Last Updated on 2018年5月28日 by wpmaster
かつて私は、優勝争いをするチームには、僅差の試合で使える投手が一シーズン20人必要であると書いた。
フィジカル上は、外国人枠を撤廃して支配下登録選手枠を今より20人ぐらい増やして、移民を受け容れることが望ましいが(そうすれば低レベルの選手が入ってくることはない)、それは、立法論でしかない。
当方がここまで個別に記事を建てた20投手は、新人、練習生も含め、カープの一、二軍の全投手の投球動作を分析した結果、2018年に一軍で僅差の試合で戦力になってくれそうな20人である。
Jay Jacksonの契約更新が内定し(年俸は、1憶1,130万円)、これでひとまず、戦力補強が終了したところで、来季の投手陣を皮算用してみよう。
飽くまで、現段階での構想で、キャンプ、オープン戦の段階で、更に、シーズンに入ってからも、軌道修正はある。
Leonel Camposは、先日の記事でも書いたが、厳密には、インディアンスから金銭トレードで獲得し、カープは、1億円の移籍金をインディアンスに支払い、そこに4,000万円を上乗せしたものであるから、Camposの来季の総年俸は、1憶4,000万円プラス出来高。
広島東洋カープじゃ、CamposをJay Jacksonの保険ではなく、一軍の戦力として起用することを前提として契約をしている。
更に言えば、ブレイシア、ヘーゲンズの役割を前提とはしていない。
Contents
先発投手編
先発ローテーション
先発投手は、3本柱で36勝、先発投手延べ人数で52勝前後すれば、優勝争いには加われる。
今季は、Johnson、野村、大瀬良、岡田、九里の5人が登録抹消された。
1シーズントータル先発投手が10~11人必要だ。
①藪田和樹
Camposは、投球動作と投げている球そのものを見れば、先発でも抑えでもどちらでもいけると思う。
Johnsonが2015~2016年並みのパフォーマンスが戻り、Camposが実際に、先発ローテーションの一人として1シーズン全うできるのであれば、藪田は、後ろで起用したいところ。
かつては、前年、先発実績がある大野、佐々岡も翌年リリーフに回ったこともあるし、近年でも日本ハムで、前年先発で実績のあった増井が翌年抑えに戻っている。
しかし、Camposは、先発登板は、2014年に、マイナーで14試合先発して以来、事実上、直近3年間はしていない。
先発歴があるといっても、マイナーで先発調整をしたというだけだ。
キャンプ、オープンで徐々に球数を増やしていき、開幕までに先発投手として仕上げていくのは、無理とは言わないが、相当難しい。
Johnsonも半年経っても、2016年までのパフォーマンスをできていないところを見ると、来季も2015、2016年レベルの成績を出すのは難しいのではないか。
②野村祐輔
2年続けて規定投球回数に到達したカープで唯一の投手で、2年連続防御率2点台である。
来季の開幕投手は、この人だろう。
投球動作、投げている球から言って、Johnson、中村祐太同様、リリーフとしての起用は難しい。
③Kris Johnson
2015年~2016年レベルのパフォーマンスは、難しいが、脱力した投げ方でどこまで、ローテーションで回ることができるか。
④大瀬良大地
カープファンの中には、将来のエースとして明るい未来が待っていると夢抱いている方が多いが、実際の投球動作を見ると、右肩はもう戻らないだろう。
岡田明丈同様に終わった投手。
フィジカル上、少ない球数の方が活きる投手。
現状、先発の中で、今村、中﨑の役割を代わって務めることができるのは、藪田と大瀬良だけ。
リリーフでの実績は、大瀬良の方に一日の長がある。
しかし、試合中に投球動作を立て直して、球数を投げてイニングを食う技術は岡田より一日の長がある。
チームの状況からして、通年リリーフに回すというわけにはいかない。
⑤中村祐太
今シーズン5勝。投球動作からして先発投手。
⑥九里亜蓮
ロングリリーフとして期待するファンも多いが、投げるボールがタフでないので、僅差のリリーフとして中﨑、今村らの負担を軽くすることはできない。
