巨人の顔になれるか。丸佳浩の巨人移籍一年目#8

Last Updated on 2022年8月9日 by wpmaster

2018年オフ丸佳浩は、FA権を行使し、巨人と契約
私は、仮に遅れて産まれてきてもっと真面目に練習し、実戦の中でトライアンドエラーを新しい野球を学びながら実践しプロ野球の投手になれたとして、現在のNPBで最も対戦したい打者は鈴木誠也である。

かつて江川卓は、「セリーグであれば巨人の選手と対戦できるからいいかなと思ったが、関西の球団だと当時付き合っていた彼女と会えなくなるから阪神に行きたくなかった」と述べた。
「彼女に会えなくなるから」は、経済面のしがらみで巨人に入団したことについての方便であるが、「巨人の選手と対戦できるから」と言うのは本音であろう。
遠藤淳志も同旨のことを言っている。

広島ファン目線で言うと、カープにいた選手が他球団に入り、かつての同僚に牙をむく姿を見るのはこの上なく面白い。

オールスターで同一チームの選手が東西に分かれると体の使い方に誤差が生じれば死球になるインハイは、労働力の再生産という面からは投げるのが難しい。
丸よ、よくぞ巨人に行ってくれたというのは本音である。
2019シーズンが巨人移籍一年目となった。丸は、巨人のリーグ優勝に貢献したが、引退した阿部、現役の坂本勇人にとって代わり巨人の顔となれるかは、移籍二年目の内容が重要となってくる。

広島の投手にとっては、2019シーズンが丸と対戦した初めてのシーズンである。

それでは、巨人へ入団一年目となった丸佳浩の2019シーズンを振り返ってみよう。右投げ左打ち、巨人でも、丸は中堅手を務める。

巨人へ移籍一年目の丸の打撃

丸と言えばヒッチ打法。
張本が言う全ての指でグリップをしっかりと握れというのは、予備動作が難しくなること、インパクトの直前に押手の親指でグリップを押し込めないという面から妥当ではない。

しかし、張本が言うストライドが広がる選手にロクな選手はいない」と言うのは間違っておらず、丸のヒッチ打法についても否定していない。

2019シーズン後の秋季キャンプ以降の野間は、構えたときにはヘッドを寝かすが、ヒッチを採り入れ前肩が内に入らなくなった。引手の肘が突っ張らなくなった。前肩を押し手の肘よりも先に開かないので後ろの股関節が外旋でき、ヘッドステイバックできる。振り下ろし直前にヘッドが立つ。

今村は、三塁側に目線を切ってから左足を踏み出すと言うが、投手が三塁側に頭を向けることは、 股関節を外旋しないとできない。故にストライドを狭めることができる。

丸は広島時代から四球で歩くときもストライドが広がってフルスイングができない見逃し三振と紙一重のときが多く、ヘッドが微動だにせずに四球で歩くというのはほとんどないというところは広島にいた頃と変わっていない。

丸は、左足が踵体重になることが巨人に入ってからもみられる。踵体重という動作は、間違ってはいないが、捕手側にヘッドステイバックするのではなく、丸の踵体重は、左足のスパイクの内側で地面を噛ませ、一塁側に左足が滑る。
骨盤が後傾するので、骨盤を前傾させる間がなくスイングするので、アウトローやアウトハイにヘッドが届かない。

また、左打者の一塁側に左足が滑る踵体重は、拇指球に体重を戻さないと骨盤を前傾できないから骨盤が後ろ足を軸に横回転する。また後ろの股関節を外旋する間がないのでインステップする。これもピッチングと同じである。

丸が右膝で地面を蹴って頭を三塁側バックネット方向に向けるのも、後ろの股関節を外旋し、ストライドを狭められる。前の股関節が引っ込むから、後ろの股関節の内旋より先に押手の肘が推進するからである。
これは野球の基本で、広島にいた頃から採り入れていたことである。

インローは、押し手主導のインサイドアウトスイングで振れば芯がボールの軌道とぶつかるので右打者にとっては、スウィートスポットだが、投げるときと押手が逆になり、下肢の動きが投げるときと逆になる右投げ左打ちの選手は、ストライドが広がり引手主導のレベルスイングで振るのでインローは打つのが難しい。
丸は、広島にいた頃に比べ、インローの打率が顕著に上がったことは、後ろの股関節の使い方と関係している。

後ろの股関節が外旋できるようになったので、丸は2017年までは逆方向の打球を打っているときインパクトの瞬間左膝が伸びたり外に外れたりしてたが、2018、2019は左膝が伸びたり外に外れたりしなくなっています。屋外の球場でも2017年までと打球が違う。投手がボールを置くと逆方向にも本塁打が打てるようになった。

各種データ

コース別成績

右投手

左投手

球種別成績

打球方向

通算成績

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NPB

まとめ

丸は、広島で作り上げた打撃を土台に、巨人に移ってからも自らの打撃を更新させた。

巨人入団一年目の丸と広島投手陣との対戦成績は、初顔合わせの開幕戦こそ大瀬良に4三振したが、対広島戦打率.290と丸の勝ちだろう。
8月29日の試合では、満塁本塁打を打たれ、トドメを差されている。
クリスジョンスンに対しては、打率.111だが1本塁打、フランスアからも本塁打を打ち、先発、抑えのエースからそれぞれ本塁打を打っている。
丸は、打撃を立て直す引き出しを産み出しストックしているので、立て直すまでのスパンが短くすることが可能である。

丸は、右膝を上げて左足の踵に体重を移すので、始動を遅らせ後ろの股関節を外旋する間を作らせず、ストライドをいかに広げさせるかが鍵となる。広島の投手としては、前膝を骨盤より高く上げてステイバックするのではなく、投球肩を前肩よりも下げることでスパイクの外側に体重をかけることが重要になる。ヒッチの役割をするのだ。投手は、更に前膝で地面を蹴って後ろの股関節を外旋し、後ろの股関節の内旋より先に投球肘を前に出す。前足の着地から投球肘が出てくるまでの間を短くするのだ。

石井琢朗の小学生の頃の目標は、「巨人にドラフト1位」で入ること。
今季は、丸は、3年ぶりに石井琢朗とタッグを組む。カープファンは、大資本メディアに洗脳されて低脳だか、「石井琢朗の教えを守れ」とか「感謝の気持ちしかない」と言い、勝分に甘いことを言うのだろうが、石井、東出の頃の打撃をかなぐり捨てないと今季も打てないだろう。
一方、投手サイドからいえば、巨人は昨季より与しやすしと言うことになるだろう。

対戦成績