Last Updated on 2021年7月1日 by wpmaster
広島ー巨人13回戦は、九里亜蓮とメジャーで通用せずに巨人に戻ってきた山口俊の両先発でスタートした。試合は、野間のソロ本塁打で広島が1-0で勝利した。スコア上は、守り勝つ野球ができたかのように見えるが、実は、広島東洋カープが最下位になるだけの根拠が看て取れる試合であった。
野間の打撃の変遷
セットアップ(アドレス)期
①鈴木誠也は、トップハンドの親指基節骨でグリップを叩きヘッドを投手の方に向けています。トップハンドの親指の位置は、ニュウートラルポジション(トップハンドの中指の方に入っていない状態)です。トップハンドの親指は、トップハンドの小指より前にあります。この状態で、トップハンドの親指基節骨でグリップを叩くと、トップハンドの親指の指先の加速距離が短いので、前肘が突っ張ってしまいます。よって、鈴木誠也は、トップハンドの中指、小指のしなりを解きます。トップハンドの肘を落とします。前脇が空きます。ボトムハンドの前腕部が回内されます。ヘッドが寝ます。プレトップポジション期に入ります。
②落合博満、福留、2017シーズンの野間、現在の林は、トップハンドの親指の基節骨でグリップを叩いてヘッドをホームベース側に倒します(アウトサイド110度前後)。トップハンドの手首をコックします。手首をコックするとトップハンドの肘が落ちます。トップハンドの中指と小指を走らせていないので、トップハンドの肘の落ち方は小さくなります。ヘッドステイバックも小さくなります。ヘッドは寝ます。手首をコックした分、前肘が捕手方向に入っていくスペースができます。前肘が突っ張ります。プレトップポジション期に入ります。
③前田智徳、小園、丸,2018野間は、トップハンドの手首の角度は、インサイド80度前後にしています。前肘は畳み、ボトムハンドの前腕部が回外しています。ボトムハンドの脇が締まり、ボトムハンドの肘が落ちます。ボトムハンドの肘はトップハンドの肘よりも下がっています。
トップハンドの親指のしなりは、①~④のカテゴリーの中では、最も大きくなります。よって、ニュートラルポジションまでトップハンドの親指の基節骨でグリップを叩くと、トップハンドの親指の指先の加速距離は、①~④の中では、最も長くなります。小園と前田智徳は、トップハンドの中指、小指が立ちます。トップハンドの中指、小指の加速距離が長くなります。トップハンドの肘のヒッチの幅が最大になります。ヘッドが寝て前脇が空きます。プレトップポジション期に入ります。丸は、トップハンドの親指の基節骨でグリップを叩いてトップハンドの手首をヒッチします。ヘッドがホームベース方向に倒れます。トップッハンドの肘は大きく落ちません。トップハンドの手首、後ろの肘、肩関節の順に持ち上がります。プレトップポジション期に前肩関節、更には前肘が後ろの脇に入っていく間ができます。
④西川、2019野間、ピレラは、前田智徳、小園よりも、ボトムハンドの前腕部を回内してヘッドを寝かせています。トップハンドの親指は、前田智徳、小園よりも前にありますが、鈴木誠也よりも後ろにあります。ピレラ、野間、西川は、トップハンドの中指、小指を縦にこすり下ろしてトップハンドの肘をヒッチします。西川、野間は、トップハンドの親指のしなりが小さい分(セットアップ期のヘッドが西川、野間の方が寝ている)、ピレラよりもトップハンドの肘のヒッチが小さい。ヘッドを更に寝かせます。前脇を空けます。トップハンドの親指がしなります。プレトップポジション期に入ります。
トップポジション期
人間は、トップハンドの親指基節骨でグリップを叩くと、トップハンドの中指、小指が浮き上がって立ちます。トップハンドの親指の指先が波動を産み出します。
人間は、ボトムハンドの前腕部を回外するとヘッドが立ちます。ボトムハンドの前腕部を回外しながら、ボトムハンドの肘を背中の方に引くことを「前肘を抜く」と言います。
落合、古田のようにトップハンドの肘のヒッチが小さいとトップハンドの親指がしなりません。ヘッドステイバックが小さくなります。トップハンドの親指の加速距離が短くなると、トップハンドの親指が捕手方向に入ります。前肘が突っ張ります。ヘッドが寝ます。トップハンドの中指、小指が両肩関節より上に来ないので前足が頭の下に落ちません。前足首が底屈し、前足つま先が背骨より前に出ます。ここで割れができてしまいます。この段階で後の肩関節を残すことは可能です。前肩が抜けると骨盤の前方が投手方向に張り出します(スウェイ)。前肘が突っ張るとボトムハンドの親指、中指、小指の回転半径が長くなり、加速距離が短くなります。トップハンドの中指、小指を立たせてしならせる間ができません。バスターやカット打ちもこの打ち方です。野間の走り打ちは、前の股関節が内旋できず、トップハンドの親指基節骨でグリップを叩いても、人差し指の付け根でグリップを押しても、骨盤が横にズレ、後ろの股関節が前の股関節にぶつからないので、瞬発力を産み出すことができない。トップハンドの中指、小指が加速せずに、撫でるような打ち方になります。しかし、2018以降の野間は、トップポジション期に前肩関節が背骨の方に入らず、トップを入れ替えたときまで、前肩関節、後ろ肩関節が辛うじて残っているので、三振が少ないのです。ここが宇草を異なるところです。
