Last Updated on 2020年2月26日 by wpmaster
キャンプ期間中のオープン戦は、この試合が最後、今後は非公式ではありますが、実戦メインとなります。
広島の先発は、オープン戦初登板の九里、一方、巨人は、来日初の実戦マウンドとなるサンチェス
共に肩慣らしの試運転
他方、当落線上の投手、新しい仕事にチェレンジする投手にとっては課題をいかに修正していくか。
NPB実戦初登板巨人サンチェスのピッチング
プレシーズンマッチに本格的に入れば、こちらとしては、野球の技術的な専門用語をキーワードとして埋め込めますからね。
大資本メディアのライターやプロ野球OBの解説者は、白痴化させるのが仕事ですから野球の専門用語は使いません。SNS上のコメンテーターも野球の専門的な技術のことはさっぱりわかりません。情報収集ツールは野球技術の専門用語を拾ってくれません。
他のブロガーが、仮に一寸野球に詳しいアマチュア指導者のブログから野球技術の専門用語を拾って知ったかぶって用いても使いこなせませんからね。自分で自分の首を絞めるようなものです。
サンチェスは、体軸を一塁側に倒して右腕前腕部を回内するので、オーバーハンドの角度が作れています。
沖縄の球場のマウンドは、メジャーのマウンドと違って地面が柔らかいのでしょう。
サンチェスは、右股関節の外旋が右肩関節の前に解けて両股関節をぶつけると左膝が左足のつま先の前に出されます。瞬発力を産み出し切れず、且つ瞬発力が指先に伝わり切りません。
サンチェスは、右股関節をレッグアップしたとき骨盤は緩く前傾していますが体重が右足の小指球にかかっています。サンチェスは、右腕前腕部を回内して右腕を骨盤の横まで引く過程で右肩を左肩よりも下げます。
サンチェスは、安部に本塁打を打たれたときは、右肩関節の外転のとき、右足の小指球で三遊間に地面を蹴っていますが、右股関節の外旋が解け、二塁方向に割れができていません。右肩関節の外転のとき引手が親指が上になり、右肘が二塁定位置方向に引かれるので上体が横に広がります。サンチェスは、リリースの瞬間に右足の小指球で地面を蹴り始め右足踵が地面を離れる。両股関節をぶつけて右膝が真下に落ちますが左膝は、屈曲は深くないものの屈曲しています。右腕上腕部が凹んでいます。
マウンドが硬く傾斜が急なドーム球場では後ろ足の股関節のタメが作れ、リリースの瞬間に前膝が突っ張るでしょうから、この試合のサンチェスのピッチングは参考にはならないでしょう。
オープン戦第1号小園海斗のバッティング
投手が投じた全ての球種は、最後は失速します。
小園は、真ん中低目(ベルトと膝の中間)のフォーシーム145キロに対し、骨盤を前傾させたまま右膝をレッグアップ。左股関節と左足のスパイクの外側で捕手方向に地面を蹴ります。
小園は、右足首が底屈するや否や左足の拇指球に体重が移って手首の位置が上がり切らない内に振り下ろし始めます。右膝で地面を蹴って右足内転筋を内旋し、両股関節を引っ込めます。
ボールの軌道をバットの軌道がレベルスイングの角度にぶつかっているんですが、引手である右肘を抜きながら左手首を背屈させて左手の人差し指の付け根で前に押していくのではなく、また、フォロースルー期には両肘が伸びてしまいますが、右肘もインパクトの瞬間まで畳んでいます。更に、ガイドハンド(押手)の親指でグリップを押し込んで上からボールの外側を縦に擦っています。左足の小指球で地面を一塁側に蹴って後ろ足に体重を残さず前足を軸に骨盤を縦に回せています。トップを作る過程が浅い分、フェイド回転がかかりましたが、V字スイングで右翼席に本塁打を放ちます。
髙田は、右股関節を外旋し左膝を上げたとき、右足小指球寄りに体重がかかり、背骨が一塁側に傾く。小園に本塁打を打たれたときは、少しヒールアップしている。髙田は、このとき右足の小指球で地面を三遊間に蹴る。髙田は、骨盤を前傾させ両足内転筋を内旋したときも右足小指球に体重をかける。右腕前腕部を回内して骨盤の横まで右腕を引いたとき骨盤を更に前傾し右股関節を中日吉見レベルで荷重する。このとき髙田は、右肩を左肩よりわずかに下げる。左肩を下げ右肩関節を外転したとき、右足小指球を支点に右膝が内に入る。引手は親指が上になっている。リリースの瞬間、右足小指球を支点に右足のスパイクの外側のラインが三塁側に倒れる。左膝の屈曲は深くはないが、左膝は突っ張らない。
