福井優也は、何故、今一つ殻を破れないままでいるのか。

福井は、昨年、菅野に2度投げ勝つなど巨人戦3勝と優勝に貢献したものの、

前半は、結果が出ずに二軍落ち、後半も故障で離脱し、終了間際に復帰してそれなりの投球をしたが、5勝(4敗)どまり。

黒田が引退し、広島が連覇する上で鍵を握る選手の一人である。

一昨年は、9勝して昨年も期待されたが、今一つ殻を破れないでいる。

多くのファンがコンスタントに2桁勝ってもらいたいと考えているだろう。

先ずは、投球動作から見てみることとする。

福井優也のピッチング

いいときは、左手のグラブの位置も高く構え、右足の裏全体でプレートを踏んで、右足の上に腰、上半身、頭が乗ってラインができる。

しかし、クイックでないとき、左足は、骨盤よりやや高く上げているので、動作にロスがある。

いいときは、本塁方向にストレートに左足をステップできる。

右肘が上がって右肩に後回転をかけてストロークを長くしてリリースの際に右肘、右肩、左肩が、打者から見て右斜め下に向かってラインができて、一塁側に体が流れる。

良くないときは、つま先だけでプレートを踏み、いいときよりも左手のグラブの位置も低い(後述するように肘が上がらないことと関係がある)。

グラブを持つ手の肩は、内旋できています。

骨盤が三塁側にスライドしています。

これでは、ボールが高めに外れたり、ボールを引っ掛けて低めに外れます。

また、打者に後ろの骨盤を隠せていません。

クイックのときは、左足を上げる高さは、骨盤より下、クイック以外では、左足は骨盤より高く上げるところは同じで、良くないときは、テイクバックのときに右肩が下がり(右肩を故障しやすい。)、左足で弧を描いてステップする。