田中広輔、丸は、スウェイして、トップハンドの中指小指が立たせる間ができません。後ろの肩関節が残りません。トップハンドの親指の基節骨でもグリップを押す間ができません。トップハンドの肘を通過させる間もできません。スイングの起始がトップハンドの人差し指の付け根になるので、トップハンドの中指、小指が加速距離が後ろ肩関節が残っていた場合よりも短くなります。加速距離が短いということは、ヘッドがすぐに止まるということです。ヘッドが僅かに動けば、投球をカットできます。トップを入れ替えたところでヘッドが止まるから、四球が取れているだけです。前肩を開くか前肘を抜かないとトップを入れ替え、ヘッドを立ててトップハンドの肘を走らせることができません。故にアウトローのワンバウンドを振ります。
プレトップポジション期においてトップハンドの肘のヒッチが大きくできていれば、ヘッドステイバックが大きくなります。トップハンドの親指がしなります。ボトムハンドの肘が後ろの脇の下に入ります。ここで割れができます。トップハンドの親指基節骨でグリップを叩くと、トップハンドの親指の指先の加速距離が長くなります。トップハンドの中指、小指が最初に浮き上がり立ちます。トップハンドの親指の指先が波動を産みます。後ろの肩関節が残ります。ボトムハンドの肘が畳まれます。前肩が下がります。ボトムハンドの肘が畳めているので、ボトムハンドの親指、中指、小指の回転半径が短くなり、加速距離が長くなります。ボトムハンドの手首の甲が立ちます。前肘が更に落ちます。ゆったりとトップハンドの中指、小指を走らせる間ができます。
第二次ヘッドステイバック
人間の体は、トップハンドの中指、小指を走らせるとトップハンドの肘が落ちます。トップハンドの中指、小指がしなって加速距離が長いほど、トップハンドの肘は落ち、ヘッドステイバックも大きくなります。トップハンドの前腕部、手首がレイバックし、トップハンドの肘よりも後ろに来ます。言い換えると、トップハンドの手首よりトップハンドの肘が前に来ます。ヘッドは下がります。ヘッドステイバックが大きいほど、トップハンドの中指、小指と投球の軌道との距離が長くなります。トップハンドの親指も大きくしなります。前肘が上がって前脇が空きます。前足首が背屈します。前の股関節が内旋します。トップハンドの親指の加速距離が長いほど、トップハンドの中指、小指が立ち、中指、小指の加速距離が長くなるのでトップハンドの肘が走ります。後ろの股関節が前の股関節にぶつかります。2018シーズンの野間は、2017以前、2019シーズンよりも、前の股関節を内旋し、トップハンドの小指を投球の軌道に入れています。2018の野間は、2017以前、2019の野間よりも高い位置からトップハンドの親指の基節骨でグリップを叩いています。
九里、山口俊両先発のピッチング
九里は、右肘をつまみ上げる前に、左肘、左膝が併進する。後ろ足の拇指球で地面を後ろに蹴る。両股関節をぶつけると左膝が左足つま先の前に出る。右手親指の付け根でボールを押すと人差し指がボールの上に被さり、右肘が落ちる。右腕上腕部が凹む。九里は、トップを入れ替えたときに、前肩関節、後ろ肩関節が残らない。中盤からは、最大外旋位のときに左膝を突っ張らせ前の股関節を戻すが、前股関節が内旋できておらず、骨盤が横を向くダブルプレーン(投球肘のヒッチ、前肘を担ぐの反復という半円運動と前足首の背屈(後の股関節の外旋、前股関節の内旋)と前足首の底屈(前股関節は内旋を維持)の反復という円運動が重ならず、円盤が2つに分岐する)投球も多く、九里の出来は最悪であった。
原辰徳が巨人の打者が安打を打つのを待つ野球をやれば九里をボコれる試合であった。丸もゆったりとヘッドステイバックして前足を頭の下に落せている。坂倉がベースから離れて守っていたので外野に抜けなかった。九里自身が左手小指で山口俊のバントをすくいあげて右手で捕球、二塁に送球。フィールディングで凌いだ。丸がディレードスチールを決めた後、岡本が、トップポジションのとき、左足が一歩スウェイ、トップハンドの親指基節骨でグリップを叩くが、ヘッドが下がる。両股関節を剥がせずに、右手首をコック。三ゴロに終わる。
