Last Updated on 2022年3月9日 by wpmaster
2022春季キャンプも、紅白戦が始まった。投手は、自分のチームの打者の体に投球をぶつけて試合に出れなくしてしまうわけにはいかないから、公式戦に比べると投手有利から打者有利にシフトする。私は、ベテランのミスに関しては、更新する見込がないに等しいので、引退まで容赦なく由宇に幽閉するが、若手のミスには寛容である。しかし、若手に対しては技術面の細かいことは指摘する。私は、見込のない若手には、技術面の細かいところは言わない。オープン戦は、主力は労働力の再生産が最優先される。若手は、結果よりも過程が重要である。結果を出していても使い物にならないと評価される若手も存在するのである。
Contents
中村奨成の走塁
- 仙骨の左側をを押し出せていない。
- 左股関節が伸展する。
- 左足内転筋が内転する。
- 地面を後ろに蹴る。
- 左足の足元に土煙が上がる
- 左股関節が外旋する
- 右股関節をインエッジ(右足内転筋を内転)してスライディング直前に歩幅を調整する
- ベース付近で減速する
過去、牽制球に差されたのも、ここに掲示した項目と関係がある。これだけ、修正箇所を挙げると走塁の水準が問われているように受け取られるかもしれないが、中村奨成の走塁は、野間を含む他の選手よりも水準は高い。それだけに惜しいのである。ベースランニングのチェック項目として土煙の量、地面の掘れる量が挙げられる。土煙の量が全くなくなるまで、地面が深く掘れなくなるまで、水準を上げていく必要がある。
持丸泰輝の打撃
- 仙骨の左側をを押し出せていない。
- 左手親指基節骨でグリップを叩く前に右股関節が外旋する 左飛
韮澤雄也の打撃
- 右足を内旋+インステップ→右手親指基節骨の屈曲(トップポジションの過程に入る)の順番になった結果、ファウル。
- 仙骨の左側を押し出せていない 左手親指基節骨でグリップを叩く前に右股関節が外旋する 一ゴロ
大盛穂の打撃
- トップハンドとボトムハンドの間は空けなくなった。
- ボトムハンドとグリップエンドの間を空けている。
- 故に、トップハンドの小指の加速距離が短くなる。
- ヒッチ、ヘッドステイバックは、できている。
- 左手親指基節骨でグリップを叩く前に右股関節が外旋する。
羽月隆太郎の打撃
- トップポジションに入る前に親指基節骨でグリップを叩けているが、ボトムハンドとトップハンドに空間ができる。
- 左手人差し指の付け根とグリップの間は空けてはいるが、左手小指の付け根でグリップを叩いている。
- もう少し、左手人差し指の付け根とグリップの間を空けた方がいい
高橋昂也の投球
- トップポジションに入っていく過程で、仙骨の左股関節を押し出せていない。
- 故に、左手親指基節骨でボールを叩く前に、右股関節が外旋している。
小林樹斗の投球
-
- セットを解くときの親指の基節骨の加速距離は長くなった。
- トップポジションの過程では、左股関節の内旋はできている。
- 最大外旋位のときに、左股関節が外旋してしまうところが散見された。
- 仙骨の右側を押し出す動作に課題が残る
投手の一軍登録数を13人とした場合、小林樹斗は、控えの中継ぎ候補の中から最も優先してブルペンスタッフ入りさせる投手であろう。
森浦大輔のクイック
森浦は、走者無しの場面で、堂林に対し、クイックで投球した。昨季までは、セットを解く前に左手人差し指と中指の指先でボールを叩いて左足のスパイクの内側で地面を噛ませ、左肘をヒッチし、左手親指基節骨でボールを叩いて骨盤の横まで回内した左腕前腕部を持ってきていた。よって、クイックで投げるときは、セットを解いた後、背骨より右側がヒップファーストになっていた。最大外旋位後の左肘のアクセレーション(加速)期に右股関節が外旋していた。
今回の登板では、予め、左足のスパイクの内側で地面を噛ませてセットする。グラブの位置は、昨季も今季も頭の高さでセットする。左手中指基節骨でボールをスライドし、左肘をヒッチする。左肘を最初につまみ上げてトップポジションに入っていくインバートW。右股関節を内旋して右足首を底屈→背屈する。盗塁されにくく、且つボールを左手中指基節骨で引っ掛けられるようになったが、左肘側副靭帯の損傷が進む投げ方になった。よって、左手中指基節骨でボールを引っ掛け、セットを解くときに左手小指基節骨でボールを擦って左手の親指のしなりを大きくし、左手小指からつまみ上げる投げ方にする必要がある。
その他
ここからは総論である。内外野の中継プレーに関しては、外野の深いところで捕球した打球でない限りは、内野手によるカット無しでノーバウンドで一つでも先の塁に送球することを基本線にすることが必要であると考える。カットに入った選手のグラブに当たって送球が変わることもある。カットに入れば、ダイレクトに送球するよりも間が取られる。外野手にとってもカットに入った内野手にとっても、ショートスローは簡単ではないからである。但し、以前の述べたように、捕球とセットで行うショートスローの練習は、バックステップの練習及びロングスローの練習になるので欠かすことのできない練習である。
総括
仙骨の両側を押し出す動作というのは、野球の動きの中でも難易度が高い。鈴木誠也や吉田正尚クラスの打者でも10打席に1スイング程度しかできていない。拇指球で地面を蹴らずに仙骨を押し出せるようにすることは、末包、本塁打を打ったときの中村健人が前肩が背骨の方に入っていることが指摘できることに比べると一段階上の要修正点である。それだけ、持丸、韮澤の打撃、中村奨成の走塁の水準が進歩してきているということである。
森下でも仙骨の右側を押し出す動きは、100球投げて10球に満たない。九里、大瀬良、床田、黒原、矢崎に至っては、仙骨の右側(左投手は左側)を押し出せていることが皆無に等しい。特に、黒原、矢崎は、中指の基節骨でボールを引っ掛けられていない。広島の投手で仙骨を押し出す動きが最もできているのが、森浦、フランスア、塹江の30%前後、右投手では島内、大道の15%である。投球においても、投球肩寄りの仙骨を押し出す動作は、難易度の高い動作なのである。仙骨の使い方が要修正ということは、高橋昂也の投球動作の水準がそれだけ進歩しているということである。