2019広島vs中日12回戦1点差だが後一歩及ばずではない試合

試合には敗れたが、西川がマルティネスからライト線に打ったバッティングは、バッティングを研究する者にとって打撃の基礎を固める上で考えさせられる研究材料を提供してくれている。

ドアスイングのようでドアスイングでない西川龍馬のバッティング

マルティネスは、スパイクの外側に重心をかけて右股関節を外旋して左膝をレッグアップする。左膝を内に入れる。
「く」の字を作ったとき、左足内転筋を内旋しているが、右足の踵が地面から離れ、小指球を支点に右足前脛骨筋が回内(外反)し、右膝が前に倒れる。
リリースの瞬間に左足が突っ張り左股関節が引っ込むが、右足は小指球を支点に外踝が下に向き、右膝がの伸びる。瞬発力がボールに伝わっていない。

西川は、右足を着地したとき=振り下ろす直前に左足の内踝は前に倒れているが、左足の前脛骨筋が回外(内反)している。右肩も残っている。
左股関節の外旋は不十分だが右足内転筋の内旋はできている。

体軸を回転させながらスイングする。一見ドアスイングに見え、野球少年には真似して欲しくない動作に見えるが、両肩を結ぶラインができており、そのラインから右肩が外に外れていない。すなわち右肩が開かずに右肩関節を右肩甲骨にしまうこと(格納)ができている。右膝は完全に突っ張ってはいないが、右股関節が引っ込んで上体が後ろに倒れ頭が左足の上に乗っている。頭が右足の上に乗って回っていっていないのである。

よって押し手の肘が伸びずに右の股関節の前に押し手の肘が出ていくのである。引手の拳で押し手の人差し指の付け根を押し戻せばヘッドが手首を超える。

西川は、ミートの瞬間に押し手の手首が引手の手首を超えるのを抑止(手首はフォロースルーのときに返している)。

右足の着地のときに左足のスパイクの内踝が前に倒れているところは、スイングと共に左膝、左足首が飛び出してミートの瞬間に右膝が折れ曲がり左膝が伸びてしまって瞬発力をロスしてしまうので真似して欲しくはないところである。

間違っても100点満点のバッティングではないが最低限の動作をしたことにより安打になったという打撃である。

他球団の3番打者に比べ長打率が低いのは、体格や筋力量ではなく技術面、特にミートの瞬間に重心が前足:後ろ足=100:0にして前足を軸に打てていないことによるところが大きいのである。

その他気付いた面

山井の出来は良くなかった。
山井は「く」の字を作ったとき骨盤が滑る。
山井は、リリースの瞬間に左足はほぼ突っ張り左股関節が引っ込むが、右足は小指球を支点に右足の外側の甲が下を向き、右膝が外に外れている。右腕上腕部が凹む。右足をターンさせるが、瞬発力がボールに伝わらない。
鈴木誠也は、4回表、真ん中のストレートを打って左翼席に本塁打。

鈴木誠也は、本塁打を打った打席に関して言えば、割れを作ったときに右肘がヘッドの外に張り出し押し手主導で打てていた。両股関節をぶつけた後、完璧ではないが右膝を真下にほぼ落としている。

遠藤も「く」の字を作ったとき骨盤が滑る。リリースの瞬間に左膝が折れ曲がり、右足踵が三塁側に倒れ右膝が外側に外れている。瞬発力がボールに伝わらない。

九里も初回4連打を浴びたが、投球動作の誤差は大きくはない。「く」の字を作ったとき右足の踵がわずかに地面を離れ右膝が前に倒れていた。

フランスアは、リリースの瞬間に左膝が伸び、右足が突っ張っておらず、左足のターンも両足がクロスしない。瞬発力がボールに伝わっていなかった。

野間は、2つの四球で出塁したが、1回表の打席ではストライドが広がりヘッドが出かかる。6回表の打席も探りが大きい。8回表の左飛もヘッドがボールの内側に入っている。

[追記]