バードは、左腕前腕部を背中の方に引く。左肘からつまみ上げる。左肘をつまみ上げるところで両肩甲骨がぶつかっている。背骨がヘソの方に倒れる。後ろ足の拇指球で地面を蹴っている。後ろの肩関節が残らない。トップハンドの人差し指の付け根でボールを押す。最大外旋位における投球腕前腕部のレイバックは大きいが、右膝が外側を向き、右股関節が内旋できていない。左肘側副靭帯、上腕部にかかる負荷が増す。
栗林は、トップポジション期からリリース直前まで、前股関節が内旋できていない。右股関節を左股関節にぶつけられていない。右肘側副靭帯、上腕部にかかる負荷が増し、トップスピン、バックスピンのかかり共、今一つであった。
山口俊は、右足スパイクの外側の外踝にウェイトをかけ、二塁ベース方向にヘッドステイバックする。渡米する前に比べ右腕前腕部のテイクバックが小さくなり、両肩関節を結ぶラインがニュートラルポジションを作れている。右手親指の基節骨でボールを叩いてセットアップを解いているので、トップハンドの親指、中指、小指、投球肘の順につまみ上げている。スタンダードW(トップハンドの手首のコッキングの角度がアウトサイド91度以上)作れている。トップハンドの中指、小指球がしなる。前足が頭のほぼ真下に落せている。リリースの直前に前膝を使ってブロッキング、前の股関節を戻せている。右肘からつまみ上げると右手首の角度がインバートW(インサイド90°以下)。しかし、何れも、後ろ足の小指球、続いて後ろ足の拇指球で地面を後ろに蹴っている。トップハンドの親指基節骨でボールを叩いた後、ボールの上に人差し指の付け根が被さり、右肘が上がらない。ボールを縦に擦れない。右の股関節を左の股関節から剥がせない。右腕上腕部が凹む。
野間は、セットアップ期は、2018シーズンのバージョンに戻した。トップを入れ替えたところまでは、前肩関節も後ろ肩関節も残っている。しかし、前の股関節を内旋できておらず、骨盤が横を向く。トップハンドの人差し指の付け根でグリップを押してしまっている。左股関節を右股関節にぶつけていないので、瞬発力が産み出せていない。ヘッドは立たせてグリップを人差し指の付け根で押し、持ち上げていき本塁打になった。インサイドアウトスイングの水準は、バードから右邪飛を打った丸の方がヘッドステイバックが大きく上であった。
小園は、1回表、山口俊が投じたアウトコースベルトの高さ、すなわち、左打者のインコースに、ホームベースの一塁側のラインからボール二個分入ってきて戻る投球に対し、一回目のヘッドステイバックのとき、右足のスパイクの外側だけを浮かせる。前足を頭の下に落す(ノーステップ)。2度目のヘッドステイバックをして、左肘ファーストで投球の軌道にぶつかる。3度目のヒッチ&両股関節の剥がしを行い、グリップをトップハンドの親指の基節骨で叩くが差されて空振り三振。腰を捕手方向ではなく背中の方に引いている。4-0だが内容は悪くない。
巨人の重盗と広島の守備
1回表二死一三塁、打者坂本、カウント2-2 九里は、アウトロー膝元に投球をする。岡本がディレードスチールを仕掛ける。
捕手磯村は、二塁に投げる。バカかよ、オメエ!何二塁ベースに投げてんだよ。だから、使ってもらえねえんだよ。こんなことやってるから最下位なんだよ。磯村は、トップハンドの上腕部を外旋したとき、左膝と左足つま先が並ぶ。ボールが中指の基節骨に掛からず、二塁送球がインハイに外れる。小園がジャンピングしながら、左手小指で送球を叩いて右手で捕球する。小園は、右肘をヒッチしたところで、一塁走者の岡本がスクワットをして帰塁し始める。小園が本塁に送球するのを邪魔をする。小園は、トップポジションに入って再度、ヘッドステイバック、右股関節で地面を押し込み、本塁に送球する。送球がアウトローに外れる。小園は、インローに投げて三塁走者松原の走路を膨らませることができなかった。松原は、右股関節を内旋、左膝を畳んで、フックスライディング、右足つま先でホームベースの内側のラインの三塁から最も近いところを蹴る。松原は、右足をホームベースの内側のライン(三塁ベンチ寄り)に沿って入れなければならないのに、一塁側に向かって右足を入れた松原のランニングは右膝が屈曲し、前のめりで、肘をヒッチする間がないから、ヘッドステイバックが小さい。ストライド(回転半径)が長く、右足つま先の加速距離が短かった。故にタッチアウトになった。
本日も読ませて頂きました。
やはり、カープブログでは、一番面白い。
九里、磯村について
完全同意。
鈴木について、なぜアホカープファンは、彼を叩くのでしょうか?疑問なんですが。
私の個人的な希望。
トップ時、もう少し前をシンプルにした方が良いのではないでしょうか?