写真では、弧を描いています。

弧を描く動作で、瞬発力が逃げてしまいます。

上体は、骨盤の上に乗って立っており、プレートを右足で蹴り始めるとき、左肩の内旋もキープでき、右股関節と左膝にタメがありますが、

左足は、爪先から着地し、トップを作ったときに、ボールを握る手と頭の位置が離れている。

よって、右肘が上がらない。

また、後回転が不十分でストロークが短いことがある。

良くないときは、リリースのときに手首が立っていない。

ボールがひっかかって制球できない。

静止したとき、片足で立ったときは、上体が「く」の字でもいいが、リリースまでの過程でも上体が伸びない。

これらから傍脊柱筋筋膜炎を8月よりもから、試合によっては発症していたのではないか。

よって、球に瞬発力が伝わらない。

良くないときは、、フィニシュのとき、左膝の伸びは十分でないところは残念である。

リリースし終わった後の左膝は伸びていることもある。

福井は力のあるストレートを投げると評されるが、打者から見れば、球速ほど伸びがないと錯覚するのではないか。

中継ぎ、抑えよりも、先発に適した投手である。

昨季の福井優也の投球成績

昨年の成績は、下記のとおりである。

全て先発である。

13試合 5勝4敗 4.34 76回2/3 自責 37 84被安打 63奪三振 30四球 4死球 暴投0 ボーク0 被本塁打9 完投0

被打率は、右打者 153-38 4本 .248 左打者 148-46 5本 .311 通算.279

被長打率 .432 被本塁打率 1.06 与四球率 3.52 被出塁率 .349 被OPS .781

奪三振率 7.40 奪三振/与四球=2.10

本塁打を除くグラウンド内に飛んだ飛球が安打になった割合である被BABIPが.323。

一イニング当たりの走者の数であるWhipは、1.49人

アウト内訳は、ゴロ69 フライ83 三振 63  犠打 7 犠飛 3 失策2

ゴロ比率 30.4% ゴロアウト比率(ゴロアウト/フライアウト)=0.83

残塁率(LOB) 75.9%

平均的な投手と比べてどれだけ失点を防いだかであるRSAA(マイナスよりもプラスの方が評価が高い。プラスはその数値が高いほど、優れている。)は、-3.55。

総投球数 1315  打者 345人 打者1人当たり当たり 3.81球

5.71球投げて1つのアウトを取っている。

一イニング当たりの投球数は、17.2球

救護率 3.69  福井が投げた試合には、打線は.279打っている。

2桁被安打 3試合 2被本塁打 2試合

相手捕手は、會澤が12試合 磯村が1試合

最も長いイニングは、4/3の巨人戦の8回。

最も球数を投げたのは、4/10の阪神戦の125球

100球超の試合は、6試合

イニング別失点

イニング別失点は、下記のとおりである。

1回・・・・5点

2回・・・・7点

3回・・・・7点

4回・・・・7点

5回・・・・7点

6回・・・・3点

7回・・・・2点

一点取られたイニングが8回、2点取られたイニングが10回、 3点取られたイニングが2回 4点取られたイニングが1回

失点したときの平均が1.81点  失点イニング率が41.18%

条件別成績

昼間の試合が、1勝2敗 5.83

夜の試合 4勝2敗 2.57

ホーム 7試合 0勝3敗 6.23

アウェイ 6試合 5勝1敗 2.79

球団別成績

球団別成績は、下記のとおりである。

対巨人 5試合 34回 8自責 3勝0敗 2.12 (東京ドーム 3試合 19回5自責 2勝0敗 2.37)

