対巨人三連戦の続きと、始まったばかりですが、今後の戦い方。

第2戦、黒田が完封勝利。正直なところ、試合が始まる前までは、もう相手打線を騙すことはできない、坂本や長野あたりに引導を渡される一球を投げて打ち込まれるのではとよからぬことを考えていました。

確かに、渡米前の制球も球の力もありません。打者の一挙手一投足を観察して頭脳を使って投球術で抑え切った。それよりも、勤続疲労にもかかわらず、120球を投げた(首脳陣からみれば、投げさせてしまった)ことは評価しなければなりません。

とはいえ、今シーズン黒田の完投はこれが最初で最後というのが現実的な見方なので、リリーフの再編成から現実逃避するわけにはいきません。

第3戦は、福井が先発。今年は被本塁打が多い。高めで牛耳るのであれば、腕を振って低めに投げてホップさせなければなりません(釣り球のサインが出ていたのかは明らかではありませんが、釣り球は腕を振らないから打たれる)。四球で自滅しないだけの制球は身につきましたが、細かな制球をもう少し修正して欲しいです。それでも8回3失点と試合は作りました。

ところで、第三戦は、先制され、ビハインドで試合は進み、福井は同点のところでマウンドを降り、広島打線は追いついて同点にしましたが、一度もリードしていません。

5ー0でリードしていた中日戦は、勝たなければいけない試合ですが、対巨人三回戦は、勝つには越したことはありませんが(捨て試合とまではいきませんが)、前日連敗を止めたことと、前日の勝ちで対巨人同一カード三連敗がなくなり、先が長い今の時期、リリーフの中﨑、Jacksonをを回跨ぎさせて2イニング起用してまで勝ちにいく必要があったのでしょうか(143試合全試合勝てとは一言も言ったことはありません。捨て試合が必要なことも述べています。)。

本拠地で同点ですから、チーム内でいい投手から順に、中﨑、Jacksonと投げさすのは間違いではありませんが、9回中﨑、10回Jacksonと一イニングずつで、11回、12回は別の投手でもよかったのでは。

中﨑、Jacksonは、一度肩が冷えると球の力が戻りません。回跨ぎでは起用できません。Jacksonは、立岡に打たれて負けましたが、左打者の外にストレートしかないというのはヤバすぎです。

球速のアップや制球の改善は急にはできません。しかし、特別な肉体上の原因がない限り、ナックルのようなアブノーマルな球(これもプロは投げられると思う。)、カーブのような他の球と使い方が違う、簡単にはマスターできない球は投げられないことはあっても、プロという狭い関門を突破してきた投手がそれ以外の球種を投げられないということはありえません。現在のピッチングの組み立ての中にないだけで、プロ、アマどちらの時代も含めて過去には、普段投げている全ての球種が悪いときに普段投げない変化球を投げて凌いだことや、現在の投球の組み立ての中からは外していても、過去に使っていた時期があったりした変化球もあるわけです。

過去使っていた変化球を微修正したり、投げ方を思い出して投げるというのは、球速アップや制球の改善に比べ少ない労力ですぐに出来ます(極端な話、アドリブでも)。

シュートやスプリットは、アメリカの選手は故障につながるということで投げたがりませんが、正しい体の使い方をすれば、酷使しない限り故障はしません。

マイナーリーグといってもスライダーとストレートだけでは抑えられないはず。広島の捕手は、Jacksonに、試合の中で、左打者の外に、シュートorシンカー(≠サイドスローやアンダースローのシンカー)を要求をして、実際に投げさせて、夏までに一軍で使えるレベルにまでしましょう(サファテだって、日本に来てから、スプリットを試合で使えるレベルにまでしました。前田健太も昨季終盤スプリットで打たせて取る場面が見られました。)。

今回の牽制アウトも相手が舐めた動きをしてくれたからできたので、盗塁されてランナーを還されてなければいいですから、セットやクイックを極力封印して初球からストレートでカウントを取りにいくことは避けバッター勝負でいかなければなりません。

岡田がリリーフに回ることが決定したら、今村と中田は二軍に落として先発に転向させましょう。今村は縦、横を使った投球、打者の動きを観察して投げる投球術があるので先発の方が向いています。先発ならストレートは138~144程度でも構いません。成功する確率は中田より高いかもしれません。中田は、ナックル以外は何でも投げられるので、キレのないストレートは1試合2~3球前後に留めて追い込んでから一球外すなどの無駄球、カウント球、釣り球を投げずに、黒田のように終始変化球で全球打たせて取る投球をさせればいいと思います。