ロングリリーフと敗戦処理の境界線は曖昧で、敗戦処理を登板させざるを試合は、年に20試合程度しかないことは、今井、佐藤祥万、飯田、高橋樹也の救援登板数を合算してみればわかるだろう(彼等は、ほとんど回跨ぎをしていない。彼等が同一試合で、複数人、リリーフとして登板したことがない)。
九里が半シーズンで救援登板が22試合。
ロングリリーフで40~60球投げれば、最低で中3日空ける必要がある。
敗戦処理の投手は、一軍投手枠の無駄使いである。
それだったら、一年間何度も打順一回りでKOされるような投手を先発させずに、1年間一定レベルの投手に先発ローテーションとして回ってもらった方がいい。
先発のときの防御率も大瀬良や岡田と大差ない。
先発サブ
次に挙げる5投手は、炎上すれば、追いつくことが100%無理に近い終盤で起用したくない投手
福井優也、加藤拓也、戸田隆矢、高橋樹也 中村恭平
高橋昂也は、今の投球動作がキープできていれば、二軍での成績に関係なく、5~7月に一度、先発でテストする。
8月に、中﨑、今村らに、パフォーマンスの低下が登板過多であると評価される場合には、8月からリリーフとして実績のある大瀬良をリリーフに回し、交代で10日休ませる。
テストの内容(結果ではない)次第で、高橋昂也を8月から先発ローテーションに入れる。
救援投手編
救援投手は、誰が7回、誰が8回、誰が9回を投げるというように起用を硬直化させる必要はない。
直近の球数、直近10間の球数、試合数、投球動作、投げている球そのもの、フィジカルを総合して毎試合決めればいい。
但し、一定の基準は設ける必要がある。
基本的に、回の頭から投げ、回跨ぎさせない。
20球以上投げさせない。
先発投手と同じ攻め方で、一部の例外を除き、奪三振に拘ることはない。
グラウンドボールピッチが望ましい。
よって、コーナーピッチングは、厳禁だ。
前述のように、敗戦処理が投げるような試合は、一シーズン20試合前後しかない。
一軍再登録できるまでの期間10日間、7試合を1スパンとして考えると、7試合中4試合ペースで登板しても、年間70~80試合は、勝ち継投の投手は、投げざるを得なくなる。
先発が6イニングで降板すると考えると、21イニングをワークシェアするとすると、救援投手は、コンスタントに6人必要になる。
実際に、今季も、中﨑、今村、Jackson、藪田(後半は、九里)の6人で回している。
4点差以上が付いて、ブレイシアやヘーゲンズが投げた試合でも、上記の中の複数人が登板している。
敗戦処理専門の投手を登録する余裕はない。
敗戦処理専門の投手を登録できるとすれば、先発投手の数が少なくて済む開幕3連戦、交流戦の期間、オールスター前ぐらいだ。
僅差の試合がカープよりも少ない下位の球団ですら、勝ち継投の投手が、敗戦処理をもしている。
カープも、前述の特別の期間を除き、基本的には、中継ぎローテーションの投手の何人かが敗戦処理をもする。
過去のリリーフ投手を見ると、今村にしろ、中﨑にしろ、Jacksonにしろ、このペースを超えるとパフォーマンスが低下している。
今季も、救援投手の内、中﨑、一岡、中田廉、3人が過去の登板過多による故障により登録抹消されている。
今村もリーグ優勝決定後に登録抹消されている。
救援投手は、1シーズン2回前後、どこかで、10日間休ませなければならない。
そうなると、1シーズントータルで、敗戦処理を除くリリーフ投手は、最低10人は必要となる。
救援ローテーション 6人
中﨑翔太、今村猛、Jackson、Campos、一岡竜司、中田廉
クローザーは、基本は、中﨑。
必勝リレーは、基本線は、Jackson-Campos-中﨑で、今村が、今季の中田、一岡がそのまま、中田が藪田、九里の役割。
しかし、柔軟な起用が望まれる。
救援サブ
岡田明丈、塹江敦哉、藤井皓也
岡田は、フィジカル上の理由で、1試合40球以上は、難しいだろう。
岡田の仕事は、ブレイシアやヘーゲンズ、一岡、中田がしていた仕事。
8月から、大瀬良大地
シーズン中の配置転換なく、乗り切れるほど、投手陣に余裕はない。
今季も九里、藪田の配置転換があった。
避けなければならないのは、急激に負荷が増す「抑え→先発の配置転換」だ。
3連覇するとなると、先発からリリーフへの転向を実行しても、ギリギリいっぱいだ。
オスカル、佐藤祥万、永川、飯田とかを使えばいいじゃないっかって?
辻空は、?