対ヤクルト 1試合 5回 2自責 0勝1敗 3.60

対DeNA  2試合 9回2/3 8自責 0勝1敗 7.45

対中日 1試合 4回 5自責 0勝0敗 11.25

対阪神 4試合 26回 14自責 2勝2敗 5.25

QS率は、53.8% QS勝3 QS敗 1

球種配分及び球種別成績

球種配分は、下記のとおりである。

ストレート 41.62%

フォーク 25.08%

カットボール 17.00%

カーブ 7.85%

シュート  7.32%

スライダー 1.14%

球種別安打は、下記のとおりである。

ストレート 130-32 4本 17四球 .246

初速と終速の差が最も小さいカットボールは、49-20 3四球 .408

シュート 19-8 1本 .421 これには、スプリットも含まれているかもしれない。

フォーク 87-19 2本 9四球 .218

カーブ  15-5 1四球 .333

スライダー 1-0 .000

球種別空振り率は、次のとおりである。

ストレート  6.59%

カットボール 12.56%

フォークボール 15.81%

シュート    2.08%

カーブ     7.77%

スライダー   6.67%

カウント別成績

カウント別の成績は、次のとおりである。

初球 35-17 4本 .486

1ボール0ストライク  34-10 1本 .294

2ボール0ストライク    5-1  .200

3ボール0ストライク     1-1 .1000

0ボール1ストライク    27-8 2本 .296

1ボール1ストライク   27-10 1本 .370

2ボール1ストライク    24-6    .250

3ボール1ストライク    5-3 1本 .600

0ボール2ストライク    12-5 .417

1ボール2ストライク     26-10  .385

2ボール2ストライク     21-7  .333

3ボール2ストライク     21-6  .286

3球三振 14  ボール1つの三振 18 ボール2つの三振 18 フルカウントからの三振 13

ケース別成績

得点圏被打率は、75-19 2本 24打点 三振13 四球12 .253

2本は、共に同点のケースである。

ビハインドでの得点圏被打率は、.242、同点での得点圏被打率は、.296、リードした場面での被打率は、.200

ケース別被打率は、下記のとおりである。

走者無し  170-50 .294 3本 3打点 3本はいずれも同点の場面

走者一塁  56-15 .268 4本 8打点 本塁打の内訳は、ビハインド3本、同点の場面1本で1本である。

走者二塁  19-3  .158 1打点

走者三塁  2-2  .1000 1本 4点

走者一、二塁 29-9 .310 1本 10打点

走者一、三塁 4-1 3打点 .250

走者二、三塁 0本 2打点 .100

満塁 11-3 4点 .273

本塁打は、同点の場面で6本、ビハインドの場面で3本である。

ロースコアの接戦の場合、初球の入り方を考えなければならない。

走者2,3塁の、共にタッチプレーが要求され、三振捕逸、三振暴投、内野フライでも一点が入り得るケースで10-1 2点とほとんど打たれていない。

コース別成績

コース別被打率は、下の図のとおりである。

前述の投球動作から、左足で弧を描き、ストロークが短く、球に力が伝わらないときがあるので、真ん中のゾーンよりボール2個分高いところは、9-1 .111ながら本塁打を1本打たれているし、インハイで詰まらせることができず、インローの変化球も落ちない。

右肘よりも右肩が高く、斜め下にできるラインが出来ていない、一塁方向に軸が傾かないときは、アウトローも今一つ制球できていないので、28-10 .357と打たれている。

右肘が上がらないことがあるので、外角高めのバットとボールの距離が保ちにくいコースも25-9 .360と打たれている。

インハイで詰まらせたり、インロー、真ん中低めのボール半個分入れるフロントドア(カット、スライダー系)、外角ボールゾーンから入れるツーシーム、スプリット系のバックドアの制球ができていないので、少ない球数で打ち取れていない。

シュートは手首が寝せて投げるので、初速と終速の差が他のボールに比べると大きいので、低目に制球しないと打ち取れない。

試合後に、首、肩、背中、腰などをじっくりリハビリをして、内転筋を使って、前述した2つのラインができ、肩甲骨周辺の筋肉が使えて、左足が弧を描いていないかをチェックし、左足が突っ立つようになれば、初速と終速の差を少なくすることができる。

リリースの直前で肘が下がらなくして、リリースの際に手首が立っていれば、制球も良くなる。

フォークもすっぽ抜くことができる。

四球率も9イニング換算で2個台にする必要がある。

そうすることで防御率も良くなり、防御率が良ければ最終的には必ずしも勝てるとは限りませんが、もっと勝ちやすくなると思う。

主な打者との対戦成績

片岡 4-3 1本  .750

阿部 6-3 1本  .500 1三振

坂本 11-4 1本 .364 2三振

ギャレット 14-4 1本 3三振

村田 15-2 1本 .133 3三振

長野 14-1    .071 2三振

立岡 10-2    .200 3三振

小林 12-2    .167 2三振

クルーズ 10-2  .200 2三振

バレンティン 3-0 .000 1三振

山田哲人 2-0   .000 1三振

筒香   3-1 1本 .333

ロペス 6-2 1本 .333 1三振

倉本  6-3    .500 1三振

ビシエド 3-2   .667

ナニータ 3-2   .667

鳥谷 8-4   .500 1三振

福留 10-4   .400 2三振

高山 12-4 1本  .333 2三振

江越 11-4    .364 6三振

ゴメス 8-1   .125

北條  6-3   .500 3三振

※文中データは、データで楽しむプロ野球、ヌルヌルデータ置き場他を参考にした他、独自に計算したところもあります。

[追記]

坂倉は、トップの位置が高く固まり、打ち終わった後、右膝が伸びるので、長打も出る。

只、右膝がインパクトの際に足首より前に出たり、テイクバックのときに右膝が伸びたりしているので、

プロに入ってきた頃の誠也と比べると、誠也の方が坂倉よりも奥行がある分、プロ入り当初においては、誠也の方が上ですが、

いい打者だと思います。

堂林は、バットを投手側に寝かせて、トップの位置を高く持っていく打法に取り組んでいるようです。

バットを寝かせて速度を評価するのでしょう。

足を上げる前に膝を緩くして速度を評価できるか、球種、コースに応じて、トップの位置を固めることができるか、左足つま先を接触させて、着地する位置が決められるかが鍵になってくると思います。