一軍登録されるかわからないが、辻空は、一軍で通用するか。

19日は、石原が登録抹消

20日には、Johnson、今村、エルドレッド、天谷、上本を登録抹消。

坂倉、小窪、メヒア、土生が一軍の練習に合流。

Johnsonの代わりに昇格するのは、ブレイシアかヘーゲンズか。

外国人のリリーフ投手に要求されるのは、8回のセットアッパーであり、

Jacksonにしても、優勝を決めた試合の8回を、その前の試合で35球投げた今村に代わって投げるまでは、

セットアップに復帰することができなかった。

人事を委ねられたフロントは、オフには、Jackson,ヘーゲンズ、ブレイシアの3人を自由契約にして

新外国人3人と入れ替えるような気がする。

CS、日本シリーズでは、3人は、登板するとすれば、7点差以上の大量リードの場面で起用されるだろう。

ファームは調整の場なので、監督、コーチはファームの成績は重視しない。

土生(大卒6年目28歳一軍で通算1安打)は、攻走守の動きを見た上での来季契約するかどうかのテストだろう。

今村の枠は誰が昇格するか。

私は、塹江をリリーフとして育成して欲しいと提案してきたが、

佐々岡コーチは、優勝が決まった後のテスト枠に、辻空を推しているようだ。

辻空は、2012年育成ドラフト1位、2015年11月3日に支配下登録契約の右投げ右打ちの23歳。

俺は、基本的にファームの成績は重視しない。

表示上の球速もMax153キロで、コンスタントに150キロ前後を投げるようだが、

球速表示も重視しない。

メディアによる前評判やファームの成績、球速表示なんかよりも実際に投球動作を見てみることが大切だ。

以下、8月後半から9月に入ってからの数試合の投球を見て感じたことを書いてみたい。

辻は、テイクバックの大きさは1球毎に変えているが、後ろはどちらか言うと小さい。

三角筋を使って胸の張りを作り、腕がしなるので、バックスピンのかかった球が投げられる。

胸を前に出すのも早くない。

辻は、投球の7割くらいにおいて、フィニッシュで、右足を緩く蹴り上げて、一塁側に送っている。

最後まで腕を振り切り、前が大きい投げ方。

これは素晴らしいところ。

しかし、残り3割はどうかと言うと、右足を三塁側に着地させると、股関節から下が台形になり、右肩が開くのだ。

辻は、左足を骨盤より上に上げて投げているので、リリースする前に瞬発力を消耗させてしまっている。

辻は、1イニングに3球程度、トップを作ったときに、右肩が下がるときがある。

よって、ボールを引っ掛けてアウトローに外れることがある。

打者は、目線から遠いので、振ってくれないし、バックスピンのかかりも良くない。

又、トップを作ったときの肘の角度がスリークウォーターのときがある。

オーバースローで投げているときより、左肩が開くということだ。

辻空も、肩の故障歴があるのだろう。

辻は、スライドステップのときに、本塁方向にスライドして着地し、ストロークの短いときもあるが、

スライドステップ、それ以外の蹴り戻すステップのときに、つま先が三塁寄りに向いているので、

蹴り戻した後、左足で弧を描いていることがある。

体が開くということは、リリースポイントが打者の目線から遠くなるということであり、

シュート回転すれば、ボールが手元で失速する。

打者は、スイングしてみたところ、体感速度をあまり感じないということだ。

左肩、左膝の開きが、ファームの直近登板から一軍登録までの間に修正されていなければ、

一軍での登板は、厳しい経過、結果になるかもしれない。

まだ、一軍昇格が決まったわけではないが、一軍で投げさせてみることによって、課題が明確になるので、

投げさせてみることには反対ではない。

[追記]

高橋昴也は、リリース前に瞬発力により体重を負荷させない超脱力投法でリリースの瞬間ビュっとくる。

真っすぐに関しては、同じ超脱力投法の松井裕樹より上。

40年間見てきたが、プロ1年目の左投手でナンバーワンという評価は変わらない。

後ろが小さく前が大きい。

三角筋を使って胸の張りを作り、しなりもある。胸を前に出すのも早くない。

全投球に占めるフィニッシュで右足が真上に伸び、左足を三塁側に送る割合は、

日本にいる外国人投手の平均よりも高いのではないか。

スライドステップはストロークが短く、緩くノンストップなので、瞬発力を消耗しない。

右足を蹴り戻して本塁を結ぶ線上にステップし着地しているので右足で弧を描かない。

2年目の夏頃一軍で先発テスト、3年目4勝、4年目9~10勝、5年目には15~16勝つのではないか。

9月14日のファームでは、5回 83球 1安打 無失点だが、

只、現段階では、右膝、左股関節にタメがなく左打者のインハイに外れたり、トップを作ったときにボールを引っ掛けて四球を出す(4四球)。

3回に入るとフィニッシュで一塁側に重心が残る球の割合が多くなる(5回になると又増えるが)。

股関節から下が台形になり、左肩が開き、腕の振りが止まってしまっている。

肩の故障が癒えず、下半身ができておらず、超脱力投法を完成している最中で、未だ、一軍では通用しないだろう。

今季は、じっくり投げ方の基礎を固めて完成させていった方がいいので、一軍で投げさせない方がいいだろう。

[追記2]

高橋昴也は、下半身を強化して、40球前後の最初のきついところでも、同じ投げ方を維持して、乗り越えられれば、一軍でも通用するようになってくるでしょう。

末恐ろしい投手です。

4~5年目には、勝ち数、防御率共、今年の田口(巨人)を上回る数字を残しそうです。