藪田の15勝目と坂倉のプロ初打席

Last Updated on 2017年12月13日 by wpmaster

23/09 25回戦 広島3-2巨人 マツダスタジアム

カープに限って言えば、消化試合なんじゃが、

見どころのある試合じゃったね。

巨人との今季最終戦(25回戦)、先発は藪田とマイコラス。

藪田のピッチング

藪田は、19,24,31,33,34,35(2回)、52,53(3回)、67,69(4回)、

106,108球目(7回)にトップを作ったときに右肩が下がり、

ボールを引っ掛ける。

17,25,32球目では、左膝にタメがなく、頭がラインから外れ、

高めに外れる。

トップを作るのが遅いので着地とリリースが一緒になっている。

今日も肩の状態は良くない。

この試合、フィニッシュで左膝を伸ばし右足を左足の前で通過させて一塁側に重心移動していた球は、

6(打者マギー),7(坂本),21,37(陽),48(坂本),73,77(陽),87(阿部)89(村田),94(重信),97,102球目(脇谷)。

交流戦で先発に転向してしばらくは、リリーフのときと同様に、

フィニッシュで一塁側に右足を送れていたが、その後、フィニッシュで三塁側に重心が残る球が増えてきたが、

ここ2試合は、わずかながら、フィニッシュで一塁側に右足を送れている球が増えてきた。

テイクバックのほとんどない前の大きい投げ方で、以前よりも三角筋を使って胸の張り、しなりを作れるようになり、

肩甲骨周辺の筋肉を使いつつ、背筋を消耗せず、球数も放れるようにはなった。

打者に胸を見せるのも早くない。

背筋をルーズに曲げることで、背筋を消耗せず、腸腰筋をキュっと動かせるようになるので

球数を行ってからも一塁側に右足を送れるようになった。

また、一塁側に右足を送り切れていなくても、フィニッシュで左膝を伸ばし

上体を一塁側に傾けて重心移動をできている球も増えた(着地の位置が一塁寄りで股間から下が直角三角形)。

3回、坂本には、フィニッシュで三塁側に重心が残ったところを内野安打とセンター前に打たれた。

阿部、亀井にもフィニッシュで三塁側に重心が残ったところをライト前に打たれた(52,93球目)。

村田にも、フィニッシュで三塁側に重心が残ったところをセンターフェンス直撃の二塁打を打たれた(90球目)

