を殺し、若しくはバウンドさせ、及び、転がす方向をコントロールすればよいのでしょうか。
バントの基本
バントの構えは、ヒッティングにおいて、トップポジションに到達したとき、トップハンドの小指の基節骨でグリップを叩いたときと同じです。トップハンドの手首は背屈し、小指第二関節を投手方向、掌側を上に向けます。ヘッドは寝かせます。
トップハンドの親指は基節骨をグリップに当て指先をしならせます。トップハンドの親指の指先でグリップを荷重してしまうとトップハンドの小指を立てることができません。トップハンドの肩関節をトップハンドの小指の第二関節が180°内旋するところまで外旋できません。
トップハンドの人差し指の指先を橈側に外転しないとトップハンドの親指がしなりません。トップハンドの手首がコック(背屈)してしまいます。前肘が後ろ肩の方に入っていく間が生じます。トップハンドの小指の第二関節の内旋に関する回転半径(肩関節の外旋に関する回転半径)が長くなります。トップハンドの親指のしなりが作れません。トップハンドの親指の指先の加速距離が短くなります。
トップハンドは、中指の基節骨でヘッドの芯の部分よりもややグリップを寄りを握ります。
よって、トップハンドの手首の位置は、ヒッティングのときに比べ、ヘソ、両股関節から遠ざかります。トップハンドの肘は伸び、回転半径が長くなり、トップハンドの小指の稼働域(実際に動いた距離)、加速距離は短くなります。それによって打球のトップスピン、バックスピンを殺されてしまいます。
トップハンドの人差し指の付け根で芯の部分を握ると、トップが静止します。トップハンドの小指の稼働域がさらに狭くなってしまいます。トップハンドの親指基節骨で芯を叩いたときに、トップハンドの掌、前腕部の屈筋が突っ張ってしまいます。トップハンドの手首が底屈し、ヘッドが下がってしまいます(ヘッドの軌道が逆波)。投手が肘、前腕部、股関節を稼動して産み出したトップスピン、バックスピンに対したとき、トップハンドの手首が吹っ飛ばされてしまい、差されることができなくなってしまいます。
ヘッドは、頭の前に出します。ヘッドを頭より後ろにしたり、オープンスタンスにすると、トップポジションの過程で前足の股関節が外旋し、又はスウェイした過程と同じになってしまうからです。オープンスタンスが大きいとヘッドステイバックが遅れます。
打者は、投手が投球肘をヒッチしてセットアップを解いたときに、トップハンドの肘をヒッチし、ヘッドステイバックします。後ろの股関節が外旋します。ヘッドが下がります。トップハンドの手首が前の股関節、ヘソ、後ろの肩関節、後ろの肘よりも捕手寄りに下がります。投球の軌道との距離が前の股関節、ヘソ、後ろの肩関節、後ろの肘よりも遠ざかります。トップハンドの親指がしなり、トップハンドの親指基節骨でバットの芯を叩く間が作れます。
打者は、トップハンドの肘をヒッチしないと、トップハンドの親指がしならず、前肘が突っ張ります。両肩がフラットになり、ボトムハンドの前腕部の回転半径が長くなり、ファストボールに対し、トップハンドの前腕部を回外するのが遅れます。
トップハンドの親指でバットの芯を叩いたときにヘッドが下がります。投球の軌道に水平にトップハンドの人差し指の付け根を入れてボールを運んでいくバントの仕方をすると、ボールの上っ面にトップハンドの人差し指付け根が被さり、硬球は、中が空洞の軟球と異なり、選手が肉体を稼動することによってできた窪みに当たらない限りは、弾みません。手首をコックさせたり、手首を返す(トップハンドの前腕部の回内)によってスライス回転を産み出し、バウンドさせることができますが、軟球ほどは弾みません。捕手の前にポトリと打球が落ちます。捕手はベアハンドである送球する方の手で背骨より送球腕寄りで捕球できます。
プッシュバント及びドラッグバントを投一間、又は投三間にする場合には、価値を付けると
すれば、本塁ベースから2~3m前に転がします。
投手が前足首を底屈し、トップハンドの手首をつまみ上げたときに、打者は、トップハンドの親指の基節骨でバットの芯を叩いてヘッドを頭の前に出します。前足はヘソの下に落とし、前肩を後ろの肩よりも下げます。後ろの股関節は内旋します。両足の内踝をぶつけます(シャッフルします)。前足はアウトステップして三塁線(左打者は一塁線)にバントする場合も、インステップして一塁線(左打者は三塁線)にバントする場合も前の股関節は内旋させます。ヘッドが立ち、トップハンドの側副靭帯の前束が緩みます。