プロ野球の一軍は、そんなに甘くないって。
大差の試合で勝っている試合だって、僅差の試合になって、勝ち継投の投手の負担が重くなるだけだ。
143試合全勝する必要はないし、捨て試合を作ることは必要であると言っても、
打撃の進歩した試合であれば、試合中盤で6点差負けぐらいなら、勝敗がひっくり返ることは十分にあり得る。
捨て試合にするなら、試合中盤で7点差負けからだろう。
ビハインドで出す投手も、生半可な投手ではダメなのだ。
Bクラスでいいなら、彼等も、ペナントの85%以上を占める僅差の試合で使えばいいよ。
先発投手は、中6日だから、メジャーに比べ、大甘だ、ぬるま湯だ、完投させろ、6回よりも長いイニングを投げさせろというが、
お前がやってみろと言いたい。
先発投手は、中6日の間に2回ブルペンに入り40球前後投げる。
前日ノースローのところから、事実上は、急激に負荷をかけて当日ブルペン、試合のマウンドに入る。
打者の水準も上がっているから、下位打線であっても、手抜きには限度がある。
100球以上投げるのは、肉体上、相当ハードだ。
100球投げて食えるイニングは、6回前後。
それ以上、投げさせることは、無理な相談というものだ。
やはり、1試合最低3人は、救援投手が必要なのだ。
まとめ
カープが弱かった頃は、僅差の試合で投げさせられる投手は、先発、救援投手合わせて1シーズントータルで7~8人だっだ。
それに比べれば、確かに選手層は厚くなった。
ここまでの補強で、やりくり次第で、来季のリーグ優勝、3連覇できるだろう。
しかし、過年度の登板の蓄積で、中﨑、今村は、更にフィジカル上劣化するだろう。
欲を言えば、堂林をトレードに出して中継ぎ投手を一人獲って欲しいところだ。
2015年、2016年の連覇よりも、ずっと余裕のない戦いになるだろう。
参考:今季のチーム投手成績
チーム先発成績
野村 24試合 2,560球 155回1/3 48責 防 2.78 9勝5敗
大瀬良 24試合 2,466球 145回2/3 59 責 3.65 10勝2敗
岡田 24試合 2,366球 141回2/3 63責 4.00 12勝5敗
藪田 15試合 1,683球 102回 28責 2.47 12勝2敗
中村祐太 14試合 1,260球 72回2/3 29責 3.59 5勝3敗
Johnson 13試合 1,228球 76回1/3 34責 4.01 6勝3敗
九里 13試合 1,375球 76回 36責 4.26 5勝4敗
加藤 5試合 518球 28回1/3 12責 3.81 1勝3敗
福井 5試合 471球 27回2/3 22責 7.16 1勝3敗
床田 3試合 269球 17回1/3 10責 5.19 1勝1敗
戸田 1試合 94球 5回 7責 12.60 0勝0敗
高橋樹也 1試合 82球 4回 3責 6.75 0勝1敗
登板人数 12人
高橋樹也をテスト登板と看做せば11人
九里と藪田の登板数は、通年で役割固定が可能であるから、1人と看做す。
14,372球 852回 351自責 防 3.71 62勝32敗
1試合平均 100.50球 5.96回
先発防御率:リーグ③位
先発イニング数 : リーグ②位
先発球数:リーグ②位
チーム救援成績
今村 68試合 1,011球 64回1/3 17責 防 2.38 3勝5敗 23S 17H
Jackson 60試合 955球 62回 14責 2.03 2勝2敗 1S 30H
中﨑 59試合 880球 57回2/3 9責 1.40 4勝1敗 10S 25H
一岡 59試合 985球 58回1/3 12責 1.85 6勝2敗 1S 19H
中田 53試合 815球 46回2/3 14責 2.70 2勝4敗 13H
Brasier 26試合 493球 30回 10責 3.00 2勝1敗 1S 2H
藪田 23試合 463球 27回 9責 3.00 3勝1敗 3H
九里 22試合 607球 40回1/3 11責 2.45 4勝1敗 2H
Hagens 11試合 277球 15回 11責 6.60 0勝0敗 0H
高橋樹也 9試合 182球 10回 7責 6.30 0勝1敗 0H
飯田 8試合 156球 7回 8責 10.29 0勝0敗 1H
佐藤祥万 6試合 123球 6回2/3 3責 4.05 0勝0敗 0H
今井 4試合 100球 5回 3責 5.40 0勝0敗 0H
戸田 2試合 37球 2回1/3 2責 7.71 0勝0敗
藤井 2試合 23球 1回2/3 0責 0.00 0勝0敗 1H
加藤 2試合 25球 1回 2責 18.00 0勝0敗 1H
オスカル 2試合 36球 1回2/3 1責 5.40 0勝0敗 0H
中村祐太 1試合 40球 2回 2責 9.00 0勝1敗 0H
登板人数 18人(内 敗戦処理専門以外の救援投手 11人)
救援投手総試合数 415試合
7,208球 438回2/3 135自責 防 2.77 26勝19敗 36 S 114 H
救援防御率:リーグ②位
救援球数 :リーグ⑤位
1試合平均 3.07回
1人当たり1試合 17.3球 1.06回
九里と藪田の登板数は、通年で役割固定が可能であるから、1人と看做す。