陽に、フィニッシュで三塁側に重心が残ったところを一、二塁間を抜ける安打を打たれる(105球目)。

マギーに、フィニッシュで三塁側に重心が残ったところを三遊間を破られる安打を打たれる(109球目)。

小林には、フィニッシュで右足を一塁側に送る途中でフェイドアウトしたところを本塁打された(69球目)。

フィニッシュで一塁側に右足を送れている球の割合が高い試合では、

相手チームは、無安打無得点を免れるのがやっとなのだが、

三塁側に重心が残った球の割合が多い試合は、イニング数と同じくらい安打を打たれている。

藪田は、7回 113球 8安打 3四球 4奪三振 2失点。

藪田は、三角筋を緩く後方に引くことで、背筋を直立することなく投げられば、

一塁側に右足を一塁側に送れる球が増えて、菅野を超え、メジャー級の真っすぐを投げられる投手になれる。

リリーフ投手は勝利数が0に近い方が優秀であると評価される。

藪田の先発勝利数は12。

先発した15試合の全てに勝ちか負けのいずれも付かなかったのは1試合のみ(12勝2敗)。

6回未満で降板した試合は無い。

102回 28自責 2.47

一方の菅野は、16勝5敗 防御率 1.64

24試合で、181回1/3を投げている。

仮に菅野と勝利数が同じになったとしても藪田の先発勝利数は13

先発投手として菅野と同等の評価を得られることはない。

藪田は、最初の二か月は、リリーフで23試合に登板。

オープン戦も全てリリーフでの登板。

先発調整はしていなかったものと推察される。

リリーフで一試合平均20.13球、30球以上投げたのが5試合。

リリーフは一般に、12~13球ブルペンで、ほぼ毎日投げる。

牛島氏は、リリーフをやっていたとき、ブルペンで何回も肩を作り直し、

ブルペンで最多で一試合150球投げたことがあるそうだが、

現在ではないだろう。

その後、中6日の間に2回ブルペンに入り、それぞれ30~40球投げて

先発に回るのが一般的。

それから、試合で100球前後投げて、中6日の間に2回ブルペンで30~40球を投げるという過程を繰り返す。

先発で100球前後投げてから中2~3日でブルペンで30~40球投げるのだ。

藪田は、シーズンを通してこの先発ローテーション投手のプロセスを反復させたことはない。

藪田は、5月23日に40球(3イニング)を投げた後、

60球(4イニング)、80球(5イニング)というプロセスを踏まずに

5月30日中6日で先発して93球を投げた。

先発2試合目は、116球(先発1試合平均112.2球、シーズン最多は124球)。

初先発の後から2回目、2回目の先発から3回目の先発までの間が肉体的に最もキツかったのではないか。

リリーフから先発に回ることによる調整法の変更により、肉体への負荷が増大したわけだから、

実際、投げ方を見ても肩は、相当損耗しているので、

今季は、これでお役御免で、ペナント最終戦を投げさせずに、休ませてポストシーズンに備えさせてあげたらどうか。

ファンの皆さん、これ以上、藪田に鞭をいれたらイケンよ。

藪田は、今季は、投では、MVPじゃろ。

来季は、自分が監督やコーチだったら、藪田は、先発調整をさせつつ、

本人の状態、チームの補強やチームの先発、リリーフの状況、特にJohnson、岡田のシーズン前の状態によって、

総合的に見て、シーズン当初から又は、途中で、リリーフ→先発は無しで、先発にするか、リリーフにするかを決めるかな。

先発からリリーフへの転向を提案するとパワプロじゃないんだからと批判されるが、

筆者は、実家が裕福でなかったので、子供のときにファミコンを買ってもらえず、現在もゲームはしない。

筆者は、リアルの世界で、リリーフはやったことがないが、調整法を色々変えてみたことはある。

リリーフ→先発への変更は、ハードだが、先発→リリーフへの転向は、1試合当たりの球数は減り、

休みの後に球数を増やして急激に肉体に負荷をかけることなく、投げる球数が平準化されるので肉体上、前者よりも適応しやすい。

坂倉のプロ初打席

この試合、高卒ルーキー坂倉将吾(右投げ左打ち)がプロ初打席。

相手は、左投手の池田。

坂倉は、ファームの試合での打席は何度か見たが、一軍の試合で見るのは初めて。

坂倉は、オープンスタンスで立つ。

坂倉は、プロ入り前から両肘を緩く曲げ、瞬発力による負荷を両肘にかけない。

これは簡単にできることではありません。

広陵の中村奨成は、両肘がロックされています。

初球のアウトハイのカットボールの見逃しは、後ろ足が緩く曲がり、カチっと止まり、

間が取れているが、わずかに踵体重かな。

2球目をインハイのストレート144キロをレフトフライ。

トップを作ったときに、ヘッドが立つが、トップは浅い。

足を上げたときにグリップが上がり、

足を下したときに、振り出していて始動が遅れている。

池田も三角筋を使ってしなりがあるものの、

重心が三塁側に残っていてスイングした後で体感速度を感じるような投げ方はしていないが、

インパクトの瞬間に右膝が伸びていってるが、完全には伸びずに若干曲がりがある。

オープンスタンスの打者は、一瞬インステップしても前足が開いたところからコンタクトしていくので、