打線の方では、野間の二軍落ちが決定しました。代わりに鈴木誠也が二軍から昇格するとのこと。復帰後、ファーム、三軍で、練習試合を含めて7試合打席を積みました。野球の動きができればいいですが、やや、前倒しですが、昨年のシアーホルツのように2試合で昇格ということではないので調整不足ということはないとは思いますが。

巷では、ルーズベルトゲームだか何だか知りませんが、打たれたら打ち返す8-7で勝つ野球なんかして欲しくありません。防御率が7点台のチーム(過去5点台後半はありましたが、プロのチームでいくらなんでもそれはないでしょうが)なんてぶっちぎりの最下位です。素人みたいな打撃戦なんて見ていても楽しくありません。変わり者と思われるかもしれませんが投手戦が見たいのです。

優れたリリーフ投手からは連打で点が取れません。大学や社会人の並の外野手であれば何でもない打球をファインプレーにしてしまうエルドレッドの守備、15~25打席に1本という確率の本塁打、年に1度あるかないかのサヨナラ本塁打に賭けて、ここまでシーズン100個以下のペースをキープしているとはいえ、三振の多いエルドレッドを置き続けるよりは、二塁からシングルヒットで還れる野間を6回、7回から守備固めでそのまま打たせた監督の采配は、今のところ、結果は出ていませんが、間違ってはないと思います。

二軍落ちするのは野間ではなく、打撃では、野間と共に、全くいいところがない下水流(野間は中途半端、下水流は、打席で考えずに振りにいきすぎ)が二軍降格かと思っていましたが、火曜日以降、守備固めをどうするのでしょう。

天谷はファインプレーもあるが、守備のミスが多い。鈴木誠也も、強肩で投手を救うこともあるが、打球の追い方などは発展途上で、守備固めで起用できるような堅実さは未だない。先発で出て、何度かあるであろう守備上のミスを、打って取り返さなければならない選手。

下水流は、フロントが自由契約にしようとしたところ、緒方監督がもう一年待って欲しいと頼み込んだ手前意固地になって一軍に置き続けなければいいのですが、人の考えていることは姿形がありませんので、この辺でやめときます。私情を排してプロの監督としての再編成に期待します。

いずれにせよ、野間の他にもう一人、出番にない磯村か結果を残していない下水流を落として赤松(二軍でヒットが出ていない)を上げて専ら守備走塁で起用するのかこれは、火曜になってみないと首脳陣がどういう動きを見せるのかはわかりません。

丸は、トータルの打率は高いですが、得点圏打率.182。田中は、今一つボールを待つという打撃に適合できていません。どんどん打ってランナーを還すなり進塁打を打つなりする打撃の方がいいように思います。

バントの成功率は、打率に比例します。体の状態が良ければ、菊池は、今の悪球打ちでも率を残すでしょう。

一つだけ、人のことを棚に上げてポジらせてもらうと(というよりは花畑ですが)、故障明けの新井とエルドレッドを交互に休ませて、下記のオーダーを試してみてはどうでしょう(いつまでも、大砲頼りの接戦に弱い大味な野球から徐々に脱却していかなければならないので。今シーズンの広島の優勝はありませんが、大砲(遠くに飛ばせれば本塁打が量産できるわけではありません。可也の打撃の安定度がなければできません。)がいなくても優勝したチームはいくらでもあります。※筆者は三番最強論者です。その上で批判は覚悟します)。

四番は、.240 40本(広島にはいませんが) 120三振と、.310 22~23本 70三振であれば、後者を選びます(尤も、現在の鈴木には、.300 20本を打つ力はありませんが)。

(中)丸

(二)菊池

(三)ルナ(ケース打撃と走塁の貢献ができるので打てなくても外さない)

(右)鈴木(既に昨年、三番と五番は務めている。根拠としては悪い状態をすぐに立て直せて、打率の浮き沈みが少ないから)

(一)エルドレッドor新井

(左)天谷(本当は、センター野間がここに来て欲しかったが)

(遊)田中

(捕)會澤

オールスター前の段階でルナが今の状態のままで、菊池が3割をキープしていれば、ルナを休ませながら

(左)丸

(遊)西川

(二)菊池

(右)鈴木

(一)エルドレッドor新井

(中)野間

(三)田中

(捕)會澤

[追記]

