来季は、飛躍が見込める藤井皓也のピッチング

リーグ優勝が決まってから、一軍登録。

DeNA戦に初登板して、2試合登板。

初ホールドも記録し、内容もいいものを見せてくれた。

ファンの間からは、何でコイツの方がいい成績なのに、コイツより二軍の成績が悪いアイツが一軍に呼ばれるんだという声が上がるが、二軍の成績は、関係ない。

二軍でも、投球動作ができているか、投げている球そのものはどうかが、成績よりも比較にならないほど重要だ。

藤井の抜擢は、投球動作や投げている球そのものを見て昇格を決定した二軍スタッフの仕事、一軍ベンチワークだったと思う。

藤井皓也は、1996年7月29日生まれの21歳

2014年おかやま山陽高からドラフト4位で入団。

今季が3年目。

公称サイズは、181cm  83kg

右投げ左打ち

来季は、一軍に定着して活躍することが期待できる藤井の投球動作を解析してみよう。

藤井皓也のピッチング

トータルとしては完璧な投球動作ではないが、瞬発力を産み出すピッチング

藤井は、プレートの一塁寄りを踏みますので、縦回転の球が投げられます。

右足は、足裏全体で地面を踏み、拇指球も踵も浮いていません。

踵にも重心が残っています。

右足が真っすぐ伸びているので、地面を強く踏みすぎで、くるぶし、ふくらはぎに負荷がかかっています。

もう少し、右膝がルーズに伸びている方が瞬発力を消耗することなく重心移動に移行していけます。

前傾した上体と左足が垂直に交わり、後に大腿骨を骨盤に刺したときに瞬発力がボールに伝わります。

下半身は、ヒップファーストで重心移動していきます。

スパイクの内側でエッジをかけるのが甘く、骨盤が三塁側に滑ってしまっています。

これだと、トップを作るのが遅れ、左足を下すのと同期して右肘が伸びてリリースに入り、右股関節と左膝のタメがなくなって左膝の開きが早くなり、インハイに外れたり、右股関節と左膝のタメがなくなって、右肘が先に出ず、右肩が凹んで、ボールを指に引っ掛けてアウトローに外れ、瞬発力も消耗することがあります。

取り敢えずは、後ろの骨盤は打者に隠せています。

前傾していますが、上体と頭は骨盤の上に乗っています。

左足のくるぶしを本塁側に向け、左の股関節は伸びていません。

背中に付きそうなところまで、右肩を内旋しませんので、テイクバックは小さい方です。

左足のくるぶしを本塁側に向け、左の股関節は伸びていませので、左足で弧を描かずに、本塁に向け、L字型に左足を運んでいます。

右肩がやや下がりますので、縦回転の球が投げられます。

極端に下がっているわけではないので、それほど、右肩は損耗しません。

右股関節を二塁方向に内旋し、右膝を内旋し、タメができています。

右か阿多が上がってM字に近づいていますが、右肘が右肩よりも上がっているわけではないので、ルーズショルダーになりやすいとまでは言えません。

スパイクの内側から地面に向かい、左膝を本塁方向にキュっと向けます。

左肩を内旋しながら、左膝と共に本塁に向けて並進していきます。

股関節が地面に向かって「く」の字になり、右股関節と左膝にタメがあります。

スパイクの内側でエッジをかけた右足から、ボールを持つ右手にかけてCアーチがかかっています。

これらは、瞬発力を消耗しない投げ方です。

右肘から下が逆L字になっていますが、右肩、右前腕部は、タイトに内旋していません。

大腿骨を骨盤に差して、両肩甲骨をぶつけていき、右肘をつまみ上げます。

踵を地面に向けていますが、ステップ幅は、6足半程度と標準です。

右足を蹴り始めたときに右股関節、腸腰筋、左股関節は、外旋していません。

左肩を内旋しながら、トップを作っていきます。

左膝は、本塁方向に向いています。

トップを作り、スパイク内側の踵から着地します。

胸を打者に見せていません。

しかし、それほど極端な踵着地でもないので、右肘はそれほど損耗しないでしょう。

日本の球場は、マウンドの土が柔らかく、マウンドが固いと評される球場でも下半身の労力をさほど消耗しないでしょう。

ボールを持つ手は、頭の方に向き、しかも頭との距離が短いので、瞬発力が消耗しない投げ方です。

踵着地の場合、ステップ幅が広いと、左膝の曲がりがタイトになり、重心が沈み、左膝がロックされてしまい、左膝を上方に蹴るのが困難になって下半身主導の投げ方でできず、上体でも作った瞬発力もボールに伝えることができません。