昔は、外国人選手は2人までしか獲れなかった。ほとんどの球団が打者2人獲って外国人投手を獲る球団はほとんどなかった。その頃であれば前肩を残してヘッドを残す打ち方でもやっていけた。今は外国人投手は3人まで同一試合で一軍で使うことができて次の対戦のときには前回対戦した外国人投手は抹消されていてまた別の外国人投手が出てくる。
右膝を上げるのが遅れて割れを作る間がなくて後ろ足のスパイクの外側に体重が乗らない。左足の内側のくるぶしが前に倒れて探りのまま右足が前に出ていってしまう。フルスイングができなくなって見逃し三振が増える。ブレーキの利かない踵体重になってワンバウンドを振ってしまう。
ヘッドをボールの外側に入れるとなると左足のスパイクの外側に体重を乗せてストライドを狭めないといけない。スパイクの外側に体重が乗ればワンバウンドを振らなくなって四球が増える。

前肩を残してヘッドをボールの内側を打つと着地と同時に後ろ足を軸に骨盤が回る。レベルだとどうしても頭とヘッドの軌道が離れるのが早くなってしまう。ミートの瞬間に右膝が突っ張らない。右股関節が引っ込まない。上体が後ろに倒れない。左肘が右の股関節の前を走らない。手の甲が伸びて手のひらでボールを受けてしまう。ふにゃっとした打球になってしまう。バットの先や芯よりグリップ寄りに当たる。

日本の指導者は、東出に限らず、インサイドアウトをボールの内側を打つことだと誤解している。ボールの内側を打てば両手首とヘッドが押し手の肘より前に出るからインサイドアウトとは言えない。
昨シーズンの野間は、割れができて右の股関節が引っ込んで押し手の肘がヘッドよりも前に出てヘッドが残る、ヘッドがしなる、ヘッドがボールの外側に入るという本当のインサイドアウトで振れていた。昨シーズン、野間が飛躍したのはまぐれではありませんよ。
今シーズンの野間が、使えば使うほど負ける選手になっているのはインサイドアウトで打てていないから。ストライドが広がってフルスイングができないのもインサイドアウトで打てていないことと関係があります。OPSが低いということは、野間を使うなという根拠としては非常に脆弱ですね。

慶彦が菊池に「ボールの内外後上下」を打つ練習をしていたことを話したことがあります。
ボールの後ろまたは外を縦にこすり下ろすとヘッドをボールの下にくぐらせてフライが打てます。
ボールの上を叩けば地をはうゴロになります。ヘッドをボールの下に入れヘッドを下から上にこすり上げる(ヘッドアップ)とバウンドの高いゴロになります。ヘッドをボールの下に入れ手首を返すとスライス回転がかかってバウンドの高いゴロになります。
「ヘッドがボールの下に入って手首を返す」は、新井さんぐらいまでの世代はやっていましたが、今の選手達がやってしまっているのはヘッドアップの方。
前進守備をやっているカープは他球団の選手がヘッドアップした打球をハーフバウンドの跳ね上がったところ(バウンドの頂点)で捕球して本塁に返えられ、他球団は前進守備を採らずにハーフバウンドが頂点から落ちてきたところかショートバウンドで捕って本塁又は他の塁で刺している。その結果、野間は打撃を崩して自滅している。

[注記]

昨日の中日戦、野間の8回表の「当てただけの左飛」がヘッドがボールの内側に入るって奴です。
ボールの軌道と水平にボールの後ろにヘッドをコンタクトさせるとライナー、ゴロになります。ヘッドをボールの外側に入れてヘッドをボールに引っ掛けて打つとゴロやライナーになります。上から下にこするとフライになります。インローはアッパーで打つとボールの軌道に芯がぶつかります。引手の拳で押し手の人差し指の付け根を押し込まずに引手の肘を抜けばゴロやライナーになります。ヘッドアップしてヘッドがボールの上に被さるとゴロ、ヘッドをわずかに擦り上げてヘッドの上に投球が滑っていくとライナー。打球方向やバットの先かグリップ寄りかは骨盤、体軸を回すタイミングで調整する(回すタイミングが早いほどバットの先)。スイングの仕方によって打球は変わります。
また、ボールの上下と言うのはボールの中心から7~8mmのところを指します。