逆方向の打球が増え、腰の回転を使って引っ張ることが難しいが、後ろの内臀筋と

未だ、阿部のように割れ(前膝が開き上体は開かないこと)はできていないが、

右膝を回せている。

後ろ足もルーズに曲がっており、頭が前に出されずに後ろ足に乗っている。

前膝が右つま先よりも前に出ています(泳いでいる)。

高卒1年目としては、鈴木誠也の1年目には及ばないものの、かなりハイレベルなところにはあるでしょう。

ファームでは、群を抜いた動きをしていたであろうことは、1打席見ただけでわかります。

只、右肘と肋骨の間に隙間が空いている。

一軍の投手に対し、インコースのベルトより上の球を

右肘で掃ったり、右肘を引いたりする技術は現段階ではない。

1年目の鈴木誠也は真っすぐに強く、変化球に脆かった。

どちらか言うと、坂倉は、ストレート系よりも、栗原のように変化球に強い打者ではないか。

トップを作ったときにヘッドが立つので、引っ張って右方向にも打球が飛び、

トップが浅いので右中間の打球がフェンス直撃がギリギリ入ると言ったところか。

打撃の系統としては、松山が近いかな。

総合的には遠く及ばないが、丸、筒香よりは、ひょっとしたら、松山や阿部よりも体の使い方が柔らかい。

同じ捕手としても、會澤よりも体の使い方が柔らかい。

しかし、オープンスタンスな分、岩本や鈴木誠也よりは固い。

坂倉は、真っすぐ系の球よりも変化球の方が強いのでレジェンドクラスの成績を残すのは難しいが、

広角に打てる中距離打者ではないか。

現段階での評価は前述のようになるが、これから先、実戦で試行錯誤していく中で、

どのように打撃のアプローチが変わっていくか(長距離打者になることも全くないわけではありません)

楽しみな選手です。

試合経過

試合は、3-2で広島の勝利

畠は、4球目、5球目にトップを作ったときに右肩が下がり、ボールを引っ掛け、

それぞれインロー、アウトローに外れる。

39,49,51,,55球目でもトップを作ったときに右肩が下がる。

7,8,46球目では、左膝にタメがなく、上体がバタンと倒れ、高めに外れる。

この試合も肩の状態は良くない。

丸は、インコースのベルトの高さの真っすぐ145キロを右肘で掃って本塁打。

足を下したときに、グリップの位置をヒッチして上げて

トップを作ったときもヘッドが立っていた。

4回、菊池が真ん中低めのフォークを壁を作って左手主導でレフト前。

丸がインハイのカットボール137キロを見送り四球

松山のところで二塁牽制球が逸れてそれそれ進塁。

松山がインローのカットボール141キロを壁を作ってライト前安打。

広島2-0巨人

トップは浅いが、トップを作ったときにヘッドが立っている。

バティスタがスクエアスタンスで立ち、トップを入れ直したが、ヘッドを残して

アウトハイ真っすぐをライトに犠牲フライ。

広島3-0巨人

敗れたとはいえ、畠も6回98球 3安打 5奪三振 2四球と十分に試合を作りました。

二番手Jacksonは、59試合目の登板。

11,13球目でトップを作ったときに右肩が下がった。

宇佐美にインコースベルトの高さのツーシームを右肘で掃われてレフト前を打たれるが、

1回16球 1安打 1奪三振 無失点

中﨑は、57試合目の登板

9,14,17,20球目でトップを作ったときに右肩が下がった。

18球目で左膝にタメがなくインハイに外れる。

フィニッシュで三塁側に重心が残る。

肩、腰の状態は良くない。

坂本は、16球目に踵体重になっていた。

中﨑は、1回20球 2四球 無失点。

坂本は、インコースベルトの高さの真っすぐ系141キロをボールを追いかけて併殺打でゲームセット

3-2で広島の勝利

勝利投手は、藪田で、15勝3敗

セーブは、中﨑で、4勝1敗 9S

敗戦投手は、畠で、6勝3敗

対戦成績は、広島の18勝7敗

[追記]

坂倉は、ファームの試合の守備の動画を見ましたが、逆シングルで捕球してから二塁送球までが速かったです。

1.8~1.9秒でしたので、炭谷、小林誠司と同等です。

投手のクイックは、始動から捕手が捕球するまでが1.2秒であれば、速いと評価されます。

後ろが小さい投手程クイックが速く、投手のフォロースルー(一塁側への右足の送り)の大きさとクイックの速さは関係ありません。

カープの一軍のリリーフは、スライドステップで投げる今村、中﨑、ブレイシアは、クイックが速く、

一岡は、1.2秒は切りますが、後ろが小さいので、左足を蹴り戻したり、左足が硬直して静止するところがなくなればもっと速くなります。

Jacksonは、スライドステップで投げますが、下半身のテイクバックが大きいので、クイックは、あまり速くはありません。

カープの一軍先発投手は、スライドステップでテイクバックが殆どない藪田はクイック速いが、野村、Johnson、九里、福井、大瀬良、岡田は、クイックが遅い(Johnson、岡田以外は、殆どスライドステップをしません。Johnsonは、手足が長く俊敏でないこと、岡田はテイクバックで右肩が下がります。)ので、盗塁阻止率は、そんなに凄い数値は残さないと思いますが、坂倉は、捕手で育てた方がいいでしょう。

一軍の投手の球をどんどん受けて捕球からスローイングのトップを作るまでの速さに磨きをかけた方がいいでしょう。