バントの場合も、ヒッティングと同じく、ストライドはファストボール対応、トップハンドの小指、親指は変化球対応の、前の股関節と後肩関節のラインを回転軸とした、投球の軌道と背骨を平行にV字スイングを行います。
右投げ左打ちがバントが下手な原因
右打者は、クローズドスタンスに構え、両肩を結ぶラインをニュートラルポジションにします。
右投げ左打ちの打者は、投げるときの後ろ足と打席での後ろ足が逆になります。トップハンドが投げるときと打つときと逆になります。左打ちを始めたばかりの選手で、左手小指でグリップを叩くのが右手小指でボールを叩くのが遅い選手は、左肘のヒッチが投球における右肘のヒッチよりも遅れます。
更に左手親指基節骨でグリップを叩くのが、投げるときに右手親指基節骨でボールを叩くよりも遅れます。このような選手は、素振りの量が足りていません。投手は、セットアップのときに僅かにオープンスタンスにして前肩関節が背骨の方に入るのを抑止します。一方、素振りの量が足りていない右投げ左打ちの選手は、オープンスタンスを極端にしてバントの構えに入ります。故に、後ろの肩関節が残っていません。
投手がトップハンドの小指のMP関節を内旋し、投球腕前腕部を回外、上腕部を外旋したときに、打者はトップハンドの小指MP関節を内旋してトップハンドの肘をヒッチさせます。前足首がトップハンドの親指基節骨でバットの芯を叩く前に、背屈します。
しかし、この右投げ左打ちの打者は、トップハンドの肘をヒッチしても、前の股関節を戻すのが遅れ、後ろの股関節の外旋も遅れ、ヘッドステイバックが遅れます。トップハンドの親指をしならせる間が作れません。トップハンドの小指をしならせる間ができず、後ろの肩関節が残りません。右投げ左打ちの選手がバントが下手なことは、右投げ左打ちの選手がトップハンドの小指で叩いて引っ張ることができずに、トップハンドの人差指の付け根でグリップを押して流し打ってしまうのと原因は同じです。
ヘッドステイバックができないと、後ろ足の股関節が外旋できません。トップポジションにおいて後ろの内転筋を内転すると、後ろの拇指球で地面を後ろに蹴ってしまいます。前の股関節が外旋し、前膝が屈曲して割れます。打者走者は、走路が外側に膨らみます。
トップハンドの親指基節骨でバットの芯を叩くと前足首が底屈します。トップハンドの親指基節骨でバットの芯を叩くと、後ろの股関節、前の股関節が共に内旋し、両股関節がぶつかります。
逆方向に転がす場合には、再び、トップハンドの小指MP関節を内旋し、トップハンドの肘がヒッチさせ、後ろの股関節が外旋し、前の股関節も内旋し、引っ込みます。トップハンドの前腕部が回外します。投球の軌道がバットの芯よりも先端にぶつかります。
ヒッティングの場合、ヘッドが投球の軌道の下に入ると飛球になりますが、ヒッティングに比べ、バントは親指がしならないので親指の加速距離は短くなりますので、ヘッドの立ち方は小さく、ヒッティングの場合よりも、ボールの内側(捕手寄り、自分の背骨近く)に入ります。ヒッティングの場合よりも飛球になりにくくなります。
プッシュバント(右投げ左打ちのドラッグバント)を含め、順方向に転がす場合には、トップハンドの親指基節骨で再び、バットの芯を叩くと、後ろの股関節、前の股関節が共に内旋し、両股関節がぶつかります。前の股関節が下がった分、ヘッドがヘソよりも前に出ます。投球の軌道がバットの芯にぶつかり、差されます。
結論
バントは、構えたとき、現実には、コックの位置を固めると失敗します。
バントは、トップハンドの小指MP関節を内旋することによってトップハンドの肘が下がります。後ろの股関節が外旋します。前膝が突っ張ります。トップハンドの親指基節骨でバットの芯を叩くことによって腸腰筋が骨盤に突き刺さり、内転筋が内転します。前足首が底屈します。
現実には、両膝を動かすことによってバットコントロールをしているのではありません。
手でバットコントロールするなと言われますが、実際には、ガイドハンド(=トップハンド)主導でバットコントロールします。これは走塁、ヒッティング(=パンチング、捕球)と同じです。
トップが入れ替わったときに後の肩関節を残しておくことも、ヒッティングの場合と同じです。右投げ左打ちの選手もクローズドスタンスか、オープンスタンスにしても僅かにした方が望ましいのです。