小園は、4回表、桜井が投じた40球目、真ん中のフォーシーム143キロを打って右前安打
9回表、鍵谷が投じた5球目のインコース(左打者のアウトコース)ベルトの高さのフォーク126キロを打って右中間に二塁打。
鍵谷は、リリースの瞬間、両股関節をぶつける前に右足の親指から小指を支点に右膝が真下に落ちる。、左膝が突っ張らず左足が0脚になっている。右腕上腕部が凹んでいる。すなわち前段階までで右股関節の外旋ができていないのだ。
小園は、右中間に打った二塁打もほぼ同様のスイングをしています。右前の単打も振り下ろす直前にヘッドがしっかり立って上から叩けている。
ピレラは、1回表、20球目、真ん中のフォーシーム149キロを打って中前安打
ピレラは、右足の拇指球に体重が移って右膝が落ちかけても左膝で地面を蹴ってストライドを狭める。右股関節を外旋し直しています。
長野は、6回表、真ん中低目のフォーシーム145キロを打って中前安打
長野は、左足の探りで左足が投手方向に広がりかかりますが、右の股関節を外旋し直してストライドを狭めています。
共に回転半径を狭めてスイングしているのでヘッドアップしても安打になります。
ルナもヘッドをボールの外側に引っ掛けて左方向に打てます。ピレラも両股関節をぶつけずに前足を軸に逆方向に打てます。
SNS上では、ピレラは、「広角に打てる中距離打者、本塁打は多くを期待できないが、ルナのようにつないでくれればいい、シングルヒットで確実に走者を返してくれればいい」という声が多いです。
しかし、ピレラは、左足首の底屈のときまで右肘がヘッドの外側に張り出し、押手主導でボールの外側(投手寄り)を打つ。基本的にはセンターから左に引っ張る打者で、打球方向は逆方向が18~20%、半分が左方向になると思います。
本塁打1本に要する打数も鈴木誠也と同じぐらいで本塁打を量産するのではないか。
安部は、サンチェスが左膝と左肘を並進し始めたときに右膝を骨盤の下まで上げる。始動遅めの外国人選手の打ち方。トップは固める必要はないのだが、前肩を開かずに下げて押手の肘がヘッドの外側に張り出すのが望ましい。安部は、右肩は下げるが、左肘がヘッドの外側に張り出さずトップは浅めで振り下ろす。安部は、インパクトの瞬間は、左足のスパイクの外側で地面を蹴る間が十分出来ていなかった分左膝が伸びるが、ボールの外側(投手寄り)を打てている。
鈴木誠也は、サンチェスが「く」の字を解いたときに始動(レッグアップ)。右股関節で地面を捕手側に蹴るが、右股関節で地面を捕手方向に蹴る間が十分にできず従来より若干ストライドが広がった分、打球は失速したが、右足首の底屈のときに右肘がヘッドの外側に張り出し押手主導で打っている。真ん中のフォーシーム159キロを打って左犠飛
鈴木誠也は、試合前、前肩を開かず下げて右肘のスクラッチ、引手の左肘を畳んでヘッドのしなりを作る動作を確認している。鈴木誠也のスイングは複数のバリエーションがある。
鈴木誠也は、レッグアップの高さは骨盤より下で、始動遅めで、トップは固めず右肘でヘッドの外側にスクラッチする打ち方を試しているのだろう。
一方、堂林は、ストライドが広がって初回の打席(28球目、インコースベルトの高さのフォーシーム150キロを打って中飛)では引手主導で振っています。また、6回表、インコースベルトの高さのフォーシーム143キロを打って遊併打
ストライドが広いのでヘッドアップすると内野ゴロになります。
堂林には、一旦、ストライドが広がりかかったら修正する引き出しがないんです。
坂倉も、初回に、右に三塁打(球種は、9球目、真ん中のフォーシーム152キロ)を打っているのですが、ストライドが広いのでヘッドが遠回りする。すなわちヘッドの稼働域が狭いんです。頭がボールの軌道を逆に向いてインパクトの瞬間、ボールを引っ掛けたのがバットの先なんですね。3回表、右前に打った単打(球種は、アウトロー=左打者のインローのカットボール)は、ヘッドアップしています。坂倉は、堂林ほどではないですが、ピレラ、長野に比べるとストライドが広い。
石原貴規は、9回表、3球目、真ん中低目のスライダーを打って左翼線に二塁打
左足首の底屈のときまで右肘がヘッドの外側に張り出し押手主導でしっかりと打てています。
宇草は、この試合も、何れも、最初のステイバックのときに前肩が内に入ります。特に、9回表の打席では、インロー(左打者のアウトロー)のフォーク105キロに対し、一回目のステイバックで背中まで投手に向け、引手主導のスイングでヘッドがボールの内側に入り、合わせただけのバッティング
