Last Updated on 2023年3月13日 by wpmaster
ガルシアが昨オフに阪神と契約してから、中日が新たに契約したのが、Enny Romero。
中日の新外国人投手エンニーロメロはガルシア以上の成績を残すことができえうだろうか。
早速、投球動作を分析してみましょう。
2016年、現役最後のシーズンとなったアレックスロドリゲスを98マイル(156キロ)のファストボールで三振に取った場面
ロメロは、クイックで投げるのときも左股関節を外旋してから右足を踏み出します。
テイクバックのときに、左肩を下げ、縦回転を作ります。
左腕は背中の方に引かないのでテイクバックの横の大きさは標準です。
左腕前腕部は回内せず、回外しています。
左足はスパイクの外側に重心をかけ、ステイバックしています。
右足の甲を本塁方向に向けています。
左肩関節の外転(左肘をつまみ上げる)のとき、左膝が内に入ってしまっています。
左足の踵が地面から離れ左膝が内に入っているのでCアーチが崩れています(左股関節のタメがない)。
右膝をルーズに曲げていますが、右膝と右肘が並進しません(右膝が遅れている)。
トップを作る過程(左腕前腕部を外旋する前)に右足は、スパイクの内側から着地し、他の左投手と同様にインステップします。
左腕前腕部は回内しています。
左腕上腕部を外旋してトップを作ったときに両肩甲骨をぶつけています。
最大外旋位のとき
右足の着地から左肘が出てくるまでに間があります。
すなわち、打者に胸を正対させているスパンが長い方であるということです。
リリースに至る過程で右足が突っ張れています。
フォロースルー期(左腕前腕部の回外)において上体の三塁側へのタンブル(倒し)は、大きくありません。
右膝の壁も崩れていません。
左腕前腕部の回外と同期して右足で地面を蹴るのも他の速球投手と同じです。
右足を軸に骨盤を回転し左足をターンしていくとき、右足の拇指球で地面を蹴って右足を蹴ります。
瞬発力をボールに伝えると共に、下半身にかかった負荷を解いていきます。
164キロを記録したとき(2017年7月9日ナショナルズ在籍のとき)
打者は、トップが浅くボールを見逃す。
左腕上腕部を外旋しトップを作ったときに両肩甲骨をA.ロッドを三振に取ったときよりもぶつけています(肩甲骨の稼働域が広い)。
しかし、左腕前腕部が回外して左肘が沈んでいます。
左股関節の内旋は辛うじて抑えています。
左脇腹の筋肉の伸びが大きく、右足を軸にした回転半径が狭いので、A.ロッドを三振に取ったときよりも、タスキ掛けのラインの内旋が速いので、右足を着地するや否や左肘が出てきます。
最大外旋位が大きいので、フォロースルーで左腕がしなります(球持ちが長い)。
しかし、リリースの瞬間に右足が突っ張りきれていないので、瞬発力が下半身に吸収されます。
2018 10/20の登板
右膝をレッグアップし右足を踏み出す前に左の股関節を外旋します。
テイクバックのときに左肩を下げ、スライドステップして上体をステイバックします。
以前よりテイクバックが横に小さくなっています。
左肘が逆L字になりますが、コックはそれほどタイトではありません。
左肩関節の外転のとき、左膝が完全に内に入ってしまっています。
トップを作る過程(左腕上腕部を外旋する前)、左股関節の内旋は抑えていますが左膝が内に入っています。
左腕上腕部の外旋をし終わらない内に、トップが完成しない内に、左肘を推進させていき、骨盤の右回転と左肘が同期(シンクロ)して左肘が上がっていきません(腰投げに近くなっている)。
右足の着地から左肘が出てくるまでに間があります。
リリースの瞬間に左足が突っ張りません。
コッキングの角度、体軸の倒れ方、左肘の高さを総合してもスリークォーターに近くなっています。
体軸と右腕が垂直に交わっていません。
従前と同様、三塁側へのタンブルは大きくありません。
左足を一塁側に着地させてフォロースルーを途中で止めます。
総合評価
右膝と右肘が並進する投げ方ではないのでステップ幅の調整が上手くないので、ナゴヤドームを始め、傾斜の急な球場に対応できるかどうか。
左肩を故障してからは、150キロ台後半のファストボール(フォーシーム、カットボール)は投げられなくなっており、左股関節の内旋が早い腰投げに近い投げ方になっている。
回転半径の狭い、広いの差異があり、右足を着地してから左肘の出てくるまでの間にバラつきがあり、球持ちに長さもバラつきがある。
各球団のスコアラー、森繁和シニアディレクターの評価は高いようだが、私は、ガルシアほど成績を残さないと見ている。
追加更新情報
左腕上腕部棘下筋を故障し、左肩関節クリーニング手術を受ける(2020年3月10日)。
(2022)
対日本ハム8回戦