つまり、もっと小さく踏み込む。
そして、後ろ足の外側を使って、前の股関節にぶつけていく。
下半身の使い方が、気になるんですけどね。その点については、どうでしょうか?
私は鈴木の左中間方向のホームランしか見たくはありません。(笑)
カープで最も評価されるべきは、やはり鈴木だと思います。
あくまでも、私の解釈に過ぎませんので。
管理人
テリーファンクJr.さん、コメント有難うございます。
鈴木誠也は、インローをすくいあげるとき、及びアウトローを引っ張るときには、トップポジションの過程で、左足の着地位置を探るとまではいきませんが、スライドステップのような動きで、左足をアウトステップがすることがあります。
それでも、左足のアウトステップに関しては、巨人の岡本と同じくらい短い。菊池涼介、山田哲人、坂本勇人よりもアウトステップが短い。菊池涼介、山田哲人、坂本勇人は、スライドステップをいうよりは、着地位置を探るです。アウトステップに関しては、インローを打つときは、メジャーの選手でもします。
鈴木誠也は、松山、林、丸、田中広輔、野間、會澤、長野のように、前足を一旦前に踏み出してから背骨の方に引くということをしません。広島打線の中では、右では鈴木誠也、左では、小園が断トツで最もストライドが狭いです。広島打線では、鈴木誠也と小園だけがコース、高さを問わず、トップハンドの小指を投球の軌道に入れます。鈴木誠也と小園が広島の打者の中で最も、前肩の壁ができ、後ろ肩関節が残っています。センターから順方向の打球も、センターから逆方向の打球もドロー回転がかかります。広島打線の中で、鈴木誠也と小園が最もインサイドアウトで振れているので、フライアウトが多い。得点圏で転がせと言われてきた世代は、松山、林、長野のように、トップハンドの人差し指の付け根で追っ付て逆方向に打つ、センター返しでゴロを打つというドアスイングと紙一重の打撃を賛美します。フライボールを打ち上げた鈴木誠也を、メジャーのアホバカ野球とディスります。
トップハンドの親指基節骨でグリップを押すと、トップハンドの肘が走ります。両股関節がぶつかります。どんな打者でもスウェイ(ここでのスウェイは、骨盤の投手側が曲線状に張り出す)します。鈴木誠也は、そこから、左股関節を戻し、右股関節を剥がし、ヘッドを縦に擦り下し、投球の軌道の下に入れられています。確かに、鈴木誠也は、トップポジションの過程で、左膝が左足の内踝より前に出ることや、左足首の底屈位置が、頭より僅か前にズレることがあります。しかし、そのズレも岡本よりは小さい。
私が鈴木誠也の打撃で気になるところは、トップを入れ替えたときに、後ろの拇指球を支点に右膝が背骨の方に入ることがあることです。左股関節を内旋して左膝を突っ張らせ、右膝の入りをブロックしていますが、トップハンドの親指の基節骨でグリップを叩いて右肘を走らせると、右膝と左足がクロスします。前肩が前に抜けます。ヘッドが下がって右手首をコックして投球の軌道を擦り上げます。ハーフバウンドの三ゴロ、遊ゴロを打ってしまうことです。