2020NPB加盟球団ドラフト指名候補野手動作解析(追捕)

Last Updated on 2020年10月27日 by wpmaster

前回は、ドラフト上位指名が予想される野手を大学生を中心に取り上げたが、高校生をも含めて採り上げていきたい。

元謙太(右投げ右打ち 中京大中京)

元は、アドレス(セットアップ)のときは、左足はややオープンスタンス、両膝は緩く曲げ、骨盤が後傾する。ヘッドを立てて構える。腹横筋のトレーニングが進んでいなかった頃の日本の選手の代表的な構えをしている。
右足の股関節の外旋と同期して左足のつま先で地面を蹴る。
トップポジションは、右肩と耳の中間の高さに達する。前肩はスクエアだが、左臀部が背骨の方に入る。右足踵が三塁側に滑ることがある。前足がインステップし、前足の着地位置を探り、ストライドが大きい。ここが鈴木誠也と大きく異なる。その後に右肘が推進し、ヘッドが手首のラインより下がりヘッドアップ(ヘッドでボールを下から上に擦り上げる)することが多い。

小深田大地(右投げ左打ち 履正社)

小深田は、アドレスのとき、骨盤は前傾も後傾もせず、ヘッドを立てて構える。
小深田は、左足の拇指球で地面を蹴ってから右足小指球で地面を蹴る。その後でヒッチする。前膝は、内転筋の高さまでしか上げない。トップポジションに達するまでの過程で左足のスパイクの内側にエッジがかかる。前膝を下ろしたとき、左肘がヘッドの外側に張り出さない。左手親指でグリップを押し込んだ後に前膝で地面を蹴っている。両股関節をぶつけると右膝の壁が崩れる右投げ左打ちのスイング

井上朋也(右投げ右打ち 花咲徳栄

井上は、アドレスのときは、右内転筋を搾って親指をスクエアよりやや投手寄りに向ける。右股関節を外旋すると右足つま先が捕手方向を向く。トップポジションに達する過程で後ろの肩より前肩が下がり、右肘がヘッドの外側に張り出す。前膝は、右足の内転筋の高さまで上げる。前膝の着地位置を探らずに前膝を落とす。スパイクの内側でエッジをかけて前膝を落とすと割れが崩れ、ヘッドがボールの内側(捕手側)に入っていまうが差されて打てている。
スイングは、前述の元よりもずっと鈴木誠也、ピレラに似る。
今回のドラフト野手部門では私の一推し。オークションで早川が獲れなければ、この選手を一位指名で行け。

水木海斗(右投げ左打ち 二塁遊撃 JR北海道野球倶楽部)

青森山田、国学院の頃から注目していた選手
アドレス(セットアップ)のとき、クローズドスタンスで骨盤を前傾させて立つ。手首をヒッチして左足のスパイクの外側で地面を蹴り、後ろの股関節で地面を外旋してから右足小指球で地面を蹴る。青森山田、国学院大の頃に比べ、前肩が背骨の方に入らなくなった。小園のように背骨が捕手側に倒れる。前田智徳のようにゆったりと手首をトップポジションに持っていくことができ、ヘッドが立つ。左肘がヘッドの外側に張り出す。堀出し物となり得る選手、下位で指名してみてもいいだろう。

来田涼斗(右投げ左打ち 明石商)

来田は、ややオープンスタンスで立つ。アドレスのとき、両膝が両足つま先の前に出る。左足拇指球、右足小指球を同期して地面を蹴り、左股関節を外旋。前膝のMaxは、左股関節の高さ、背骨が捕手方向に倒れる。トップポジションは、耳の高さに達する。前足の着地位置を探るときと、探らずに前膝を落とすことがある。いずれも左足の拇指球で両足を前に運んでしまうので、ヘッドがしならない。

総括

今回のドラフト指名候補選手の中から個人的に順位を付けるとすれば、下記のようになる。

1位 早川隆久(投手 早大)

2位 井上朋也(三塁、外野 花咲徳栄)

3位 大道温貴(投手 八戸学院大)

4位 小林樹斗(投手 智辯和歌山)