次に、巨人の選手の方に目を向けよう。
モタは、何れの打席もヘッドを寝かせて構えるが、振り下ろす直前にヘッドを立てる。左足の着地位置の探りの過程では右肘がヘッドの外側に張り出すが、右足の拇指球を支点に骨盤が回り始める。左膝で地面を蹴る間が作れず左膝が屈曲する。モタは、完成度から言えばピレラに及ばない。
中島は、打法を変えたという割には相変わらず最初のステイバックのときに前肩が内に入ります。
炭谷も最初のステイバックのときに前肩が内に入ります。
パラーは、3回表、アウトコース(左打者のインコース)ベルトの高さのフォーシーム139キロを打って右飛。パラーは、振り下ろす直前にヘッドは立っているけれども、右足のつま先が地面に触れる前に左肘がヘッドの内側に入る。インパクトの瞬間、ヘッドに手首のラインを越えさせているが、打球が右翼塀の手前で失速する。
広島投手陣のピッチング
九里は、右肘の推進前に拇指球に体重が移って左肩が開く。リリースの瞬間、右腕上腕部が凹む。ツーシーム、チェンジアップのシンキングファスト系をすっぽ抜けていない。
九里は他の投手に比べワンバウンドの投球が非常に少ない投手ですが、55球投げてワンバウンドの投球が6球と多かった。
塹江は、左肘の推進前に右足のスパイクの外側に体重が移って両股関節をぶつけられず、アウトローに投球が外れて四球
次打者以降も両股関節をぶつけると右膝が右のつま先の前に出される投球があったが、
それ以外は、右足のスパイクの内側から着地し、ストライドも狭く立投げで投げられている。右膝で地面を蹴って右膝を突っ張らせ、前足を軸につま先をスクエアに開いて左足をターン。
塹江に感じては、鷹揚に構えて観ていられた。
アドゥワは、左肩の開きが押手の肘の推進前にしており、リリースの瞬間に右肘がストンと落ちる。
アドゥワは、骨盤を前傾させて「く」の字を作ったときに、右足踵に体重がかかっている。両足の内転筋の内旋を解いて右腕前腕部を回内し右腕を骨盤の横に引く。右肩は左肩よりも下げている。体重は右足の小指球にかけている。
しかし、この過程で引手は親指が上になっている。すなわち、前肩が内に入っているので、右肘の推進より先に前肩を開いてやらないと右肘が出ていかない。
更に、左肩を下げて右肩関節の外転させたときに右足の拇指球に体重が移り右足踵が地面を離れる。右足の股関節で二塁ベース方向に地面蹴れていないのでCアーチが崩れている。
矢崎は、骨盤の回転方向と腕の振りの方向が一致しない。頭が右腕の円運動と逆を向いている。
それと、矢崎は、左膝で地面を蹴ってリリース(右腕前腕部の回内)するときに、後ろ足に体重が残る。リリースより先に後ろ足を軸に骨盤を回さざるを得ない。故に両股関節をぶつけて瞬発力を産み出すことができない。フォロースルー期に左膝が左足のつま先の前に出される。右足のターンが遠回りする。
ピッチングでは、リリースの瞬間、左膝で地面を蹴って後ろの股関節を外旋するだけである。リリースの瞬間は、重心は後ろ足に残したらダメだ。
リリースの瞬間の軸足は、前足である。
矢崎は、3アウトを取るまで35球を要した。
岡田は、左肩の開きが押手の肘の推進に先行する手投げで、右腕上腕部が凹む。フォークを2球ワンバウンドさせる。岡田も3アウトを取るまで35球を要した。
矢崎、岡田は、共に前回登板での課題を修正できていない。
投手は、フィジカル面を損耗して四球は出すので、四球を出すことを責められないが、股関節の使い方を中心に投球動作の見直しが必要だ。
佐々岡も、投手出身なのでフィジカル面に問題があって四球を出していることを熟知しているので、野村謙二郎や緒方のように、四球を出した結果については器の狭い態度を採らないだろうが、故障しないかどうか投手の体の使い方には前2者よりも憂慮しているだろう。
試合結果
[追記]
中村恭平は、2020年2月22日のヤクルトとのオープン戦途中降板
公式発表は、右腹直筋
腹直筋は、腹部の背骨の両側にあるアウターマッスル
事実上は、インナーマッスルの腹横筋でしょう。
中村恭平は、同試合中、リリースからフォロースルー期にかけ、両股関節をぶつけることができず、右膝の壁が崩れました。その際に、腹横筋を損傷しました。
腹横筋は、骨盤の前傾、前足首の背屈、後ろの股関節の外旋のときに使います。投球腕がドアスイングすることを抑止します。