藤井の場合、右膝も右脛も地面に付かず、左膝がタイトに曲がり過ぎていません。

また、腰が引けて重心が後ろに残るということもありません。

トップを作るのが遅れ、左膝が左のつま先が前に出ることもありません。

左肩も、左膝も開いていません。

両肩甲骨を剥がし、胸の張りを作ります。

左足の拇指球で地面を踏んで、再び、スパイクの内側の踵から着地します。

前のめりにはなっていませんが、踏み込んだ左足の位置がズレるので、瞬発力を消耗する。

胸の張りが既にできていたので、三角筋を使って、右腕上腕部を後方に引っ張ります。

ダブルスピン投法です。

ボールを持つ手もここまで頭の後ろに隠せています。

踵着地と、外旋を遅らせたのと、胸の張りが大きかったので、右肘が上がり回転軸が一塁側に傾き、縦回転の球が投げられます。

0ポジションができます。

右肘は垂直にコッキング(曲がる)しています。

回転軸と右肩が垂直に交わるので、回転数の多い球が投げられます。

手の平を外側に向けたまま内旋を始めます。

左足内転筋と左太ももの裏が伸びていきます。

これは、メジャーリーガーや菅野や藪田にも見られる動作です。

胸の張りも大きかったので、右腕がしなります。

後ろが小さく、前が大きい投げ方ですので、頭が前に出されません、

踵を支点に左膝が反ります。瞬発力をうねり上げています。腰が引けていませんので、重心が後ろに残りません。

瞬発力がボールに伝わる投げ方です。

小指の側からチョップするように内旋して手の平を股関節のターンの方向に向けるので、バックスピンのかかった球が投げられます。

首を上下運動をして、背中を捕手に向けるぐらい振り下ろし、地面と平行になるぐらいまで、上体を一塁側に傾けているので、瞬発力がボールに伝わります。

首の上下運動により制球が乱れるとして、それを嫌うOBもいますが、右肩が捕手のミットに向いていれば、制球の誤差は小さくなります。

左膝を上方に蹴り伸ばしていきます。

左膝が上方に伸び、壁ができ、出ていきかけた股関節が引っ込みます。

伸ばした左膝により、回転軸ができるので、右腕のフォロスルーの通路をふさぎません。

この段階では、右股関節は締まっています。

一塁側に右足をターンするのはこれからも続ける必要な動作です。

三塁側に四股を踏んで三塁側に重心が残るよりも益しだけれども、藤井の場合、一塁側に右足をターンする過程で、右股関節が伸びているので、瞬発力を消耗してしまう。

一塁側に右足をターンさせるときは、右股関節を締めて、左膝に沿わせてターンした方が、失速を抑えられる。

右股関節を閉じて、右足を一塁側にターンします。

更に、よりよりパフォーマンスを産み出す投げ方

ヒップファーストで重心移動をしていきます。

左足のくるぶしを本塁方向に向けています。

骨盤が三塁側に滑っていますが、後ろの骨盤は、打者に隠せています。

三塁側に股関節が伸びずにL字型に左足を運んでいきます。

スパイクの内側から着地に向かいます。

大腿骨を骨盤に差して、右肘をつまみ上げます。

左膝を本塁方向に向け、スパイクの内側全体を地面に向けていき、左肘と共に並進していきます。

もう少し、さっと左膝下を内に(一塁側に)入れると、瞬発力の乗った球が投げられます。

左肩も緩く内旋し、開いていません。

トップを作ります。ボールを持つ手が頭の後ろに隠せています。

やや右肘、前腕部が一塁側に倒れて右肩の内旋がタイトになってしまっています。

左足は、スパイクの内側の踵~拇指球にかけての全体で着地します。

胸の張りを作っていきます。

左足の重心は、拇指球に移りますが、左足の位置は、ズレません。

ボールを持つ手が頭の後ろに隠せています。

右肘も上がり、右肘を85°にコッキングしています。

捕手に背中を見せていくぐらい、右腕を内旋します。

左足を上方に蹴り伸ばし、左膝が完全に伸びます。

上体も一塁側に傾いています。

胸の張りが作れていないとできません。

右の股関節が伸びていません。

左太ももに沿わせるように右足をターンしています。

右足を左足の前を通過させて一塁側にターンします。

フィニシュです。

今季の成績

主要成績

2試合 1回2/3   23球 打者 5人 無安打 無四球 1奪三振 無失点(自責も0)

防御率 0.00   0勝0敗 0S 1HLD

ストレートMax 147キロ

コース別成績

右打者

左打者

球種割合

ストレート  65.22%

フォーク     13.04%

スライダー 21.74%

球種別成績

①ストレート  2-0   .000

空振り率 0.00%   見逃し率 26.67%

②フォーク  2-0   .000   1振

空振り率 33.33%    見逃し率 0.00%

③スライダー 1-0   .000

空振り率  20.00%    見逃し率 20.00%

主な打者との対戦成績

梶谷   1-0    .000            二ゴロ

乙坂   1-0    .000            三ゴロ

宮﨑   1-0    .000               左飛

倉本   1-0    .000               三直

戸柱   1-0   .000   1振  三振

まとめ

細かいところまで見ると、骨盤が滑ること、踏み出した左足がズレること、フォロースルーの右足のターンで股関節が伸びることのような瞬発力を消耗する動作はありますが、瞬発力をボールに伝え、失速を抑えるエッセンスが詰まった投げ方をしています。

球速表示は特別ではありませんが、投球動作の完成度は、高いですよ。

今季終盤に見せたこのような投げ方が継続できれば、来季は、確実に、一軍の戦力になります。

先発、リリーフのどちらもできます。

上述した細かい部分を修正すれば、更に、瞬発力がボールに伝わった球が投げられ、打者がスイングした結果としての体感速度の速い球が投げられる余地は、まだまだ、あります。