鈴木が3番なら、相手としたら2番打者とまともに勝負せず鈴木と勝負となりますが、足のある2番ならカープとしても揺さぶれるのでそれはありではないかとする見解もあります。

いつでも1番から始まるわけではなく、下位打線から始まる打順で点を取りダメージを与えることが必要。6番に穴がある人がいても4番5番に穴がある人がいては線にならないという見解があります。

私見としては、1番打者は、第1打席は、必ず、ランナー無しの状態で打席に立つので、得点圏打率の高い打者を置くと毎試合1打席を必ず無駄にすることになります。

現代では、相手投手も投手であるからと言って簡単にストレートを投げてバントをさせてくれません。8番に置かれるのは足の遅い捕手が多いので、ランナー2塁に進めることに成功したとしてもシングルヒットで本塁に還るということは難しい。投手が1塁ランナーに残れば、投手は全力で走らせることができないので、1番打者がヒットで進塁しても1、3塁のケースが作れませんし、盗塁で2塁に進むこともできません。

8番9番の打率を考えれば、9番で打線が途切れ3アウトになるケースの方が8番、9番がつながるケースよりも多いことから、1番は、出塁率は高いが、得点圏打率の低い打者を置く方がいいと思います。

田中の場合、バットが最短距離で出る位置に構えており、四球を選ぶことなくケース打撃に対応できていたにもかかわらず、始動を早くすることで、却って頭がブレて打撃を崩している場面があります。それが修正できれば2番乃至は第2の二番打者として7番が適していると思います。早打ちの打者でも待球の打者でも初球から甘いストレートが一流投手ほど来ないので、バットを出す球を選びつつ悪球にも対応できるのでゆっくりと最短距離で振り下ろさせるスイングの方がいいと思います。

打率とバント成功率の相関関係ですが、右左の違いはありますが、イチローや前田智徳(3割の常連になってバントがレアケースになってから)がバント失敗するのを見たことがありません。悪球打ちの打者は、イチロー、前田を含め、菊池にしろ、西川にしろ、ツイスト打法の岩本にしろ、投球によって目線を柔軟に変えられる打者であり(菊池の場合、ヒッティングは右足重心からインパクトの段階で左足重心に移動しているように見えます)、これを良い方に解釈するか、矯正した方がよいとするかは見解が分かれるところだと思います。打てないときにバスターエンドランをかけて目線のブレを修正することは時折見かけます。

鈴木を置くとルナとの勝負を避けてくるのは計算ずくで、カウントや投球でスイングを柔軟に変えられ、0-3から投げてくる甘い球を見逃さず昨季得点圏打率チーム一(.358)で、これは、梶谷、山田、筒香よりも高い。今年から力みなく振り切ることもできるようになった。接戦では大量得点が望めません。強いチームは、足の早いランナーを2番打者が出塁したケースでは、初球からストレートでストライクを投げてくるということはなく、終始甘い球を投げてくることがなく、空振りの多いエルドレッドよりも厳しいコースに対応でき、ヒットできるコース、ヒットゾーンの広いケース打撃ができるルナや鈴木を置きたいところです。現状ルナの方が精度が高いのでルナを3番にしています。5番は、2アウトで打席に立つことが他よりも多いのでフリーに打てます(エルドレッドが今の型をシーズン通してできるかと言うと難しいと思います)。新井を5番にしているのは注文どおりにスイングして併殺が多いからです。

[追記]

田中は、ボールをみたりファールで逃げたりできるようになってきてるので。始動を早くして1、2の3を減らそうとしてるのが見えます。事実、四死球は今年多いです。あと、ファーストストライクからくるバッターじゃないと怖くないし、それをやるから投手が勝手にカウント悪くしてくれる、そういうのが今年増えていく兆しがあるとの意見があります。

ファウルを打つということは、目線にブレがあるということ。

それがなければヒットが打てる球であるということ。

球数を投げさせて、先発を降板させても、点が取れなければ、更にハードなリリーフ投手が出てきます。

今年になって、カープ打線は、トップを作るのが早くなって、振り下ろしとステップ足を下すのが一緒というのが少なくなっているのはあります。

[追記]

大学で野球の指導をしている人に言わせると、悪球打ちができてる時は、目線にブレがあるとき。

これはそのとおりだ。

菊池の場合、バントは正対系で右足重心、ヒッティングは左足重心なので、バント成功率と打率の相関関係はあるのかと疑問を呈する見解があります。

レベルの高い野球においては、打てないときの練習法として同じ重心でバント練習させ球を見させて目線のブレを修正することはあるようです。