Last Updated on 2022年4月9日 by wpmaster
過去2年間のリリーフスタッフの労働量の増加によるフィジカル、パフォーマンスの劣化により、阪神が新たに契約したのがピアースジョンスン。
阪神の現場は、リリーフでの起用を明言。
果たして、ピアースジョンスンは日本で成功することができるでしょうか。
早速、投球動作を見ていきましょう。
以下の画は、93マイル(148キロ)のファストボールを投げたときのもの(結果は、アウトハイに外れて四球)
球種としては他に89マイル(142キロ)のカットボール、80~81マイル(128~130キロ)のパワーカーブ)があります。
動作解析
1
右足踵に重心をかけ右股関節を外旋して左膝をレッグアップします。
2
レッグダウンのときも右関節を外旋しています。
3
テイクバックのとき、右肩を左肩よりも下げます。
右腕前腕部を回内し、テイクバックのときに右腕を背中の方に引きません。
どちらかというとテイクバックは横には小さいほうです。
左膝をルーズに逆「く」の字にしてスパイクの外側に重心をかけてステイバックしています。
この部分は、矢崎に似ています。
4
テイクバックから右肩関節の外転に入るところはアーム式の投げ方をしています。
アーム式は、右肘がロックされるので、右肘が上がっていきません。
5
右腕上腕部を外旋してトップを作る前に右膝が内に入るのでCアーチが崩れています。
左膝を「く」の字にして左足の着地位置の探りのとき一旦静止する。
この部分は、一岡に似ています。
スパイクの外側でエッジをかけてステイバックします。
一岡と異なるところは、一岡は、フットファーストではなく、コックした右肘を一塁側に引いて両肩甲骨をぶつけているのに対してピアースジョンスンは一塁側に右肘を引きません。
肩甲骨の稼働域が広くないので瞬発力が産み出せません。
それと、一岡は、左足の着地位置の探りの直前に静止しますが、ピアーズジョンソンは探りを開始してから探りの途中で静止しますので左膝と左肘が並進しません。
6
右腕上腕部の外旋をし切らない内に(トップを作り切らない内に)、右腕前腕部が回内します。
左膝、左足がインステップしていますが、左肩が開いています。
一旦、ここで体軸が僅かに三塁側に傾いています。
7
右腕上腕部の最大外旋位が大きいのでフォロースルーのときに右腕前腕部がしなる基礎となります。
しかし、打者に両胸を正対してしまっているので、このような投手は日米問わず成功しません。
ファストボールを投げるときに限り、左足を着地する屋否や左股関節を外旋して左膝を開いてるので、左足の着地から右肘が出るまでの間は短い。
8
体軸の一塁側への傾き、右肘の高さ、コッキングの角度を総合するとオーバーハンドの範疇に入りますが、右腕と垂直に交わっていないので、体軸の一塁側への傾きも大きくはなく、右肘も上がっていっていないので、スリークォーターに近い。
回転数の多いボールが投げにくくなります。
ややダブルプレーン(右腕前腕部の回内と骨盤の左回転がシンクロ)になっています。
0ポジションは右肩より右肘が前に出て行かなければなりません。
ピアースジョンスンは、右肘が出てくるまでの間は短いですが、左肩の開きが早く、右股関節の内旋も早くから内旋していたので、右肘が骨盤の左回転、右肩よりも遅れています。
右腕上腕部の付け根も凹んでいます。
リリースの瞬間に左足は突っ張れているので、ここは瞬発力がボールに伝わる動作です。
しかし、若干、右足にも重心が残っています(右足を蹴らないと重心を残すは別物)
9
左足のスパイクの外側の踵に重心を置いて左足をツイストします。
リリースのときに右足に重心が残っていたので、左足の位置がズレたわけではないです。
右腕上腕部を回外したときに右足で地面を蹴ります。
10
上体の一塁側へのタンブルは、特別大きくありません。
11
右足と左足をクロスさせて右足のターンを完結させます。
総合評価
軸足である左足を固定して投げるので、今季から黒土を混ぜ、硬くなった甲子園のマウンドには対応できるでしょう。
フットファーストなのでステップ幅の調整が上手くなく、傾斜の急なマウンドに対応できるか。
また、右股関節のタメが作りにくい、傾斜の緩い神宮のマウンドに対応できるか。
左足の着地から右肘が出るまでが、ファストボールろ変化球では異なり、ファストボールの場合も、テイクバックをコンパクトにしているにもかかわらず、やや腰投げで右肘が上がっていかず、体軸の一塁側への傾きも大きくないので、ポイントを体の近くまで置いても打者はトップハンドの肘を出すや否や捕手寄りの足の股関節を内旋して後ろ足の膝を内にいれ、前足に軸足を移して回転半径を小さくすれば、対応できてしまう。
ドリスに代わってクローザーを担ったり、セットアッパーを務めるのは難しいように思います。