手投げのピッチングの原因と修正法

Last Updated on 2019年12月16日 by wpmaster

「手投げになるな」、「下半身を使って投げろ」と投手も野手も言われることがあります。

しかし、手投げについて具体的に説明がされず、曖昧なままでは、どこをどうすればよいのかわからなくなります。

実況アナやOBの解説者が日本の投手は下半身を使って投げるが、外国人投手は上体に頼って投げていると言いますが、彼等の言っていることは事実なのでしょうか。

手投げとは、どのような投げ方を言うのか

手投げと言うのは、前肩関節を投球肘の推進よりも先に、後ろの股関節を内旋し、後ろ足を軸に骨盤を回し、前の肩甲骨に格納したり前肩を開いていることにより、投球肘より先に投球腕の肩関節、投球腕の手首が先に出てしまうことを言います。
骨盤が回った後で、腕だけで投げていることから手投げと言っているのです。
手打ちのメカニズムも手投げのメカニズムと同じです。
当ブログの試合評で「手投げ」と書いているのは、この投げ方のことを言っています。

手投げには、投球腕を外旋する間がなく投球腕の前腕部が回外して投球肘より先に投球腕が先に出て前腕部のLay backの間がなく前腕部を回内する女の子投げと、投球肘の推進より先に後ろの股関節の内旋、骨盤が水平回転し、体軸が骨盤の回転方向とは逆に傾き、投球腕の肩関節が水平回転する腰投げとがあります。

回内とは、手の平を上に向けること(親指が下)で、回外とは、手の平を下に向けることです。

シングルプレーンとダブルプレーン

ピッチングにおいては、上半身は、投球肘、投球腕の肩関節。投球腕の手首の順に推進させます。

投球腕の前腕部を回内したときにボールをリリースしますが、リリースと同期して両股関節をぶつけて、リリースと同期して骨盤の回転を開始します。

すなわちリリースの瞬間は、バックネット裏から見ると投球腕は、時計回りに回転していますが、骨盤は回っていません。

リリースからフォロースルー期に切り替わった瞬間に骨盤が回転していきます。
これが実現した場合は、投球腕も骨盤も共に半時計回りに縦回転します。これを2つの円盤が一体化して同一方向に回転いていると看做してシングルプレーンと言います。

投球肘よりも先に後ろの股関節を内旋して後ろ足を軸に骨盤を回すと、投球腕の上腕部の外旋をする間がありませんから、投球腕の肩関節、投球腕の手首が投球肘より先に出てしまいます。投球腕の手首が寝て投球腕の前腕部から手首が遠回りします。投球肘が伸びてドアスイングになります。

投球腕の前腕部を回内したときには、投球腕は時計回り、骨盤は反時計回りに水平回転をしてしまっています。
投球腕の前腕部が回内から回外に切り替える瞬間、すなわち、リリースからフォロースルーに切り替わる瞬間には、投球腕が反時計回りに斜め、骨盤が反時計回りに水平に回転してます。
2つの円盤が一体化せずに、別の方向に回転していることからこれらの動きをダブルプレーンと言います。

骨盤の回転半径が大きくなり、投球腕の前腕部、手首が遠回りすると投球腕の前腕部、手首の稼働域が狭くなりますので、後ろの股関節の外旋→内旋、押し手の肘のスクラッチで産み出した瞬発力をボールに伝えて回転数の多いボールが投げられません。

また、側副靭帯、棘上筋、棘下筋を始めとするローテカフを損傷してしまいます。

手投げか否かのチェックポイント

手投げになっていないかのチェックポイントは、前膝を上げて投球腕の前腕部を回内し投球腕の手首を下に引っ張ったとき、前肩が内に入って背中の前の方を打者に向けていないか、投球腕の前腕部を背中の方に引いていないかがあります。

また、投球腕の肩関節の外旋のプロセスで投球肘が伸びているアーム式の投げ方であると、投球腕の前腕部を背中の方に引いた場合と同じく、両肩関節が水平外転してしまいます。

外転とは、肩関節を背骨から遠ざける動きのことです。

下半身については、引手の肘と前膝が並進するときに前膝で地面を蹴って後ろの股関節を外旋しているかです。

更に、投球肘を畳めているかがチェック項目になります。

前膝と引手の肘を並進したときに、後ろの股関節を内旋するとストライドが広がります。
ストライドが広がると前足を着地したときに前膝が折れ曲がり、リリースの瞬間に瞬発力が下半身に吸収されてしまいます。
前膝が折れ曲がると前足関節が底屈し、前の股関節が引っ込まないので、投球肘が前の股関節の前に出ていきません。
投球腕の前腕部の回内にときに、前膝がロックされて前足の踵を支点に前足を軸に骨盤を回すことができません。
何度も言いますが、下半身を使えていないのは日本式の投げ方の方です。

手投げの修正の手段として、肉体の稼働の源となる筋肉、足裏の筋肉、前脛骨筋、大腰筋、ハムストリングス、内転筋、腸腰筋の強化トレーニングが必要となる。

投球動作としては、ステイバックのときに、引手の前腕部を回内しても前肩側の背中を打者に向けないこと、前足のつま先が地面に触れた後に前膝で地面を蹴ることである。