Last Updated on 2019年3月7日 by wpmaster
2018年初のオープン戦。
楽天との対戦。
先発は、昨シーズン15勝、最高勝率の藪田。
各投手の内容、評価
藪田和樹のピッチング
藪田は、Max150キロ。
昨年よりも脱力して投げられている。
昨年、ほとんど投げなかったフォークを再び投げて三振を奪った。
フィニッシュで3塁側へ重心が残る球もあったが、2回の2アウトからのの初球、3回の中飛を始め、フィニッシュで一塁側へ右足をターンさせて投げていた。
しかし、重心移動のときに、骨盤が三塁側に滑ってゾーン内から外れた球が見受けられたので、そこは開幕までの修正点だろう。
藪田は、3回 34球 無安打 1四球 3奪三振 無失点
高橋昂也のピッチング
高橋昂也は、前の試合よりも脱力して投げられるようになった。
昨年よりも胸の張りが大きくなって、三塁側への回転軸の傾きも大きく、回転数の多い球を投げていた。
平均139~143キロ、Max145キロ
スライドステップが迅速になり、クィックでも右足を下して着地直前に静止しなくなったので、瞬発力が逃げなくなった。
フィニッシュで右膝を伸ばし、股関節の出を抑え、瞬発力の伝わった球を投げる。
フィニッシュで一塁側に重心が残る球もあったが、三塁側への左足のターンもできていた。
右打者の内田に打たれた本塁打は、腸腰筋の回転で産み出した瞬発力が最も伝わる、高めよりも頭から遠いインローで、ヘッドを遅らせて右足の重心が踵体重寄りで逆方向に打たれたもの。
坂倉は、外に構えたが、高橋昂也は、トップを作るのが遅れ、左肩が下がり、インローに外れた144キロ真っすぐを打たれた。
過去の左肩の故障によるものだろうから責められないけどな。
高橋昂也は、3回 59球 2安打 3奪三振 2失点(自責0)
本塁打を打たれた以外は、内容は悪くない。
長井良太のピッチング
この試合、入団当初から、筆者が素晴らしい素材として推してきた長井が、オープン戦とはいえ、一軍の試合に初登板。
Max149キロ。
これから挙げるのは、2個目の四球を与えた投球動作。
①
左膝は、骨盤の高さまで上げます。
右足は、拇指球に重心がかかっていますが、踵が浮いてしまっています。
ヒールアップによって右腕を縦に振ることができますが、
この動作を見る限りは、右肘が上がっていかないという懸念があります。瞬発力がボールに伝わり切れません。
腕を下し始めたとき、右肩を下げます。
②
左足を下していくとき、左膝を内に入れています。
③
ヒップファーストで重心移動していきます。
④
グラブを持つ手の肩の内旋もできており、左肩が開きません。
左足のくるぶしを本塁方向に向けています。
これは合格点です。
しかし、前の画もそうですが、テイクバックのときに、右肩の外の骨が、左肩よりも盛り上がってしまっています。
オーバースローの投手は、テイクバックで一旦、右肩を下げてその反動で右肩を上げていくのですが、右肩を上げるのが早い。
これは、3つの四球の何れにも共通しています。
したがって、上体がバタンと倒れて、ボールを叩きつけて外、外低め、インローに外れます。
⑤
左足は、スパイクの内側の歯を地面に向けて、左肘と左膝を並進運動していきます。
左膝を内に入れて本塁側に向けていく動作も迅速です。
エッジをかけた右足からボールを持つ手にかけて、Cアーチかけられています。
これらは、ボールを瞬発力を伝える投げ方です。
右肩を内旋したとき、右肘が逆L字に曲がっています。
右肘、左肘がそれぞれの肩とほぼ同じ(左肘は左肩よりも若干上)で、両肩がM字型になってしまっています。
ルーズショルダーになりやすい投げ方です。
少し、右膝がタイトに曲がっているところも上体が倒れる原因の一つでしょう。
⑥
右肘をつまみ上げ、大腿骨を骨盤に差して肩甲骨をぶつけていき、トップを作っていきます。
ボールを持つ手を頭に近付けています。
右足を蹴り画締めたときに、腸腰筋、右足の股関節は外旋を初めていません。
これは合格点です。
左膝も本塁側に向けており、右股関節、左膝にタメがあります。
しかし、前の画で、右肘が逆L字になっていたので、トップを作るのが遅れ、トップを作り切らずに、胸の張りを作り切らない内に次の動作に入ってしまいます。
トップを作るのが遅れると右肘を故障しやすくなります。
トップを作るのが遅れなかったときは、胸の張りが加藤拓也やカンポス並みに凄いのよ。
左足は、踵から着地するので、右肘が高く上がります。
コッキングの各度は、典型的なオーバースローです。
胸の張りを作って三角筋を使って右腕前腕部を後ろに引っ張ります。
回転軸が一塁側に傾き、右腕と垂直に交わるので、回転数の多い球が投げられます。
リブダウンして肩甲骨を押し下げていき、捕手のミットに背中を向けていきます。
右腕を内旋したときに、左足内転筋、太腿裏を伸ばしていきます。
タメの過程が短いということです。
これらも瞬発力をボールに伝える動作です。
フィニッシュで左膝を蹴り伸ばして壁を作り、右足を一塁側にターンさせます。
フォークやスライダーを投げたときにもターンができていた。
左膝が真っすぐに伸びるところも長井の長所です。
長井は、1/3 22球 1安打 3四球 4失点 自責4
投球動作の基礎は、概ね出来つつある。
本当に後少しのところまで来ているのよ。
40年間野球を観てきた俺はわかる。
君は、プロで大成する。
もう一度、ファームで、しっかり、投球動作を安定させてこい。
打線の状況
メヒアは、一本目の安打は、着地したときに、トップの角度がキープできており、バットを寝かせてインサイドアウトで最短距離でセンター前に打った。
本塁打は、トップを作ったときに先程よりもヘッドを立てて、左足で探りを入れたときに、左膝が投手方向に向いており、左足の踵に重心を移し、右足にも重心を残したことで本塁打になった。
メヒアは、この試合3打点
西川は、トップの角度をキープし、振り下ろしのときに左肩が下がらなかったことで(インパクトの瞬間は下がっている)、レフト前の安打となった。
堂林も体の近くで、バットを回し、左肘で上手く掃ってレフト前に安打
鈴木誠也は、微妙にオープンスタンスのスクエアスタンスから、シンクロ打法でヘッドを残してグリップ先行でライトへ犠飛。
らしくねえな。
それと、カープ打線を無失点に抑えた藤平。
本塁方向に左膝を向けるのが速いし、右腕も肘先行で頭の近くを回って、打撃のインサイドアウトと同じで大きく円を描くから、回転数の多い球が投げられる。
中々、いいね。
まとめ
試合は、長井の後に投げたオスカルも5失点(自責同じ)で、5-11と敗れ、対外試合初の敗戦。
サイドアームが使えないことは、再三述べてきたし、オスカルが打たれたのは予想どおり。
今後一軍登板はないまま、今季限りだろうな。
昨季の一軍メンバーは、無失点に抑えたので、負けたことはどうでもいいが、長井は、いい勉強になったよな。
長井が、魅力ある投手であることには変わりがないよ。
西川は、あの打球は(打者から見て)右に切れて行く当たりで、正面に入ったら、後ろに逸らすから、また、グラブの面を上に向けると、送球に入る間に手首を返すことになるので間に合わない。
よって、半身で追って、右足が左足よりも前で、シングルで獲るのは間違いではないが、始動が遅い。
グラブのトップの位置を作るのが遅いから、右足を軸に、ボールを見ている間が短いのである。
ライト松山、レフト西川(社会人時代外野の経験あり)じゃダメなのか?
そうすりゃ、安部と西川を共にスタメンで使えるし、誠也が出れない分の攻撃面のマイナスを抑えることができる。
次の試合は、テイクバックのときに右肩の位置を従来よりも下げる投げ方にトライしている大瀬良が投げるとのこと。
右肩の故障歴から、リリースのときに、右肩が凹むことがある投手なだけに、右肩の凹みを促進することにつながらないか懸案材料ではある。
肘の高さを上げる方法としては、テイクバックのときに右肩を下げる以外に、胸の張りを大きくする、踵で着地するという方法もある。
踵か拇指で着地するのは、マウンドの固さの問題もあるので、個人的には、胸の張りを大きくするというのがいいと思うのだが。